迫り来る峻厳な岩肌と紅葉のコントラスト、北毛の名勝で紅葉ハイクを楽しもう 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

一ノ倉沢(秋)

更新日: 2025年10月18日

群馬県と新潟県の県境にある日本百名山のひとつ、標高1,977mの谷川岳。頂上や稜線からの眺望は素晴らしく、山沿いを伝う旧道から稜線を見上げるのもまた一興です。

そんな谷川岳では10月上旬に、天神尾根周辺のナナカマドが赤く染まると間もなく紅葉が始まります。東麓にある一ノ倉沢の大岩壁はその季節を迎えると辺りの木々が秋色に染まり、とても美しい風景に彩られ、みなかみ町を代表する名勝として訪れるハイカーや登山客を魅了します。

今回は頂上への山歩きとは一線を画す旧道での山林ウォークで一ノ倉沢の大岩壁を目指し、谷川岳の紅葉ハイクを楽しんできました。

谷川岳の場所とアクセス方法

土合駅

 

谷川岳の場所は群馬県利根郡のみなかみ町。鶴舞う形の群馬の北端、新潟県湯沢町との県境に位置します。

お車でお出掛けの場合は関越自動車道 水上I.Cから一般道を北上して約20分。公共機関をご利用の場合はJR上越線 土合(どあい)駅が最寄りです。

なお、土合駅は日本一のモグラ駅とも呼ばれる地下駅。改札からホームまでは486段の階段があり、標高差はなんと70.7m!所要時間は10分を要します。谷川岳にお出掛けの際は是非、土合駅にも足を運んで階段チャレンジを。谷川岳に負けず劣らずの観光スポットです。

 

駐車場は谷川岳インフォメーションセンター

谷川岳インフォメーションセンター

 

最寄りの駐車場は谷川岳ロープウェイ ベースプラザ駐車場ですが、今回は一ノ倉沢入口から歩いて10分程度の場所にある「谷川岳インフォメーションセンター前駐車場」を利用しました。250台の駐車が可能で料金は200円/日(入庫から二時間は無料)です。詳細は谷川岳インフォメーションセンターのサイトから。

 

谷川岳インフォメーションセンター

 

スタートは谷川岳登山指導センター

谷川岳登山指導センター

 

ハイキングのスタート地点となるのは「谷川岳登山指導センター」。マイカー規制が敷かれている旧道を通り一ノ倉沢を目指します。高低差も少なく手軽に絶景を楽しめるハイキングルートとして人気です。

行程としては登山指導センターから「マチガ沢 出合」を経由して「一ノ倉沢 出合」へ。お時間と体力に余裕のある方は一ノ倉沢 出合の先にある「幽ノ沢 出合」や「芝倉沢 出合」へ向かうのもまた一興です。

ちなみに「出合」とは複数の沢(谷)が合流する地点や、登山道と登山道が合流する地点を指す言葉。谷川岳の出合は二つの沢が合流する場所を指しており、〇〇沢のあとに「出合」が付きます。

 

谷川岳登山指導センターからの距離と所要時間

■マチガ沢 出合   1.7km  約25分

■一ノ倉沢 出合   3.3km  約1時間

■幽ノ沢 出合     4.4km    約1時間20分

■芝倉沢 出合     6.6km   約2時間

 

今回は早朝に現地に到着することができて時間があったので、一ノ倉沢 出合のひとつ先にある「幽ノ沢 出合」まで足を伸ばしてみました。

 

マチガ沢 出合|標高835m

マチガ沢 出合

 

谷川岳登山指導センターから歩いて約25分で「マチガ沢 出合」へ到着

マチガ沢 出合は、谷川岳登山の入口である巌剛(がんどう)新道やロッククライミングの練習ができるマムシ岩があります。

 

一ノ倉沢 出合|標高870m

一ノ倉沢 出合

 

マチガ沢 出合から歩いて約30分。今回の目的地である一ノ倉沢の大岩壁が見られる「一ノ倉沢 出合」へ到着。

この地方の方言で岩や岩壁のことを「クラ」と呼んでいます。一ノ倉沢の岩場は世界でも最も登頂の困難な岩壁のひとつに数えられ(グレード6級)、谷川岳は剱岳、穂高岳と共に日本三大岩場として知られています。谷川連峰随一の岩場であることから「一ノ倉」と名付けられています。

 

一ノ倉沢より先はトレッキングシューズが必須

歩道

 

一ノ倉沢 出合までは歩道がしっかり整備されており、傾斜も緩やかなのでとても歩きやすいのですが、以降は舗装路ら砂利道へシフトします。雨の翌日などはぬかるんでいるためトレッキングシューズが必須。 

その道を歩いていると素晴らしい景観を横目に、谷川岳で亡くなられた方の慰霊プレートが飾られています。古くは昭和40年代のものも・・・。谷川岳は遭難による死者数が世界一多い山としてギネス世界記録に認定されていますので、くれぐれもお足もとにお気を付けて山行をお楽しみ下さい。

なお、スタート地点である谷川岳登山指導センター近くにある「谷川岳山岳資料館」からは、例年5月下旬から11月上旬までの間、電気ガイドバスが運行されています。一ノ倉沢まで1日7往復の運行で定員は8名。運賃は無料ですが、ガイド料金が片道1名500円掛かります(中学生以下は無料)。土日祝日や時間帯によっては大変混雑しますが、歩いていくのが困難な方は是非ご活用下さい。

 

 

 

幽ノ沢 出合|標高885m

幽ノ沢 出合

 

一ノ倉沢 出合から約20分で「幽ノ沢 出合」に到着です。

その名の通り、静かで人の気配のない幽ノ沢。一ノ倉沢まではとても人が多い印象でしたが、ここまで来ると観光客はほぼおらず、お山好きの秘密基地のようでした。沢と紅葉のコントラストが美しく、川の水が透き通っていて、とてつもなく綺麗です。

なお、幽ノ沢から数十メートル先には「ブナのしずく」と言う湧き水があります。ブナの木々に囲まれた大自然の中にあり、ハイキング好きにはおすすめのスポットです。幽ノ沢まで来たらあと少し頑張って、湧き水に癒されましょう。

 

 

 

迫り来る一ノ倉の峻厳な岩肌と紅葉のコントラストは言葉を失う美しさです。

見頃は例年、9月下旬~10月下旬。晩秋の紅葉と初雪の季節が重なる頃は、運が良ければ山頂の冠雪と周囲の紅葉を一度に楽しむことができます。一ノ倉沢までは歩道が整備されているのでスニーカーなどの運動靴でもOK。ともあれ、標高があり天気も変わりやすいので、雨具や防寒具などを持参下さい。熊の目撃情報もありますので、熊よけ鈴を携帯して。

「みなかみ谷川スキーと登山」。秋は紅葉と登山が格別ですよ。北毛方面へお出掛けの際は是非(。ᵕᴗᵕ。)”

 

インフォメーション

谷川岳 一ノ倉沢(いちのくらさわ)

住所:群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽

※例年11月中旬から5月下旬まで冬季通行止めとなります。
 降雪状況により変更となる場合がありますので、ご確認ください。 

HP:https://www.enjoy-minakami.jp/place.php?itemid=885

 

Tokina Yoshimura

Tokina Yoshimura

群馬生まれ、群馬育ちの群馬っ子。肩書きはグンマーメディアクリエイター、低山アルピニスト、バンズパン・みそパン愛好家など 。お山と温泉、秘境が好き。暇さえあれば県内の楽しいところや美しい場所、美味しいものを開拓しています。