秋深まる天空の横手山へ!日本一高い国道を行く絶景とグルメ旅【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
空に近い国道を行く!群馬県と長野県にある県境の絶景スポット横手山へ
<山頂から見える雲海・写真提供:横手山頂ヒュッテ>
群馬県草津町から万座温泉や長野県の志賀高原を結ぶ志賀草津高原ルート の県境には、ぐんま百名山の一つ、横手山 があります。標高2,307mの山は夏でもエアコンが必要ないほど涼しく、寒暖差が大きい季節には雲海が見られるスポットです。
<遠くに見える草津町。ビューポイントは国道のあちこちに>
草津町から国道292号線を 登っていくと、緑豊かな並木道から岩肌が目立つようになります。硫黄の香りがする道をさらに登り続けると、手の届きそうな空と静寂な世界が広がっていました。
<空に近い国道を、静けさの中で走る>
早朝にもかかわらず、ロードバイクで山頂を目指す人も。志賀高原ヒルクライム大会 も開催され、横手山や白根山は標高を活用した高山トレーニングの場所としても人気です。例年9月中旬から紅葉が見頃となり、9月末から10月初旬には初雪が降る場合もあります。
<292号線にある日本国道最高地点碑から。山から発生しているガスが見える>
リフトを使えば簡単登山!標高2,000m越えのハイキングを楽しむ
<渋峠ロマンスリフト乗り場>
山頂へは、渋峠ロマンスリフトか徒歩で登れます。リフトを使えば約10分、ハイキングは30分ほどの道のりです。着いた時点でリフトは動いていなかったため、山頂まで歩いて登ることにしました。
<ハイキングコースはリフト横。横手山神社への道から>
横手山は標高が高いため、歩くと呼吸が浅くなりがちです。時折立ち止まって深呼吸をし顔を上げると、遠くに国道や山々が見えました。山頂からの景色は、奥深い山間が広がる絶景を楽しめます。
<山頂から見える景色。国道が山間に見える>
帰りは徒歩でゆっくり下山か、リフトで空中からのパノラマを楽しむか、どちらもおすすめです。リフトの下山では、穏やかな風に吹かれて足元に広がる高山植物たちを堪能しました。
<リフトで帰りも楽々>
横手山山頂で食べる天空のパン!横手山頂ヒュッテは雲海スポット
<テラスで食べた、きのこスープと焼きたてパン>
山頂にある横手山頂ヒュッテでは、手作りパンを含む食事を楽しめます。横手山頂ヒュッテは、72年ほど前まだ国道もなかった当時に、6畳の避難小屋からスタートしました。
先代社長が高所でもおいしいパンを焼きたいと、ヨーロッパを渡り歩いて見つけたこだわりのドイツ製の窯から作られるパン。甘くてふわふわな焼きたてパンは、体に染み入るおいしさでした。
<焼きたてパンは軽くて甘い>
気温や水の状態、自然環境によって影響されるパン作りは、日によって仕上がりの時間が違います。それでも、朝10時の開店時には、食事を求める人で列ができていました。
<手作りのパンが並ぶ>
横手山頂ヒュッテでは宿泊もできます。運が良ければ雲海を見られるかもしれません。
<テラスから見える雲海・写真提供:横手山頂ヒュッテ>
日本初のクランペット専門店!雲上で味わうグルメと絶景に癒される
<りんご、クリームチーズ&キャラメルのクランペット>
山頂にあるレストラン「クランペット」では、イギリスの軽食パンであるクランペットが人気です。表面に穴が空いているのが特徴のクランペットは、外はカリッとし中はもっちり。酸味のあるりんごとクリームチーズが混ざり、甘さが疲れを癒してくれました。
<レストラン・クランペットにて。小階段の先はテラス>
取材日は絶好の秋晴れで、テラスに行き山の絶景を見ながらクランペットを食べます。静かで心地よい風が涼しく、ゆったりとした時間は贅沢なひとときでした。
レストランは、長野方面から横手山に登る第三スカイリフト降り場と併設されています。
<長野方面からのリフト>
日本で唯一のスカイレーターもあり、冬季はスキー客やバックカントリーを求める人に人気です。リフトを降りると志賀高原の山々を一望できるテラスがあり、大自然の景色に目を奪われます。
<満天ビューテラスから志賀高原を見る>
ここは群馬?長野?県境の渋峠ホテルでもらう日本最高到達地点証明書
<県境にある渋峠ホテル>
渋峠ロマンスリフトへの乗り場の向かいには、群馬県と長野県の県境に建つホテルがあります。標高2,152mに立地し、昭和26年に建てられた当時は山小屋の避難所として利用された無人の建物でした。
宿の中にも県境があり、国道を走るライダーたちの立ち寄りスポットとして人気です。入り口には、今は使われないアネロイド式気圧計や、アンティークのレジスターが展示されていました。昔ながらの食事処でレトロな雰囲気を味わえます。
<ホテル内も県境>
玄関横には、ゴールデン・レトリーバーのマーカスがいます。「マーカス」と呼ぶと、クリっとした目で近寄ってくれました。フンフンと匂いを嗅いだあとは、ペタッと座ります。外の様子が気になるようです。
<看板犬のマーカス>
渋峠ホテルでは、日本国道最高地点到達証明書(1枚100円)を購入できます。枚数限定で「ろんぐらいだぁすとーりーず!」の証明書もありました。志賀草津高原ルートに来た記念としておすすめです。
<日本最高到達地点証明書>
まとめ
<横手山に咲くリンドウ>
心地よい風を感じ、どこを見ても絶景を楽しめる横手山。豊かな自然がそのままに、高山植物を楽しめ、深まる秋を感じました。例年11月中旬から翌年4月下旬頃までは、積雪のた め志賀草津高原ルートは通行止めになります。本格的な冬が来る前に、爽快な景色を見に行ってみてはいかがでしょうか。
インフォメーション
標高2,307m 雲上の宿 横手山頂ヒュッテ
住所:長野県下高井郡山ノ内町大字平穏7149-17
電話:0269-34-2430
営業時間(食堂):10:00〜14:00
定休日:不定休
*自然環境に左右されやすい手作りパンのため、製造が難しい日もあります。前日までの連絡をおすすめします。
株式会社S&T観光開発 横手山満天ビューテラス2307m・
HIGH MOUNTAIN COFFEE & CO 「クランペットカフェ」
住所:長野県下高井郡山ノ内町志賀高原横手
電話:0269-34-2600
営業時間:「渋峠ロマンスリフト」8:45〜15:20(上り)・15:40(下り)
※シーズンにより異なります
「クランペットカフェ」9:00〜15:00(グリーンシーズン)
定休日:不定休
料金:「渋峠ロマンスリフト」往復¥2,000、片道¥1,400
県境の宿 渋峠ホテル
住所:〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏志賀高原渋峠
電話:0269-34-2606
定休日:「喫茶店」不定休
沙結月