浴衣でそぞろ歩くレトロでモダンなひと時 ー伊香保温泉、卯三郎こけしを巡るー | 特集一覧 | 心にググっと観光ぐんま

浴衣でそぞろ歩くレトロでモダンなひと時 ー伊香保温泉、卯三郎こけしを巡るー

伊香保温泉・卯三郎こけし_使用画像_1-1024x683.jpg

更新日: 2023年02月14日

県内に数多くの源泉や温泉地を有する群馬県は、全国でも指折りの温泉大国です。今回は、万葉集にも詠まれ、竹久夢二をはじめ多くの文化人に愛されてきた歴史ある町、渋川市の「伊香保温泉」と、お隣の榛東村にある、お土産にもぴったりな近代こけしを取り扱う「卯三郎こけし」にお邪魔してきました。

 

 

伊香保温泉でプレミアムな旅を

天正4(1576)年、武田氏の配下にあった木暮氏らが傾斜地を利用して温泉街を形成したのが始まりとされる伊香保温泉。

群馬県内の温泉地の中でも特に昔ながらの風景、時間を感じられる場所として知られ、365段にもおよぶ石段を挟むようにして立ち並ぶ土産物屋、射的場、旅館の佇まいは風情たっぷりで、観光客の旅情を誘います。

そぞろ歩くだけでも楽しい伊香保温泉ですが、せっかくなら、もっと特別な思い出として残したいですよね。

そんな方におすすめしたいのが、各旅館でレンタルできる浴衣を着てのお出かけです。

 

浴衣での外出はちょっと勇気がいる…という方も多いと思いますので、浴衣の選び方から着こなし、気をつけた方が良いことなどお伝えしていきます。

 

 

浴衣をお好みにコーディネイト

各温泉宿には館内着の浴衣のほか、ちょっとお洒落をしたい方々のために素敵な柄の浴衣も貸し出されています。

本日は、伊香保で創業150年の老舗「塚越屋七兵衛」さんにご協力いただき、素敵な浴衣をお借りしました。

 

鮮やかな色合いのものが多く見られる中、塚越屋さんの厳選した3種類の浴衣は、竹久夢二のデザインが入った上品で落ち着いた絵柄が特徴。

白地に紺や赤など単色の柄で一見するとシックな雰囲気ですが、帯はポップな色(鮮やかなピンクやブルー)から落ち着いた色合い(山吹色や藤色)まで揃えてあるので、組み合わせによって年齢や好みに問わず着られそうなのも良いですね。

伊香保温泉のレトロな雰囲気にもぴったりでした。

帯は「作り帯(結び目と帯が別々になっている帯)」なので、浴衣の着付けができない人でも簡単に着られます。普通の帯と違って締め付けないので苦しくないので長時間出歩く時も快適です。

 

下駄も数種類の中からレンタルできます。カランコロンと音を立てて石段街を登るだけで気分も上がります。

 

 

浴衣を着て伊香保温泉をレトロ散歩!

浴衣を着付けしていただいたら伊香保の街へと出発です!

みかげ石を使った伊香保のシンボル、石段街の下で。約420年前に作られ、昭和の時代に改修されました。大人の足でも上まで登ると息が切れるほどの長い階段です。

 

伊香保温泉の湯元近く、石段街を登りきった場所に鎮座する伊香保神社へ参拝。縁結び、子宝などのご利益があるそうです。

休日には社務所で御朱印も直接書いてくださいます。

 

松尾芭蕉が活躍した元禄時代に旅籠(はたご)として創業した歴史ある旅館「横手館」。まるでタイムスリップしたかのような雰囲気に、思わず足を止めてしまいました。伊香保の隠れたフォトスポットです。

 

「地平線が見られるよ」と聞いて最後に訪れたのは伊香保エリアの新名所「佛光山 法水寺(ぶっこうざん ほうすいじ)」。開放感ある山門からのパノラマは圧巻です!

温泉街からは少し距離があるので車か路線バスで向かいましょう。

 

 

浴衣散歩で備えておくと良いこと

最後に、「浴衣散歩してみたい!」という方に、備えておくと良いことを補足しておきます。浴衣には専用の下着などはないので、透けないように外出の際は上下の肌着を用意していくと安心です。また、下駄に履き慣れていないと階段や坂などで怪我する場合があるので、自信がないのであれば草履が良いかもしれません。

旅館に着付け担当の方がいらっしゃればアドバイスを聞いて、無理のないスタイルで浴衣歩きを楽しみましょう!

 

 

「表情の芸術」卯三郎こけし

伊香保観光を満喫した後、もう一ヶ所訪れたい場所があります。

お土産にぴったりな愛らしい「こけし」の販売、絵付け体験などができる専門店「卯三郎こけし」さんにお邪魔してきました。

実は、群馬県はこけしの一大産地で、全国一の生産量を誇ります。群馬産のこけしは東北の伝統こけしに対し「創作こけし(近代こけし)」とも呼ばれ、形状にとらわれないモダンで自由な作風が特徴です。柔らかで優しい表情と曲線がとても魅力的で、こけしファンだけでなく、様々な年代の方々に人気です。

 

昭和25年、初代・卯三郎により始まった「卯三郎こけし」は、ろくろ技術の製法に特殊機械の技法を取り入れ、筆による絵付けに彫刻や焼き絵を合わせるなど、こけしの新たな作風を創り出しました。独特の立体感ある焼き絵も「卯三郎こけし」の特徴で、単なるインテリアとしてでなく、美術品のような趣も感じられます。昭和54年に工房を新設し、手づくり工程と組み合わせて量産化にも対応できる環境を整え、日本全国だけでなく海外での販売もされています。

 

七味入れ、楊枝入れなどの生活で使えるものから、プレゼントにピッタリの可愛らしいこけしまで、従来の形にとらわれない様々な創作こけしが出迎えてくれます。

ふっくらした曲線美は、ついつい手に取りたくなる魅力に溢れています。

 

お店の中をご案内してくださったのは、副社長で三代目「卯三郎」の岡本義弘さん。

創作こけしの成り立ちや歴史だけでなく、実際のこけし作りの工程なども教えてくださいました。

 

こけしの主な材料となる、群馬県産の「水木(ミズキ)」。内側の断面は透き通るような白で、木目もあまり目立たないため、こけしの顔の部分などに使用されます。

他にも、加工は難しいが美しい木目を生かした作品作りに欠かせない「ケヤキ」を始め、「クリ」、「サクラ」といった木材を使用することもあるそうです。

 

専用の機械を使い、ある程度まで成型した木材を出来上がりのイメージに近づけるため、ろくろを廻しながらカンナで削り追い込んでいきます。ただの木片でしかなかったものに、少しずつ別の命が吹き込まれ、こけしになっていく過程を見学する事ができました。

 

コロナ禍でお休みしていた絵付け体験も再開されたそうです。現在は屋外で行なっているとの事なので、希望される方はお店に直接お問い合わせください。

社長であり二代目・卯三郎さんの手仕事にも密着!巧みな筆捌きに見入ってしまいました。

 

今回は、榛名山のお膝元である渋川市の伊香保温泉と、お隣の榛東村にある卯三郎こけしの2スポットをご紹介しました。古き良きものと新しいものが同居する魅力的なエリアに、皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。

 

 

【インフォメーション】

伊香保温泉ビジターセンター(渋川伊香保温泉観光協会)

〒377-0102  群馬県渋川市伊香保町伊香保541-4

TEL:0279-72-3151

休館日:無休

開館時間:9:00〜19:00(冬季9:00〜18:00)

※伊香保温泉の観光案内の他、周辺観光に便利なレンタサイクルの貸し出しも行っています。

https://www.ikaho-kankou.com/

 

温泉宿 塚越屋七兵衛

〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保175-1

TEL:0279-72-3311

定休日:無休

※浴衣は別料金で宿泊者以外の方もレンタル可能です。他の旅館でも浴衣の貸し出しを行なっておりますので事前にお問い合わせの上、ご予約をお願いします。

https://www.tsukagoshiya.jp

 

卯三郎こけし

〒370-3501 群馬県北群馬郡榛東村長岡1591

TEL:0279-54-6766

定休日:火、水曜日 年末年始は休業

営業時間:9:00〜16:00(12:00〜12:50は昼休み)

※絵付け体験教室の開催日はお店にお問い合わせください

https://usaburokokeshi.com/

 

 

※2023年1月時点の情報です。