倉渕に眠る幕末の英傑を偲んで。「小栗まつり」が今年も開催。
更新日: 2026年07月30日
「罪なくして、ここに斬らる」。
そんな言葉が刻まれた碑が、群馬県高崎市倉渕町にあります。幕末の傑物・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけ ただまさ)は、無実の罪を着せられたとされながら命を落としました。その死を悼み、功績を顕彰する「小栗まつり」が、毎年5月、倉渕の地で開かれています。
地域の人々が中心となって長年受け継がれてきたこのまつりは、2026年に非命159回忌の節目を迎えました。群馬県内はもとより、各地から来場者が訪れる、倉渕の初夏を代表する催しです。
日本近代化の父と呼ばれた小栗上野介

<小栗上野介顕彰慰霊碑>
小栗上野介忠順は1827(文政10)年、江戸の神田駿河台で旗本・小栗家の長男として生まれました。1860年、万延元年遣米使節の目付としてポーハタン号で渡米し、帰国後は外国奉行、勘定奉行、江戸町奉行など幕府の要職を歴任しました。
横須賀製鉄所の建設、横浜仏蘭西語伝習所の設立、日本初の株式会社とされる兵庫商社への関与、フランス式軍制の導入など、近代化に向けた施策などを推進。明治維新後は権田村に移り住みましたが、無実の罪を着せられ、1868年に烏川河原で斬首されました。現在は近代日本の礎を築いた人物として注目を浴び、2027年のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公としても注目されています。
小栗上野介の詳細や史跡についてはこちら:https://gunma-kanko.jp/features/460
2つの会場で執り行われた小栗まつり
小栗公を偲び、その功績を顕彰するとともに、史実に基づいた正しい歴史認識への理解を深めることを目的に毎年5月、ゆかりの地・倉渕で小栗まつりが開催されています。
倉渕体育館 ~式典と講演で、功績を学ぶ~

<講演会が行われた倉渕体育館>
まつりは倉渕体育館での開会式典からスタートしました。小栗上野介顕彰会理事長の式辞に続き、高崎市長の祝辞、横須賀市関係者の挨拶があり、倉渕中学校吹奏楽部による「小栗のまなざし」の演奏が会場に響きました。
講演会も開催され、2026年は東洋大学文学部教授・同大学人間科学総合研究所所長の岩下哲典氏が、「小栗上野介の経験した役職、江戸幕府の目付とは?——『監察』のお仕事とその後の昇進など」をテーマに講演。
式典・講演会は事前申し込み制でしたが、高崎市公式YouTubeチャンネルでライブ配信され、当日参加が難しい方も視聴できました。
▶2026年の講演会アーカイブはこちら:https://www.youtube.com/live/8hzJ0Llq5Fw?si=7iSUzmnIZfIHgkIF
東善寺 ~祈りと歴史、文化が交わるまつりの場〜
<メイン会場の東善寺>
小栗公の菩提寺である東善寺の境内と本堂では、午前10時から夕方まで、さまざまな催しが行われました。歴史を学ぶ場でありながら、地域の食や文化が集まる賑やかな空間、それが東善寺会場の魅力です。

<木村先生の直筆サイン>
本堂では、小栗かるた会主催によるかるた取りが行われ、初めての方も、小栗公に詳しい方も一緒になって札を競い合う光景が見られました。小栗上野介顕彰会が企画した「小栗かるた」は、読み札を全国公募で選定し、絵札を漫画家・木村直巳さんが手がけた作品です。購入者を対象に木村先生のサイン会も行われました。

<小栗プロジェクト認定のお土産品 高崎だるま小栗くん>
また、昼市も開催され、地元の農産物を中心に小栗公関連のお土産や書籍などの関連グッズが多数並びました。

<会場で提供された小栗公カレー>
なめこ汁や小栗カレーなども振る舞われ、香りに誘われて多くの来場者が足を運び、会場は終日賑わいを見せました。小栗公ゆかりの地ならではの催しが重なり、歴史と地域の魅力を同時に味わえる場となりました。

<小栗上野介と家臣の墓>
厳かな雰囲気の中で執り行われた、小栗公非命159回忌の法要となる墓前祭。住職による読経に続き、参列者が焼香をあげる姿からは、小栗公の死が今なお深く悼まれていることが伝わってきます。

<新作能の奉納>
その後は本堂内で、観世流能楽師・清水氏らによる新作能「小栗上野介」の奉納や、群馬マンドリン楽団による記念演奏が行われ、会場は文化の香りに包まれました。

<餅投げで賑わう境内>
そして、まつりの締めくくりは恒例の餅投げ。笑顔と歓声に包まれ、宙を舞う餅やお菓子に子どもから大人まで夢中で手を伸ばし、小栗まつりは賑やかなフィナーレを迎えたのでした。
インフォメーション
小栗まつり
開催日: 毎年5月(令和8年は5月24日(日)開催)
会場: 倉渕体育館、東善寺(群馬県高崎市倉渕町権田)
問合せ先: 高崎市倉渕支所地域振興課 TEL:027-378-3111
主催: 一般社団法人 小栗上野介顕彰会
共催: 東善寺
高崎市公式HP(小栗まつり):https://www.city.takasaki.gunma.jp/page/85601.html
観光ぐんま編集室