土蔵造りの街並みに並ぶ100本の八重桜を愛でる|城下町・白井宿 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

白井宿

更新日: 2025年06月04日

毎年、咲いたと思ったらすぐに過ぎ去ってしまう桜の季節。「タイミングを逃してしまった」「やっぱり行けばよかった」と悔しい思いをする方もいるかもしれません。

でも、お花見はソメイヨシノだけではありません。私の地元・渋川市には、土蔵造りの趣ある雰囲気の中で八重桜を楽しめる名所があるんです!

今回は、城下町と宿場町の2つの顔を持つ八重桜の名所・白井宿の魅力をお伝えしていきます。

 

白井宿の堰(せき)の両脇に咲く約 100 本の八重桜は圧巻のボリューム

八重桜

<画像提供:(株)曾根商店>

 

渋川市の中央部に位置する白井宿は、江戸時代に中山道の宿場町として栄えた歴史ある町です。毎年4月下旬から5月上旬にかけて、白井宿を流れる堰(せき)の両脇に約100本の八重桜が咲き誇ります。

八重桜はそのボリューム感と深い色合いが特徴で、花びらが多く重なっているため風に強く、比較的長い期間楽しめるのも魅力の一つです。

 

<ボリュームある豪華な花びらが特徴の八重桜 Photo by Masaaki Muraoka>

 

堰を流れる水音をBGMに通りを歩くと、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分です。

土蔵造りの家々が並ぶ白井宿の歴史

屋号

<ところどころに屋号が掲げられていました Photo by Masaaki Muraoka>

 

白井宿は、江戸時代初期に整備された中山道の宿場町の一つで、かつては多くの旅人を迎えていたそう。北関東と信州・北陸を結ぶ交通の要所だったため、商家や旅籠が軒を連ね、当時は大変賑わっていたそうです。

今でも当時の面影を残す土蔵造りの家々が街道沿いに残っており、歴史的な景観が美しいままに保存されています。

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

また、白井宿は宿場町と城下町の二つの顔を持つ珍しい町でもあります。白井宿から徒歩で約11分のところにある「白井城跡」には、立派な石垣が残されています。

 

<石垣には巨木が生え、年月の経過を感じさせます Photo by Masaaki Muraoka>

散歩の合間には「曾根商店 白井宿カフェ焙煎所」でひと休み

曾根商店

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

歩き疲れたら、町並みの中にある「曾根商店 白井宿カフェ焙煎所」でひと休みするのがおすすめです。築100年以上の古民家を改装したこのカフェは、土蔵造りの雰囲気をそのままに、ゆったりとした時間を過ごせる憩いの場所。店内では、丁寧に焙煎したスペシャルティコーヒーとともに、手作りのスイーツを楽しめます。

今回私は、本日の豆から選べる「ドリップコーヒー(600円〜)」と「キャラメルとアーモンドのパウンド(540円)」を注文しました。

オーナーおすすめのケニアの浅煎りのコーヒーは、カシスやオレンジを思わせるフルーティーさと、ブラウンシュガーのような甘い余韻が特徴とのこと。

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

店内には、毎週授業の前に立ち寄っているという学生さんの姿もありました。

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

心安らぐ空間でリフレッシュしたら、その後の授業も頑張れそうですね。

おみやげ探しにぴったり!特産品が並ぶ「道の駅こもち」

道の駅こもち

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

旅のおみやげ探しには、白井宿から徒歩で約2分のところにある「道の駅こもち」がぴったりです。農産物直売所には、新鮮な野菜や果物はもちろん、地域の名産品であるこんにゃくの加工品など、ここでしか手に入らない品々が数多く揃っています。

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

駅舎も白井宿の景観に馴染む蔵造りのような見た目で、駅構内には水路も流れています。

ちょうど八重桜が散り始めた風の強い日だったので、水路には「花いかだ」ができていました。私は生まれて初めて見る光景だったので、あまりの美しさに思わず何枚も写真を撮ってしまいました。

 

<水路だと気づかずに足を踏み入れてしまいそう Photo by Masaaki Muraoka>

帰宅前は「上州豚のモチモチかつ丼」でお腹を満たして

上州豚のモチモチかつ丼

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

駅内のレストラン「食創庵(しょくそうあん)」では、地元食材を使った料理を味わうことができます。中でも人気なのが「上州豚のモチモチかつ丼(950円)」。群馬県産豚を使った贅沢なかつ丼は、サクサクの衣と柔らかな肉質が絶妙な一品です。

ほかにも、地元ブランド「赤城牛」を使ったメニューや、「おきりこみ」など群馬の郷土料理も充実していました。

ちょっと食べ歩きをしたい気分の方は、「うまいもん処六斎茶屋」で軽食をどうぞ。生乳を使ったソフトクリームや「上州麦豚コロッケ(220円)」がおすすめです。

 

<生乳とブルーベリーのシマシマミックスソフトクリーム(350円)Photo by Masaaki Muraoka>

 

春の穏やかな日差しの中、江戸時代から続く土蔵造りの街並みと約100本の八重桜に風情を感じる時間は格別です。

名物グルメも楽しめる白井宿で、お花見第二幕を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

インフォメーション

白井宿

住所:群馬県渋川市白井

 

曾根商店 白井宿カフェ焙煎所

住所:群馬県渋川市白井919-1白井宿沿い
営業時間:10:00~17:00(L.O.16:30)
定休日:金曜

https://sonesyoten.square.site/

https://www.instagram.com/sone_syoten/

 

道の駅こもち

住所:群馬県渋川市白井2318-1
電話:0279-60-6600
営業時間:9:00~18:00(レストランL.O.17:30)
定休日:毎月第三火曜、1月1日(HPにて告知)

https://komochi.com/

https://x.com/komochi_eki

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

望月優衣

渋川市出身・高崎市在住のフリーライター。群馬県内の取材・インタビューを中心に、文章を仕事に楽しく生活しています。趣味は街歩きや美術館めぐり、ノープランの旅行です。