メインディッシュは採れたてサラダ!農家が営む カフェ&マルシェ ノーフ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
野菜が主役!家族経営で営む農家レストランができるまで
からっとした秋晴れが心地よい11月の土曜日お昼過ぎ。平日は女性客が中心だという「café & marche no-fu(カフェ&マルシェ ノーフ)」ですが、この日は週末とあって家族連れで賑わっていました。入口には「満席」の札がかかっていたものの、基本的に予約優先だという店内には、おだやかに食事を楽しむ空気が流れていました。



<店主の小林郁子(こばやしふみこ)さん>
その店内を取り仕切るのが、店主である小林郁子(こばやしふみこ)さん。もともと家族経営である「柴崎農園」で農業を営み、近隣地域へ新鮮な野菜を届けることに力を注いできました。全国の農家さんから直送で季節の野菜を取り寄せて楽しむほどの美味しい物好き。だからこそ、自分たちの野菜も鮮度高く食べてもらい、新鮮な野菜の味を知って欲しい。その情熱とともに一方で抱えていたのが、野菜の規格外品や売り切れずに廃棄になってしまう、いわゆる食品ロスを減らしたいという問題意識でした。
元来、新しいことに挑戦することにワクワクすると話す小林さん。その好奇心と行動力が重なり合い、自分で場所をつくろう!と農業と両輪で自ら専門学校へ通い、調理師免許を取得。2022年には農家レストランを立ち上げることになったのです。「柴崎農園」で育てた野菜を朝収穫し、季節の味を存分に味わってもらう。規格外の野菜は加工品として年間を通じてメニューに取り込む。そんな柴崎農園の思いが詰まった野菜を主役にした場所が「café & marche no-fu(カフェ&マルシェ ノーフ)」なのです。
目の前に広がる田畑とハウスからキッチンへ毎日直送!
<秋が旬のオータムポエムはアスパラ菜の一種>
店舗の目の前にはたくさんの田畑が広がり、どこも徒歩圏内。お昼時の混雑がひと段落したので、日々の収穫場所を小林さんに案内してもらいました。

<奥の建物が店舗>
道沿いに続く畑では、今が旬だというオータムポエムがかわいい花を咲かせ、その先のハウスでは元気な葉物がずらっと並んでいました。サニーレタス、きゅうり、春菊、紫キャベツ、ケールにブロッコリー。さらに別のハウスでは、柴崎農園自慢の複数の種類のトマト、ミニトマトが色づき始めていました。
この季節ごとの野菜を毎朝収穫するのが小林さんの日課。その野菜をキッチンに持ち込み、鮮度抜群のサラダが出来上がるのだそうです。



サラダがメイン、日替わり小鉢が脇を固める野菜好きも大満足のランチメニュー
<本日のメニューと野菜は黒板に手書き表記>
柴崎農園の野菜のほかにも、小林さんおススメの県内の農産品が多数メニューに取り入れられています。高山村のコシヒカリや江原養豚の豚肉など、どれも美味しいもの大好きの小林さん自身がほれ込んだものばかり。
その日のメニューは店内奥の黒板に手書きされていて、メインであるサラダ以外の「パスタ」か「ごはん」を選ぶシステム。この日のパスタは、地元高崎の生パスタを使ったミートソースやボンゴレ。ごはんメニューにはチキンのトマト煮込みチーズ焼きとグラタンが並びます。どれも野菜をたっぷり食べられそうなメニューで迷いに迷いましたが、、、今日の気分はカブにそそられて、「野菜のエビグラタン」をチョイス。

注文を終え、ほどなくすると本日のメインサラダの登場。およそ10種類の採れたて野菜が25㎝ほどのプレートにどーんと盛りつけられていて、彩の鮮やかさに心が躍ります。自家製のたまねぎドレッシングが添えられているのですが、掛ける前にそれぞれの野菜の味をじっくり味わうことにしました。普段何気なく食べている野菜たち。一つ一つの味を噛み締めながら、香りと触感も普段以上に堪能できた気がします。

サラダを食べ終わる頃にはごはんランチが運ばれてきました。驚いたのがその小鉢の数の多さ。熱々のけんちん汁には、さといも、にんじんなどの根菜類がゴロゴロ入っていて、先ほど畑で目にしたオータムポエムはお浸しに。ブロッコリーやカブはシンプルなグリルで、自家製味噌を付け足しながら。キッシュときゅうりの漬物、旬の柿まで添えられています。グツグツしているグラタンに手を出す前に、一通り小鉢を口にしただけで、すでに大きな満足感を感じるほどです。
というように、ボリューム満点なのですが、野菜が主役なので、満足感はあれど、胃もたれしない感覚があって、ペロリと完食。次の機会にはチキントマト煮込みも食べたいな~なんてことまで考えてしまいました。

<美味しそうなメニューが季節ごとにたくさん@cafe&marucheno-fu>
12月からはイチゴが楽しみな季節、よつぼしのパフェに乞うご期待!
<よつぼしの花>
先ほどのハウス見学で見せてもらったこの可愛らしい花。そう、イチゴの花です。この花の真ん中の部分が膨らんでイチゴになります。今、柴崎農園で育てているのが「よつぼし」という品種で、甘みと酸味のバランスがよく、風味豊かなイチゴが採れるそうです。12月ごろから収穫が始まり、そこから登場するのが、よつぼしを贅沢に楽しめる季節のパフェ。イチゴの季節に再訪しようと心に決めました!

<イチゴパフェとスムージー@cafe&marucheno-fu>
収穫されたイチゴは冷凍され、スムージーやソフトクリーム、夏場はかき氷の特製シロップとして年間を通じてデザートに大活躍。カフェタイムだけでも存分に楽しめそうです。
農と食と人が集う場所として、世代をつなぐ思いとこれから
<小林さんの両親、妹、弟、従弟の柴崎農園メンバー@cafe&marucheno-fu>
野菜の消費拡大につなげたいという農家としての思いのほかに、地域の人たちが集う場所をつくりたい、そんな思いも聞かせてくれた小林さん。その言葉通り、平日の午後の時間帯は近所のおじいちゃん、おばあちゃんの憩いの場としてや、時には近隣の学校の謝恩会の会場としても利用されているそうです。この地域社会でのあり方を大切にする考えは小林さんのご両親の代から受け継がれてきました。地域の学校給食へ野菜を届けることや、長年中学生の職業体験を受け入れてきたこともその一つです。今後も食育や農食体験にまつわることも開催していきたいそうです。

健康志向の高まりや、女性の社会進出など、現代社会の移り変わりの中で、家庭における食も多様化していると小林さんは感じています。そうした多様なニーズに応えるという意味でも、店舗入り口の直売所コーナーが地域家庭の食に一役買っているようです。

<店舗入り口の直売所コーナー>
ショーケースには、その日の採れたてサラダが袋入りでいつでも買えるようになっています。野菜の単品販売はもちろん、お惣菜、ドレッシングやジャムなどの加工品、地元の農産品も豊富に並んでいて、通勤帰宅途中に定期的に買い物をして帰るお客さんも多いそうです。
「『あってよかった!』地域のみなさまに必要とされる存在になれるよう頑張りたいです」そう掲げる柴崎農園とカフェ&マルシェノーフには、野菜を楽しむお客さんや地域の人々のほかに、全国各地、そして海外からの視察研修の訪問も後を絶ちません。世代を越えて「農と食と人があつまる場所づくり」、柴崎農園とカフェ&マルシェノーフの挑戦はこれからも続きます。
いかがでしたでしょうか?名前のとおり、カフェとしてもマルシェとしても楽しめそうなカフェ&マルシェ ノーフ。東京駅からも新幹線で50分の高崎駅。サクッと訪れる群馬県で、メインディッシュサラダを楽しむ旅というのも新鮮な発見があるかもしれません。
インフォメーション
cafe&maruche no-fu(カフェ&マルシェ ノーフ)
住所:群馬県高崎市柴崎町1642⁻2
電話:027-335-8207
営業時間:お昼ご飯11:00~14:00(売り切れ次第終了)※予約優先
お茶の時間14:00~16:00
直売所:11:00~売り切れ次第終了(不定休)
定休日:日曜、不定休あり詳細はSNSに掲載
HP :https://shibasakinouen.com/no-fu/
予約:https://yoyaku.toreta.in/nofu/
Instagram:@nofucafe
柏崎祐子