50万本のポピーが彩る!初夏の老神温泉【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
秘湯・老神温泉のポピー畑
沼田市にある老神温泉は、赤城山の神である大蛇が矢傷をここで追い詰め、神の湯で癒やして敵を追い返したという「追い神」の伝説に名を由来する温泉地です。
尾瀬への玄関口に位置し、片品川が刻んだ壮大な渓谷美に包まれた静かな山あいの秘湯で、古くから皮膚病や万病に効く名湯として親しまれ、豊かな源泉かけ流しの温泉宿が点在しています。

<新緑の山々に囲まれて一面に広がる50万本の赤いポピー畑>
この情緒あふれる温泉街の入り口を、初夏になると鮮やかな赤いポピーが美しく彩ります。特に湯之上集会所や案内看板の周辺は、まるで真っ赤な絨毯を敷き詰めたような見事な光景が広がり、訪れる人を楽しませてくれます。
自家用車で来場される場合は、入り口が2箇所あるうち国道120号の「大原」交差点の信号から温泉街へ入るとすぐ目の前にこの絶景が広がります。また路線バスも「老神温泉」バス停下車すぐとアクセス良好です。秘湯の独特な風情と可憐な花々を楽しみながら散策を満喫できます。
約50万本が咲き誇る!老神温泉ポピーの魅力と歴史
<ポピーの魅力を語る老神温泉観光協会の金子充さん>
この美しいポピー畑の歩みや栽培の舞台裏について、老神温泉観光協会の金子充さんにお話を伺いました。
「老神温泉のポピーは2008年から始まりました。元利根村の村長が、別の地域でポピーが咲いているのを見つけて種を取ってきて、それを元にしたのが始まりなんですよ」
最初は小さな一歩でしたが、今では約5,000平方メートルもの敷地に、およそ50万本が咲き誇る初夏の風物詩へと成長しました。
「赤が一番強いですが、ピンクや白、華やかな八重咲きなど、中に入って見ると数え切れないほど種類が豊富なんです」と話す通り、現地では一言では書ききれない多彩な色彩が広がります。近年は温暖化の影響もあり、開花が1週間ほど早まる傾向にあるようです。

<青空に向かって透き通るように花びらを広げる可憐なポピー>

<赤やピンクなど様々な表情で目を楽しませてくれる初夏の主役>
筆者が取材に伺った当時はまだつぼみも多く、これからさらに見頃が続くというタイミングでした。ポピーはデリケートな花ゆえに雨や風に弱いですが、天候に恵まれた年は特に長持ちし、綺麗な状態が長く保たれるそうです。
この見事な景観は、観光協会をはじめ、地域の老人会やかつての女将の会、そして地元住民が代を継じて大切に守ってきました。さらに、地元の利根実業高校の生徒たちも心強い相棒です。毎年7月中旬の種取り、10月中旬の種まきを彼らと協力して行い、冬の間は30センチほど積もる雪の下で新芽を耐えさせながら、この密集した美しい一列のポピー畑をみんなで育て上げています。
「関越道がある関係で埼玉や東京、県内の方はもちろん、5月から6月は尾瀬や吹割の滝を訪れた帰りに立ち寄られるお客さんも多いですね」
地域の方々や県内近隣からも、多くの人がこの絶景を写真に収めに訪れているようです。
ポピーの海を激写!
<まるで絵画のように広がるポピーの赤い海>
そこで筆者も持参したカメラを構えてこの美しい風景を激写してみました。このポピー畑は、少し離れた場所から引きの構図で全体の広大なスケール感を撮影するだけでも圧倒されますが、実は花畑の中に作られた通路へと入って撮影することも可能です。

<ポピーに囲まれてパシャリ!中でも撮影可能です>
一歩足を踏み入れて低い位置からレンズを向けると、視界のすべてが赤に染まり、まるで自分自身が真っ赤なポピーの海に深く入り込んでしまったかのような、臨場感あふれる一枚が完成します。今回はちょうど美しい見頃の最高の時期に訪れることができ、まさに大正解でした。

<優しい風にゆらゆらと揺れながら初夏の訪れを告げる花々>
優しく波打つ鮮やかな赤いポピーと、老神温泉の後ろにそびえ立つ雄大な新緑の山々、そして高く広がる爽やかな初夏の空が見事なコントラストを描き出しています。筆者も、夢中で何度もシャッターを切り続け、納得のいく写真を収めることができました。
期間限定!ポピーの摘み取り体験を楽しもう
こちらの花畑は、見学が無料なだけでなく、期間限定でポピーの摘み取り体験も楽しむことができます。主に週末の午前10時から午後3時頃まで開催されており、料金も10本程度で200円と非常に手頃です。
筆者は今回が初めての摘み取り体験でしたが、現地で上手な選び方を丁寧に教えていただきました。おすすめは、緑の蕾に割れ目が入って、中から少しだけ花の色が覗いているものです。完全に閉じた蕾は咲かずに終わることがあり、逆に開花している花は持ち帰る途中で散りやすいため、この割れ目の入った蕾を狙うのがベストだそうです。

<この割れ目が咲く合図!持ち帰りに最適な開花直前の緑の蕾>
長持ちさせるための処理などは、花畑のテントの中にいるスタッフさんがすべて対応してくれるので初めてでも安心です。摘んだポピーをきれいに剪定してまとめ、丁寧に新聞紙に包んで持たせてくれました。こうしたスタッフさんの細やかな心遣いが本当に丁寧でありがたいですね。

<テントではスタッフさんが持ち帰り用に新聞紙で優しく梱包>
花畑の中で記念撮影をしながらゆっくり選べるため、ファミリー層にも人気です。大切に持ち帰った花をお部屋に飾れば、旅の素敵な思い出が自宅でも色鮮やかに続いてくれます。
東洋のナイアガラと名物「朝市」へ!
<「東洋のナイアガラ」と称される吹割の滝の大迫力な渓谷美 写真提供・老神温泉観光協会>
老神温泉街から車で10分ほどの場所にある、国指定天然記念物の「吹割の滝」は、ポピー鑑賞と合わせて絶対に外せない周辺スポットです。
川床を割るようにして水が激しく流れ落ちる姿からその名がついた吹割の滝は、「東洋のナイアガラ」とも称されるほどの圧倒的な迫力を誇ります。ダイナミックに吹き上がる白い水しぶきと、初夏の瑞々しい新緑が織りなす渓谷美はまさに圧巻の一言。整備された遊歩道を歩けば、爽快なマイナスイオンを全身に浴びながら、清々しい大自然のパワーを肌で感じることができます。
この大迫力の絶景をカメラに収めてリフレッシュした後は、いよいよ老神温泉の温泉街へ。豊かな源泉かけ流しの湯にじっくりと浸かって旅の疲れを癒やし、翌朝は名物の賑やかな『朝市』をのんびり楽しむのが王道の過ごし方です。

<並ぶ新鮮な地場産野菜。温泉街の朝を彩る活気あふれるマーケット 写真提供・老神温泉観光協会>

<のんびり歩くだけで楽しい!老神温泉の王道を行く朝の散策ルート 写真提供・老神温泉観光協会>
こうした見どころ満載な初夏の周辺観光と合わせて、ぜひ老神温泉での滞在を心ゆくまで楽しんでほしいと、老神温泉観光協会の金子充さんも太鼓判を押します。
「老神温泉のポピーを是非見ていただいた後、この時期は『朝市』をやっておりますから、ぜひ宿泊して温泉に入っていただいて、ゆっくりと散策していただければと思います」
絶景をドライブした後に待つ名湯と温かい朝市は、旅の満足度を何倍にも高めてくれるはず。現地の方のそんなおもてなしの心に触れてみてはいかがでしょうか。
鮮やかな赤いポピーが優しく迎えてくれる老神温泉の初夏。50万本の花畑と秘湯の風情が織りなす景色は訪れる人の心を癒やします。大迫力の吹割の滝や朝市など周辺観光も含めて初夏の群馬を満喫できる絶景スポットです。ぜひこの季節に足を運んでみてください。
インフォメーション
老神温泉ポピー畑摘み取り体験
住所:沼田市利根町老神(湯之上集会所周辺)
開催時期:例年5月下旬~6月中旬(見頃期間中のみ)
開催日:土曜日・日曜日
時間:10:00~15:00頃まで
料金:10本程度で200円
駐車場:付近に市営駐車場有り(無料)
※掲載している情報は2026年時点のものです。開花状況やイベントの最新情報は、お出かけ前に老神温泉観光協会の公式サイト等でご確認ください。
老神温泉観光協会
住所:沼田市利根町老神607-1
電話番号:0278-56-3013
営業時間:9:00~17:00(火曜定休)
公式HP:https://www.oigami.net/
Instagram:@oigamionsen
タマル