「群馬ならでは」を、愛犬のおやつに。県内事業者向けワークショップ「愛犬のごはん教室」を開催しました
更新日: 2026年09月02日
愛犬と一緒に旅をする人が増えています。宿を選ぶとき、立ち寄る先を決めるとき、「愛犬も一緒に楽しめるか」は、いまや旅先選びの大きな基準のひとつになりました。
そのなかで注目されているのが、旅先でしか味わえない“愛犬のごはん”です。
群馬県観光リトリート推進課では、2026年7月28日(火)、県内の宿泊施設・飲食店・観光施設の皆さまを対象に、ワークショップ「愛犬のごはん教室 ─ 高付加価値化のためのメニュー開発を学ぶ」を開催しました。
会場は群馬県庁31階のシェアキッチン「GINGHAM(ギンガム)」。県内6社9名の事業者の皆さまにご参加いただき、犬の管理栄養士と一緒に、県産食材を使った犬用おやつを実際につくりました。
当日の様子をご紹介します。
愛犬と過ごす旅に、「食べる楽しみ」を
犬と暮らす人が旅先に求めるものは、「泊まれる」「入れる」だけではなくなってきました。
愛犬と同じテーブルを囲み、その土地ならではのものを一緒に味わう。そんな時間そのものが、旅の目的になりつつあります。
群馬県には、こんにゃく、嬬恋高原のキャベツ、ブルーベリー、りんごといった、全国に知られる食材が揃っています。
これらを愛犬向けのメニューに仕立てられれば、「群馬に行かないと食べられない一皿」が生まれます。
今回の教室は、そのつくり方を県内事業者の皆さまと一緒に学ぶ場として企画されました。

<会場は群馬県庁31階のシェアキッチン「GINGHAM」。上毛かるたが飾られた明るい空間です>
講師を務めたのは、犬の管理栄養士で、犬用ケーキブランド「LBdogs」を運営する平出沙彩(ひらで さあや)氏。
韓国ペット栄養協会(KACAN)の日本支部講師として、実践的なレシピ開発を担当されています。祖父母のお宅が藤岡市にあり、幼いころから群馬に親しんできたという平出氏。
「群馬の食材でつくれるものはたくさんあります」と、終始やわらかな語り口で進行いただきました。

<講師の平出沙彩氏(犬の管理栄養士/LBdogsオーナー)>
まずは基礎から。犬に与えてよい食材・注意が必要な食材
ワークショップは、座学からスタートしました。
最初のテーマは、犬に「与えてはいけない食材」と「注意が必要な食材」です。
玉ねぎ・ネギ類、ぶどう、チョコレート、キシリトール入りの食品、マカダミアナッツなどのナッツ類、アルコール。
これらは広く知られていますが、加熱済みの骨や生の魚介類、柑橘類、塩分や脂肪の多い食品、卵白、カフェイン、ポップコーンなど、意外な食材も注意リストに並びます。
「ほかにも注意が必要な食材はたくさんあります。わんちゃんの健康のためにも、情報を確かめてから材料を選びましょう」と平出氏。

<配布資料に書き込みながら受講。食材の可否は一覧で整理されました>
あわせて、犬用食品によく使われる食材も紹介されました。
鶏肉・豚肉・牛肉・タラ・サーモンなどのたんぱく質、さつまいもやかぼちゃ、ブロッコリーといった野菜、リンゴ・いちご・ブルーベリーなどの果物、そして米粉・片栗粉・寒天・オリゴ糖・無糖ヨーグルトといった、おやつづくりの土台になる素材。
犬用のメニューは、決して特別な材料ばかりが必要なわけではないことがよく分かります。
アレルギーへの配慮も重要なポイントです。
鶏肉、牛肉、小麦粉、牛乳・乳製品、たまごはアレルギーの原因になりやすく、「アレルギー持ちのわんちゃんは意外に多いので、選択肢があると喜ばれます」とのこと。
ただし、食材を抜いたメニューであっても製造過程でほかの食材が混ざる可能性があるため、重篤なアレルギーのある犬への提供は避けるのが安全だという、現場ならではの注意点も共有されました。
飼い主に選ばれるメニューの考え方
続いて、「安全で、かつ飼い主に喜ばれるメニュー」をどう考えるか。平出氏が挙げたのは、次のような視点でした。
- ● 可能な限りシンプルな材料でつくる
- ● 外国産よりも国産、国産よりも産地が分かるとより安心
- ● ヒューマングレード(人が食べられる品質)の材料が基本
- ● 小型犬でも食べやすい大きさに
- ● 写真に撮りたくなる見た目であること
「わんこは家族。同じものを食べたい、愛情を食事を通して表現したい、そして写真を撮ってSNSに載せたい ── そういう気持ちに応えられるかどうかです」。
産地が分かる県産食材を使うことは、そのまま安心感につながり、店にとっても語れる強みになります。
一方で、犬にとっての「おいしさ」も忘れてはいけません。お肉や甘みのある野菜を使い、香りが立つこと。凝った調理は必ずしも必要なく、野菜とお肉を細かく刻んで煮込んだスープや、蒸し野菜と茹でたお肉のワンプレートといった簡単なメニューでも十分だといいます。

<座学のあとは実演へ。参加者それぞれの席に材料が用意されました>
県産食材でつくる、3つの犬用おやつ
後半は、いよいよ実演ワークショップです。この日つくったのは、群馬県産の食材と郷土の名物をモチーフにした3品でした。
■ 群馬県産こんにゃく芋粉の焼きまんじゅう
群馬の名物・焼きまんじゅうを、犬用にアレンジした一品。
生地には群馬県産のこんにゃく芋粉と米粉を使い、串に刺してタレを塗り、オーブンで焼き上げます。
見た目は本物の焼きまんじゅうそのもの。飼い主が食べているものと「同じ」を、愛犬にも用意できる ── 郷土名物を犬用に読み替えるという発想が、参加者の関心を集めていました。

<串に刺した生地にタレを塗っていきます>
■ 群馬県産ブルーベリーのヨーグルトアイスクリーム
県産ブルーベリーと無糖ヨーグルト、ココナッツミルクを混ぜて冷やすだけの一品。
特別な設備がなくてもつくれるうえ、ブルーベリーを季節の果物や野菜に置き替えれば、そのまま通年のメニューになります。
型に流し込めば、犬の形やハート形にも。

<型に流し込んで凍らせるだけ。仕込みの手間が少ないのも魅力です>
■ 嬬恋高原キャベツのボーロ
嬬恋村の高原キャベツを使った、ひとくちサイズの焼き菓子。
ひとつずつ手で丸めていく作業は、参加者の皆さまが最も熱心に取り組んでいた時間でもありました。
小型犬でも食べやすいサイズ感で、テイクアウトのおみやげにも展開しやすい一品です。

<ひとつずつ手で丸めた生地を並べて焼き上げます>

<参加者の皆さまも実際に手を動かしながら、コツを確かめていきます>
焼き上がりを味見する場面では、「これなら店で出せそう」「うちの設備でもできる」といった声が聞かれ、会場は終始和やかな雰囲気に包まれました。

<焼き上がった焼きまんじゅうを味見。香ばしい香りが会場に広がりました>

<袋詰めすれば、そのままテイクアウト商品に>
※各メニューの詳しいレシピは、ワークショップにご参加いただいた事業者の皆さま限定でお渡ししています。
お店で出すために ─ 提供・販売のルール
おいしくて安全なメニューができても、それをお客様に提供するには、押さえておくべきルールがあります。
ワークショップの締めくくりは、その実務の話題でした。
犬や猫のフードには、その安全性を確保するためのペットフード安全法という法律があります。
パッケージに梱包して販売する場合は、原材料や賞味期限などの表示、事業者としての届出、帳簿の保存といった対応が必要です。
一方、店内で提供する「イートインのみ」の場合は同法の対象外となりますが、犬用の食器を使うなら人用とは別の水回りと調理設備が必要になるなど、食品衛生法への配慮が求められます。
こうした前提を理解したうえで、自分の店ではどこまでできるのか、どう出すのが現実的か。参加された皆さまからは活発に質問が飛び、予定時間いっぱいまで意見が交わされました。
群馬の食材を使った愛犬のためのおやつが、県内のあちこちで味わえるようになる日も、そう遠くないかもしれません。
インフォメーション
愛犬のごはん教室 ─ 高付加価値化のためのメニュー開発を学ぶ
開催日:2026年7月28日(火)13:00〜15:30
会場:GINGHAM(ギンガム)/群馬県前橋市大手町1丁目1-1 群馬県庁31階
対象:群馬県内の事業者(宿泊施設・飲食店・観光施設 ほか)
参加費:無料
参加者:6社9名
講師:平出 沙彩 氏
主催:群馬県 観光リトリート推進課
企画運営:OVER株式会社
講師プロフィール
氏名:平出 沙彩(ひらで さあや)
肩書:犬の管理栄養士/犬用ケーキブランド「LBdogs」オーナー・ペット用おやつクリエイター
資格:KACAN(韓国ペット栄養協会)資格保有 ホームメイドおやつ・ベーカリー・ケーキデザイナー 各スペシャリスト
活動:2026年よりKACAN日本支部講師として認定。犬用ケーキ・おやつの制作のほか、レシピ開発、講義、ワークショップの講師を務める
公式サイト:https://levande-bevis.stores.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/lbdogs_cake/
お問い合わせ
わん旅ぐんま事務局:OVER株式会社 担当:中島
電話:090-8894-0213
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