ファミリーやカップルも楽しめる! 県立ぐんま天文台の魅力と訪問前のチェックポイント【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
撮影スポットとしても”映える”、屋外モニュメント
山の中腹にある天文台に到着すると、すぐ横の建造物に目が留まります。古代遺跡のような、はたまた現代彫刻のような雰囲気も……。こちらは「屋外モニュメント」と呼ばれ、インドの日時計としても使える天体観測施設、そしてイギリスのストーンヘンジを再現したものだそう。
インドのジャイプールにある日時計を再現。この階段の先の空には北極星がある
イギリスの世界文化遺産ストーンヘンジをコンクリートで再現したもの。存在感がすごい
実はこの屋外モニュメント、ミュージックビデオや戦隊もののロケ地としても有名で「聖地」として訪れるファンも多いとのこと。確かにこのモニュメントの放つ現実離れした雰囲気は、映像などの作品づくりに最適かもしれません。取材時もコスプレをした方々が撮影に励んでおりました。ちなみに、ぐんま天文台はすべてのエリアで写真撮影OKとなっています。
駐車場から天文台まで約600m。自然散策を楽しめる遊歩道
車のヘッドライトの影響で空が明るくなるのを防ぐため、駐車場から天文台までは600mの距離があります。道は綺麗に整備されていますが、上り坂のため軽いトレッキング気分。大人の足で10分ほどかかるので、くれぐれも歩きやすい靴で訪問してください。取材時は雪の冬景色でしたが、春は新緑、夏は木漏れ日、秋は紅葉と四季折々の綺麗な景色を楽しめます。
雪の残る3月。2歳の娘と夫と3人で訪れました。11月から3月は路面が凍結するため、冬タイヤが必須です
駐車場から天文台までの距離が冥王星から太陽までの距離に見立てられており、惑星の位置関係を歩きながら実感できます
子どものお楽しみは、途中に3カ所ある熊よけの鐘
宇宙を身近に感じられる展示コーナー
館内は天井の高い吹き抜けの設計。天体の大型パネルを眺めながら2階に進むと科学博物館のようなスペースが広がります。望遠鏡のレプリカや宇宙の神秘を学べるタッチパネル式のモニターが並びます。モニターでは地球外生命体の存在の可能性など、興味をそそるテーマについて理解を深めることができました。
1階の大型パネル展示スペース。入り口では車椅子とベビーカーの貸し出しもありました
2階の展示コーナー。カップルでの来館も多いそうで、仲良くモニターに見入る二人組の姿がありました
ちなみに、ぐんま天文台は日本を代表する建築家の一人・磯崎新氏の作品だそう。職員の方によると、天文を学ぶ若者のみならず、建築を学ぶ若者も頻繁に来館されるとか。
壁や天井の作り、照明などのディテールにも注目したい
展示コーナーの奥には図書/PCコーナーと休憩スペースがあります。図書コーナーには宇宙・天体関係の書籍や雑誌がずらり。夫はしばらくここに入り浸り、宇宙に思いを馳せる時間を味わっていました。
宇宙のロマンを感じさせてくれる書籍たち
館内にはカフェなどの飲食店はありません。自動販売機と飲食スペースはあるので、持ち込みでの飲食は可。天気の良い日は屋外モニュメントのスペースでピクニックも楽しめます。
大人気の天体観望。事前にカレンダーで星の見頃を確認して
ここぐんま天文台の一番の醍醐味は、やはり夜間の天体観望。二つの大型望遠鏡を覗いて、星や星雲などを直接見ることができます。職員の方が望遠鏡の操作と天体の解説をしてくれるので、まったくの初心者でも十分に楽しむことができます。
150cm反射式望遠鏡。目で直接覗くことができる望遠鏡としては世界最大クラスだそう
天体観望にあたって注意したいのは、時期によって観測できる星が異なるという点です。例えば一番人気の土星は今年9月〜来年1月が見頃です。2024年3月10日の取材時は、木星の見頃がちょうど終わるタイミングでした。その日にどんな天体と出会えるかは、ぐんま天文台が毎年発行している「ぐんま天文台ほしぞら観望カレンダー」で確認することができます。カレンダーは毎年4月から来館した個人・グループに1部ずつ配布されるほか、公式Xで毎月1日前後に公開されるので、来館前にぜひチェックしてください。また、天体観測は空が晴れていないと実施されません。その日の天体観望が実施されるか否かは、電話でお気軽に問い合わせを。
画像提供:県立ぐんま天文台 観測で人気の土星。土星の「輪っか」は見る時期によって角度が異なる
夜間の天体観望は土日祝日に行われています。詳細は公式ホームページを確認してください。
宇宙への旅を体感できる3Dシアター
夜間の天体観望の他、天文台ではミニイベントが開催されています。おすすめは3Dシアター。1階の映像ホールにて、3Dメガネをかけて約20分ほど宇宙の旅に没入できます。
職員の方がライブで説明をしてくれます。月や太陽など馴染みのある惑星を見物したあと、お隣の銀河系やブラックホールまで眺めます
当然ですが、宇宙の話はスケールが大きいです。遠い銀河やビックバンの話を聞いていると、いかに自分の存在が小さいかを実感します。頭を占領していた悩み事も、良い意味でどうでもよくなってきて、「宇宙規模で考えたら些末なこと」とふっきれることができます。天文台にこんな癒し効果があるとは……悩み事が増えてきたらまた訪れたいと思いました。
おまけ。お土産コーナーで購入した宇宙食
まとめ
ぐんま天文台を思いっきり楽しむためには、以下のチェックポイントを忘れずに。情報を事前に集めながら、素敵な星空体験を。
☑︎ 駐車場から天文台まで徒歩10分。歩きやすい靴で
☑︎ 11月〜3月は路面凍結のため冬タイヤ必須
☑︎ 3Dシアターと夜間の天体観望は土日祝日のみ
☑︎ その時期の天体の見頃はカレンダーを確認
☑︎ その日の天体観望の実施有無は事前に電話で問い合わせを
インフォーメーション
県立ぐんま天文台
https://www.astron.pref.gunma.jp/
住所:群馬県吾妻郡高山村中山6860-86
電話:0279-70-5300
営業時間:
夏期(3月〜10月)
昼間の施設見学 10時〜17時
夜間の天体観望 19時〜22時
冬期(11月〜2月)
昼間の施設見学 10時〜16時
夜間の天体観望 18時〜21時
定休日:月曜
料金:
中学生以下 無料
一般 300円
大学生・高校生 200円
公式X
山中麻葉