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アートに触れる散策路、館林美術館から多々良沼まで歩く 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

館林美術館

更新日: 2024年11月22日

「群馬県立館林美術館」には近現代美術作品が多くコレクションされており、同館から多々良沼に向かって伸びる「彫刻の小径」には38点の彫刻が展示されています。たくさんの芸術に触れられるこのスポットをぶらり散策してみました。

建物、外の景色、作品がすべて一体となったアートな空間

館林美術館(展示室1)

<展示室1は空間すべてがアートのよう>

 

館林市の「群馬県立館林美術館」は高崎市の「群馬県立近代美術館」に次いで2館目の県立美術館として2001年に開館しました。「自然と人間」をテーマとして国内外の近現代美術作品をコレクションしています。

同館のいちばんの特徴は、建築と外の景色を展示されている作品といっしょに楽しめることです。それがもっとも顕著に表れているのが展示室1です。天井は傾斜し、壁は湾曲しています。東南向きの大きなガラス面には緑豊かな庭園が広がり、そこからの自然光が展示されている彫刻を神秘的に照らし出します。まさにこの空間すべてがアートといえます。

 

<建物は水面に浮かび上がる島をイメージ>

フランスの彫刻家、フランソワ・ポンポンのアトリエを再構成

館林美術館別館(彫刻家のアトリエ)

<美術館別館の「彫刻家のアトリエ」>

 

常設のコレクションはフランソワ・ポンポンの作品が中心になっています。ポンポンはフランスの彫刻家で、羽根や毛など細かな部分を取り除いたシンプルな形で生き生きとした命を表現した動物彫刻を多く残しました。

別館の「彫刻家のアトリエ」は、そんなポンポンのアトリエを写真をもとに再構成したもので、万力つき仕事机など実際にポンポンが使っていた道具を含めた資料を展示しています。建物はポンポンの生まれがフランスのブルゴーニュ地方だったことにちなんで、この地方の農家の納屋の形を模しているそうです。

 

<ポンポンのアトリエを再構成>

 

<触れるポンポン作品もあります>

館内のワッフルカフェでランチをいただきましょう

エミール 水辺のワッフルカフェ(看板)

<この立て看板の先にエミールがあります>

 

館内にはランチにぴったりの「エミール 水辺のワッフルカフェ」もあります。

こちらの看板メニューは「ソーセージ&ベジプレート(税込1584円)です。ソーセージはナイフを入れると肉汁が飛び出すほどジューシーで、ワッフルは地元の館林産ブランドの「百年小麦」を使用していてふわふわの食感です。野菜はにんじん、パプリカ、ブロッコリー、ズッキーニ……等々、非常に彩り豊かです。そしてラタトゥイユ、ザワークラウト、豆乳仕立てのシーザードレッシングがそれらをうまくひとつにまとめています。白い皿の上にいろんな食材が無秩序に並べられているように見えて、実はすべてひとつに調和している、そんなアートのような一品でした。プラス250円でコーヒーやオレンジジュースなどのセットドリンクが付きます。

同店は美術館に入館しなくても利用可能です。

 

<ソーセージ&ベジプレートとホットコーヒー>

 

ミュージアムショップもあり、ここでは美術書、アートグッズ、玩具……などを販売しています。フランソワ・ポンポンに関する商品が特に充実しています。

 

<ここでしか手に入らない商品も>

小鳥のさえずりを聞きながら彫刻を鑑賞できる彫刻の小径

彫刻の小径(展示)

<群馬県ゆかりの作家の作品を中心に展示>

 

美術館のあとは「彫刻の小径」を散策しました。多々良沼公園の松林内にある全長約2kmの散策路で、この道に沿って38点の彫刻が展示されています。森の中で小鳥のさえずりを聞きながら彫刻を鑑賞するのはとても趣があります。

 

<森林風景と彫刻が絶妙にマッチ>

 

彫刻の小径をずっと進んでいくと、多々良沼沿いの道に出ました。夕暮れになると沼の水面に夕日の朱がさし、その上に細い足で立つサギが静かに水紋を広げます。そんな光景を眺めながらいつまでもブラブラと歩いてしまいました。

 

<多々良沼周辺の道は散歩にぴったりです>

 

僕が「群馬県立館林美術館」を訪れた日は、20世紀スペインを代表する画家であるジョアン・ミロの展覧会が開催されていました。今後もさまざまな展覧会が開催予定です。また、多々良沼は冬にはたくさんの白鳥が飛来し、その後は桜、ツツジ、花菖蒲……などの花が季節ごとに咲き誇るそうです。何度訪れても楽しめそうなスポットでした。

 

インフォメーション

群馬県立館林美術館

住所:群馬県館林市日向町2003
電話:0276-72-8188
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜(休日の場合は翌日。ただし、4月29日から5月5日までの間及び8月15日を含む週は休館しません)、年末年始(12月29日〜1月3日)
このほか、展示替え等のため臨時に休館する場合があります。
料金:展覧会によって異なります。
中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名、県民の日(10月28日)に観覧される方は無料。

ホームページ:https://gmat.pref.gunma.jp

 

エミール 水辺のワッフルカフェ

住所:群馬県館林市日向町2003(群馬県立館林美術館内)
電話:070-4000-3275
営業時間:10:00~17:00(ラストオーダー16:00)
定休日:月曜、美術館の休館日

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。