歩いて気づいた、新しい前橋の魅力【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

前橋の魅力

更新日: 2026年01月30日

私が高校までを過ごした前橋を40年ぶりに歩いてみました。

 

その間に、前橋の街並みは大きく変わったようです。かつて賑わっていた商店街も、今では多くの店舗でシャッターが降りていると聞きますが、一方で再開発など明るい兆しもあるようです。

 

今回は、そんな前橋を歩いてみました。

群馬県庁から子供の頃に走った楽歩堂前橋公園へ

 群馬県庁

<ぐんまちゃん、行ってきます!>

 

今日は「群馬県庁」の県民駐車場にクルマを停めて、前橋の今を見に出発します。まずは、「さちの池」がある「楽歩堂前橋公園」へ向かいます。ふと振り返ると、「群馬県庁」、そして「昭和庁舎」が見えます。「昭和庁舎」は、1928年に建設された洋風建造物で、1996年に国の有形文化財に登録されています。映画など多くのロケにも使用されていて、当日も映画のロケがおこなわれていました。一方、県庁の機能の多くを本庁舎が担っているので、県民が「昭和庁舎」に入る機会は多くありません。次は機会を作って、「昭和庁舎」のカフェ「G FACE CAFE」で、のんびり名物のバナナケイクをいただきたいと思います。

 

<「群馬県庁」の「昭和庁舎」>

 

「群馬県庁」のそばにある馬形埴輪の像を横目に前橋城址の土塁に沿って「楽歩堂前橋公園」に進みます。

 

さすが国の重要文化財や国宝に指定されている埴輪の4割が出土している群馬県です。

 

<馬形埴輪像と前橋城址の土塁>

 

「楽歩堂前橋公園」は1905年に作られた前橋初の公園です。公園に入ると右に「芝生広場」があり、左に降りていくと「さちの池」があります。「芝生公園」では、昔、知人が所属していた市民ランニングクラブが毎週練習して、私も時々参加していました。「楽歩堂前橋公園」では春には桜が咲くなど緑も多く、走っていて気持ちが良かったことを思い出します。皆様も、良かったら花の時期に訪れてみてください。

 

<晩秋の日差しが漏れる「芝生広場」>

 

「さちの池」は1959年に造られた池です。大きな池なので分かりにくいのですが、上から見ると鶴の形をしています。上毛かるたには「鶴舞う形の群馬県」と詠われている札がありますが、私個人としては、その形は鶴というよりも白鳥に近いように感じられます。皆様は、どのようにお感じになりますか? 

 

<鶴の頭の方から見ている「さちの池」>

 

「さちの池」を後にして「臨江閣」へ向かっていきます。「臨江閣」は、1884年に迎賓館として建築された和風建築であり、2018年に国の重要文化財に指定されています。私は子供の頃から、「臨江閣」の前を通っていましたが、お金持ちの家?・・・くらいにしか思っていませんでした。その「臨江閣」を手前の「日本庭園」から写真に収めました。

 

<「日本庭園」からの「臨江閣」>

 

「臨江閣」自身、皇族の方の滞在に利用されるなど、歴史的な見どころも多い一方、カフェもあり、また、最近ではすき焼きも楽しめるとのこと、機会を作ってじっくりと「臨江閣」での時間を過ごしてみたいと思います。別館の窓から庭園を見ると少しだけ歪んで見えます。窓ガラスは後に取り付けられたとのことですが、当時の技術では現在のような歪みのない平面ガラスは作れなかったのでしょう・・・。こんな些細なことからも歴史を感じることができます。

 

<青空に映える「臨江閣」の別館>

 

<「臨江閣」の別館から眺めた庭>

 

「臨江閣」から公園通りの曲くねった歩道を歩いて広瀬川に向かいました。レトロ遊園地として知られる「前橋るなぱあく」に面した歩道部分は、歩道を作る際に「前橋るなぱあく」の木を避けたためでしょうか?こんなふうに曲がっています。

 

<公園通りの左手に「前橋るなぱあく」>

高校時代に通った広瀬川 ― 前編 −

広瀬川

<広瀬川の柳橋から始まる遊歩道「詩の道」>

 

広瀬川は、利根川から取水された農業用水路で疏水百選にも選ばれ、河畔緑地に整備された遊歩道「詩の道」には萩原朔太郎の詩碑などが置かれています。今から40年ほど前、高校生だった私は、中央前橋駅近くにあったランニングショップまで、詩碑などには目もくれず、遊歩道を自転車で暴走していました。現在では、その遊歩道も再整備され、明るい、心地よい空間になっています。

 

<詩碑などが数多く置かれている>

 

広瀬川沿いにある「広瀬川美術館」は、1948年に画家である近藤嘉男が自宅兼アトリエとして建築したもので、現在ではコンサートや展覧会などが催されています。この建物は、戦後の建築物として初めて国の有形文化財に登録されています。北側がガラス張りになり、開放感にあふれた建物です。どうぞ訪れてこの建物の美しさを感じてみてください。

 

<広瀬川河畔にある「広瀬川美術館」>

生まれ変わりつつある中心市街地

中心市街地

ここで広瀬川を離れて前橋の街中を歩きます。いわゆるシャッター街と言われてきた前橋の市街地ですが、リノベーションにより少しずつ賑わいが戻りつつあるのでしょうか・・・。昔以上にオシャレです。1985年に開局し、今年40周年を迎えるFMぐんまのスタジオ「クラブエア」に寄ってみました。スタジオ内は撮影できなかったので、外回りをクリスマスツリーとともに撮影しました。人気番組である「WAI WAI Groovin’」の放送中で、たくさんの方が観覧していました。今後、前橋の新名所になる可能性を感じました。

 

<前橋の新名所になるか?FMぐんまの「クラブエア」>

 

昼食は「パーラーレストラン モモヤ」です。ここは、そのレトロな雰囲気から映画などのロケにたびたび利用されているスポットです。また、雰囲気だけでなく、料理のクオリティーも高く、群馬県前橋市が主催する、市内のソースカツ料理の人気No.1を決めるイベント「推しカツNo.1」にも参戦しています。

 

今日は、人気No.1の「オムライス」と「推しカツNo.1」の前身である「T-1グランプリ」の第11回のグランプリを受賞した「tontonナポリタン」をチョイス。「オムライス」は優しい味で、2種類のソースが楽しめるのが嬉しかったです。「トントンナポリタン」は麺が細めで、ポークセテーにはチーズがトッピングされて、香ばしくて美味しかったです。一緒にサーブされるサラダには予めドレッシングがかけられていますが、そこに醤油をプラスすると、ドレッシングの酸味が抑えられるのでオススメだそうです。実際にマイルドになり食べやすく、美味しかったです。

 

<パーラーレストラン モモヤ>

 

<「オムライス」(手前)と「トントンナポリタン」(奥)>

 

食後に「コーヒーゼリー」と「プリンパフェ」をいただきました。「コーヒーゼリー」は少しビターでしたが、ミルクとアイスクリームとあっていて、また食べたいです。「プリンパフェ」は硬めの手作りプリンと生クリームや、濃厚なソフトクリームやアイスアイスクリームとの甘さのバランスやコーンフレークによる食感の変化が楽しめました。美味しかったです。ごちそう様でした。

 

次の機会には群馬大学の学生のリクエストがメニュー化された「とんかつうどん」や上州豚を用いた「生姜焼き定食」も楽しみです。

 

<「コーヒーゼリー」(左)と「プリンパフェ」(右)>

 

街歩きにはオヤツが欠かせません。「パーラーレストラン モモヤ」の中央通りを挟んで反対にある「なか又 前橋本店」を訪れました。目当ては、北海道産小豆100%の自家製つぶあんを使った「わぬき」と呼ばれるどら焼きと、メレンゲを生地に加えたどら焼き「ふわふわ わぬき」です。「ふわふわ わぬき」には、あんクリーム、あんバター、ミルククリームがあります。これらを1つずつ購入し、カバンに入れて午後の部をスタートします。

 

<なか又 前橋本店では目の前で焼いています>

 

カバンに入れると潰れてしまうかもしれないので、入れる前に撮影しました。「ふわふわ わぬき」は、生地にたっぷりのメレンゲを入れて、一つひとつ丁寧に焼き上げられているので、名前の通りふわふわです。おやつの残りを家で食べましたが、ふわふわ感はそのままでした。また、食べたいです。

 

<カバンに入れる前に「わぬき」達を撮影>

 

弁天通りにあまり見かけなくなった電話ボックスがありました。よく見ると、この電話ボックス・・・配線がない。街歩きの当日、「楽歩堂前橋公園」で映画のロケが行われていました。どうやら、この電話ボックス、映画のセットの一つらしく、ボックスの台座に車輪がついて、移動できるようになっていました。これから、ここでロケがあるのでしょう・・・。

 

<弁天通りにあった電話ボックス、撮影用なのか、車輪が付いている>

高校時代に通った広瀬川 – 後編 −

広瀬川

<遊歩道にも馬形埴輪の像>

 

広瀬川に戻り、東に進むと、ここにも馬形埴輪の像があります。よく見ると、埴輪像に跨ったような跡がついています。前橋市民はどれだけ馬形埴輪が好きなんだろう・・・。像の横を過ぎると、広瀬川きっての急流である「交水堰」です。この堰は、交水社という製糸工場に広瀬川から水を引き入れるためのものだったようです。この堰は高校生の頃から知っていましたが、間近で見ていると、その迫力からちょっと怖くなったことを鮮明に覚えています。

 

<広瀬川随一の急流である「交水堰」>

 

<初夏には水量が多く、「交水堰」の迫力が一段と増します>

 

広瀬川というと郷土の詩人である萩原朔太郎です。広瀬川沿いに萩原朔太郎の原稿などを収蔵した「前橋文学館」や広瀬川を挟んで反対側に彼の生家を移築復元した「萩原朔太郎記念館」があります。興味がある方はぜひ行ってみてください。

 

<萩原朔太郎の原稿などを収蔵する「前橋文学館」>

 

<生家を移築した「萩原朔太郎記念館」>

 

広瀬川沿いを歩いていると柳が多くあります。歩いてきた遊歩道の一番上流に柳橋という橋があるので、何らかの意味合いがあるのかもしれません。柳は湿気を好み、根を深く張るために護岸の側面があるようですが、明確な答えを見つけることはできませんでした。知っている方がいれば教えてください。

 

広瀬川に柳、とてもキレイです。

 

<諏訪橋からの広瀬川と柳>

 

諏訪橋から広瀬川をさらに下ると、芸術家である岡本太郎の「太陽の鐘」があります。これは2018年に日本通運から前橋市に、市民の新たな活動である「芽吹き」のシンボルとして寄贈されたもので、鐘も大きいのですが、鐘をつく撞木も長い。調べると24mもあるとのこと。こうなるとこの鐘・・・、実際につけるのか?と疑問に思ってきます。年越しイベントなど前橋市が主催や許可したイベントではつくことがあるようなので、この鐘の音をぜひ聞いてみたいです。

 

<岡本太郎の「太陽の鐘」>

 

上毛電気鉄道の「中央前橋駅」まで来ると、しばし広瀬川とお別れして、「旧大竹酒造煉瓦蔵」を目指します。ここは1972年まで日本酒の醸造に使っていた煉瓦造2階建ての建物で、2016年に国により有形文化財に登録され、現在は多目的イベントホール「前橋市芸術文化れんが蔵」として利用されています。

 

<上毛電気鉄道のターミナル駅である「中央前橋駅」>

 

<イベントホールとして利用されている「旧大竹酒造煉瓦蔵」>

 

広瀬川は、「十六堰」で端気川と分水され、端気川は農業などに使われた後に利根川に合流します。今日は、広瀬川に沿って「児童文化センター」に向かいます。

 

<広瀬川(左)と端気川(右)を分ける「十六堰」>

子供の頃に通った「児童文化センター」

児童文化センター

<「児童文化センター」がある「ハイノート前橋こども公園」>

 

今日の街歩きの目的地である「児童文化センター」、私が子供の頃に通った施設です。いろいろな体験教室などのイベントに参加したり、プラネタリウムを見たりしていました。

 

センター内にはいろいろな展示物があります。特に興味深かったのは、公園内に流れる「むつみ川」で捕獲された外来生物であるアメリカザリガニの標本です。1531匹もあるそうです。このような展示は、対象が身近なので、訪れた子供にも関心を持ってもらいやすいと思いました。

 

<環境展示コーナー「スペースeco」>

 

<「スペースeco」には多数のアメリカザリガニの標本>

 

プラネタリウムは、コニカミノルタと世界シェアを分け合う五藤光学のクロノス・ハイブリッドを使っています。これは高輝度LED光源を採用した光学式プラネタリウム「クロノスII」と、4Kプロジェクターを有する全天周デジタル映像システム「バーチャリウムII」から構成され、美しい星空と迫力あるデジタル映像の融合を楽しむことができます。

 

投影番組は原画作成や声優を前橋市民にお願いして制作されたオリジナル作品で、子供から大人まで楽しめるものを毎月更新しているそうです。また、投影された星空を職員が解説する生解説も魅力の一つです。さらに、プラネタリウムと生演奏を楽しめるプラネタリウムコンサートなどのイベントも開催しているそうです。

 

<美しい星空と迫力あるデジタル映像を楽しめるクロノス・ハイブリッドで>

 

センター内にはゴーカートコースがあり、1回に700mのコースを1周走ることができます。体験教室やプラネタリウムなどの後に、ゴーカートに乗るのが、私の楽しみでした。私は、親との約束で毎回1周だけ乗ることができました。残念ながら子供がいない今の私はもう乗ることはできません。児童のための施設ですから当然ですね。

 

<ゴーカートの体験は今でも心に残っています>

広瀬川〜馬場川通り〜県庁

広瀬川と中央前橋駅

<夕闇迫る広瀬川と中央前橋駅>

 

プラネタリウムが終わったので県庁に帰ります。「城東駅」から「中央前橋駅」まで一駅、2分間ですが、上毛電気鉄道に乗ろうと考えていました。子供の頃、「児童文化センター」に行く時に父は「中央前橋駅」までしか送ってくれなかったので、そこから一駅だけ電車に乗って、「児童文化センター」へ行っていました。今思うと、父は電車を経験させようと考えていたのかもしれません。今日は電車の時刻まで30分ほどあり、寒さもあったので、電車を使わずに歩いて戻りました。途中の桃井橋からの広瀬川と「中央前橋駅」の景色が良い感じです。これは、電車に乗っていたら見られなかったはずなので、歩きには歩きの良さがあるものです。

 

「馬場川通り」は、昔はもっと雑然としていて、どこにでもある裏通りという感じだったように記憶していますが、「白井屋ホテル」などもある今の方が整理され、統一感もあり、昔よりもずっと良い雰囲気です。

 

<レンガ敷きとなった「馬場川通り」>

 

<「馬場川通り」の象徴である「白井屋ホテル」>

 

群馬県庁に戻ってくると、ぐんまちゃんが朝と変わらず、迎えてくれました。本庁舎32階から景色を見て、今日の街歩きを終えることにします。時刻は16時半を過ぎて、日も落ち、いわゆる黄昏です。この展望階からの景色は、私にとっては子供の頃に過ごした場所ということもあり、子供の頃を思い返してしまいます。特に、冬のこの時間帯がそうさせるのでしょうか・・・、60を目の前にする私も柄にもなく、おセンチな気分になってしまいます・・・。

 

そろそろ終わりにして、家に戻ります。お疲れ様でした。

 

<ぐんまちゃん、ただいま!>

 

<県庁32階の展望階からの黄昏時>

 

これまで前橋は「見るものが少ない」と語られることもありました。しかし実際に市内を歩いてみると、街中には静かな魅力や、心に残る風景が点在していることに気づかされます。

 

今回は“歩いて巡ること”を目的にしたため、訪れた場所は限られ、ひとつひとつをじっくり味わう時間までは取れませんでした。それでも、次はもっと時間をかけて歩いてみたい――そう思わせてくれる出会いが、前橋にはありました。

 

ぜひ、今の前橋を実際に訪れてみてください。街を歩くことで、これまでとは違った前橋の表情に出会えるかもしれません。

 

インフォメーション

遊歩堂前橋公園

 

住所:群馬県前橋市大手町3-15

電話:027-231-0002

管理センター営業時間:9:00~17:00

 

HP:https://maebashi-park.com

Instagram:@maebashipark_pr

 

 

臨江閣

 

住所:群馬県前橋市大手町3-15

電話:027-231-5792

営業時間:9:00~17:00

定休日:月曜

 

HP:https://rinkokaku.maebashi-park.com

Instagram:@rinkokaku_official

 

 

パーラーレストラン モモヤ

 

住所:群馬県前橋市千代田町2-12-1

電話:027-231-5017

営業時間:10:00~19:00(ラストオーダー18:30)

定休日:水曜、第3水木曜

 

 

なか又 前橋本店

 

住所:群馬県前橋市千代田町2-7-21

電話:027-896-9359

営業時間:11:00~18:00(売り切れ次第閉店)

定休日:月曜、火曜

 

HP:https://www.nkmt.jp

facebook:https://www.facebook.com/nakamata.jp

X:@nakamata_jp

Instagram:@nakamata.jp

 

 

児童文化センター

 

住所:群馬県前橋市西片貝町5-8

電話:027-224-2548

営業時間:9:00~16:30

定休日:月曜、第2木曜

 

HP:https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/kyoiku/jidobunkasenta/index.html

Instagrammaebashi_jidoubunka

 

ぐんま観光県民ライター ぐん記者.png

福田 靖

高校卒業後に就職のために前橋を離れ、50歳を過ぎてぶどう農家になるために沼田に都内から引っ越してきました。今回は、家内と前橋を巡りましたが、家内の中で前橋の評価が少し良くなったみたいです。