川そのものが温泉!ワイルドすぎる尻焼温泉「川の湯」へ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

尻焼温泉「川の湯」

更新日: 2026年01月22日

群馬県北部の山あいに湧く秘湯、尻焼温泉。

 

川そのものが湯船になる、一風変わった温泉「川の湯」は、自然と一体になるような入浴体験が味わえる場所です。

 

本記事では現地を訪れ、実際に入浴した感想を交えながら、その唯一無二の魅力を紹介します。あわせて、注意点や安心して訪れるための基本情報もまとめました。

川そのものが温泉になる場所

川そのものが温泉になる

尻焼温泉「川の湯」は、長笹沢川の川底から湧き出す温泉を堰き止めて生まれた、巨大な天然露天風呂(野湯)。「尻焼」という少しインパクトのある名前は、川底で温められた石に腰を下ろしたところ、痔が治ったという言い伝えに由来するのだとか。

場所は群馬県北部、吾妻郡中之条町大字入山の山あいに位置しています。この一帯は、かつて「六合(くに)村」と呼ばれていました。尻焼温泉の歴史は古く、平家の落人が見つけたといわれていますが、詳細な開湯時期は不明です。

 

尻焼温泉の泉質は塩化物泉、硫酸塩泉で体をしっかり温めながらも、やわらかな入り心地が特徴です。殺菌効果があることから、皮膚病などにも効果があるとされています。

野性味しかない入浴体験レポート

入浴体験レポート

「川の湯」という一風変わった温泉にいてもたってもいられず、中之条へ足を運びました。12月の気温は4度、温泉が恋しくなる寒さです。

 

<尻焼温泉 駐車場>

 

国道405号線と別れ、県道55号線へ進むと、道の先に、尻焼温泉の無料駐車場が現れます。川風呂のすぐ近くには駐車場がないため、200mほど手前にあるここに車を停め、歩いて向かいました。

 

 

道中、橋の下を流れる長笹沢川に目を向けると、石の色がところどころ赤茶色に変わっていました。温泉成分が川底に影響している証拠です。

 

 

橋から川の上流の方を見ると、湯気が立ち昇っています。温泉の気配がしてきました。

 

 

橋を渡り、左手に進むと、「川風呂入口」の文字が。下って川岸を歩いていくと

 

 

野天風呂に到着しました。温泉は川の堰によって上段と下段に分かれています。

 

「川風呂」という表示がなければ、ここが温泉だとは気づかないほどの野趣にあふれた場所です。

 

365日、無料で入浴できるこの温泉には、脱衣所などの設備はなく、常駐の管理人もいません。利用者は川辺で着替えているようですが、入浴の際は水着の着用も可能です。気になる方は、あらかじめ準備をしていくとよいでしょう。

 

 

この日は他に人の姿もなく、温泉は独り占め。

 

まずは恐る恐る、上段の湯へと足を入れてみます。

 

 

身を沈めてみると、泉質は驚くほどまろやか。

 

川の中にいることを忘れてしまうほど、心地よさが広がります。

 

源泉の温度は約55℃。上流から流れ込む水と混ざることで、湯温はおよそ40℃前後に落ち着いており、長く浸かっていられるちょうどいい温度です。絶妙な湯加減はまさに自然からの恵み。

 

場所によって深さも温度も異なり、自分の好みの場所を探すのも楽しみのひとつです。

 

 

下の温泉は堰の上よりもぬるくなっており、体感35℃くらいでした。

湯と自然を丸ごと楽しむ

湯と自然

12月初旬だったので一面の雪景色というほどではありませんでしたが、冷たい空気と川の音に包まれ、自然と渾然一体になるような時間が流れていました。

 

周囲を山の木々に囲まれた、自然あふれる開放的な空間で、夏は濃い緑、秋は渓谷が紅葉し、冬には雪見風呂を楽しめます。これほど季節の移ろいを感じられる温泉はそう多くはないかもしれません。

自然の中で、気持ちよく入るために

尻焼温泉

尻焼温泉も「川の湯」はあくまで自然の川を利用した温泉です。苔のついた石は非常に滑りやすくなっていたため、サンダルやウォーターシューズがあると安心です。

 

また、川の中には、熱い場所とぬるい場所が混在し、場所によっては急に深くなる箇所もあります。足元を確かめながら、慎重に入浴することをおすすめします。混浴の場でもあるため、自然と人、そして利用者同士への配慮を大切にしながら楽しみたい場所です。

 

大雨や雪解けによって川が増水している場合は、入浴を控えましょう。

 

夏場はアブが多く発生することもあるため、気になる方は虫よけ対策を。冬期は、12月以降の降雪状況によってスタッドレスタイヤが必須となります。路面凍結の恐れもあるため、運転・歩行には十分な注意が必要です。

 

駐車場は温泉のすぐそばにはなく、少し手前の広場に車を停めて徒歩で向かいます。川沿いの道は足場が不安定な箇所もあるため、歩きやすい靴での来訪がおすすめです。

 

尻焼温泉「川の湯」は、川そのものに浸かる、ここでしか味わえないユニークな温泉です。

 

四季折々に表情を変える景色の中で、贅沢な時間を、中之条町で味わってみてはいかがでしょうか。

 

 

また、2023年(令和5年)には公設の入浴施設、尻焼温泉 「弁天の湯」もオープン。野天風呂に抵抗がある方や、もう少し落ち着いた環境で温泉を楽しみたい方には、こちらも選択肢のひとつです。

インフォメーション

尻焼温泉「川の湯」

 

住所:群馬県吾妻郡中之条町入山

営業時間:24時間

定休日:無休

料金:無料

電話番号:0279758814 (中之条町観光協会)

 

交通アクセス

・公共交通機関:長野原草津口駅より六合地区路線バスで約35分「花敷温泉」下車、徒歩約10分

・車:関越自動車道渋川伊香保I.Cより車で約1時間50

荒木颯平

荒木颯平

音楽と猫を愛する群馬出身ライター。 観光・グルメ・カルチャーを中心に、見つけた面白いものや心が動くものを、書いたり撮ったりして発信しています。