日本には2社しかない?! 世にも珍しい激レア神社「羊神社」に行ってみた!【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年04月13日

「群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!」

皆さんは、動物にゆかりがある神社というと、キツネのいる稲荷神社などを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、日本には「羊」にゆかりのある神社がある事は、ご存じでしょうか?
全国でも羊にゆかりのある神社は非常に珍しく、日本には2社しか存在しないと言います。今回、私が紹介するのは、その中の一つと言われている安中市にある「羊神社」です。
激レア神社「羊神社」はどんな神社なのか、寺社仏閣マニアの私が取材してきました。

 

羊神社の由来は、上野三碑にゆかりのある英雄「羊太夫」だった?!

羊神社に奉られている御祭神は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)多胡羊太夫(たごひつじだゆう)藤原宗勝公です。羊神社の由来にはこう書かれています。

「昔、上野国には『羊太夫』という英雄がおり、この人は、奈良の都にも頻繁に行き来するこの地の優秀な役人でした。しかし、ある時に謀反の疑いをかけられて、この地から追放されてしまいます。追放された羊太夫でしたが、この地域に残した物は非常に多く、銅山の開発や養蚕生業などの都の新しい技術を、この地に取り寄せて地域を発展させたと言います。その功績を称えて、この地に移り住んだ羊太夫一族の末裔たちが、江戸時代に、羊太夫を奉る羊神社を創建しました」

一説には、ユネスコ「世界の記憶」に登録されている上野三碑で知られている「多胡碑」を作ったのは「羊」という人だと言われています。この「羊」こそ、羊神社に奉られている「羊太夫」と同一人物と言われています。何とも不思議な繋がりですね。

社殿の正面には、石の鳥居と2匹の狛犬が左右に並んでいます

羊神社の御由来が書かれた看板

境内で、かわいい羊たちを探してみよう!

羊神社の境内には、その名前にあやかりかわいい羊たちがいます。
ここからは、境内のかわいい羊たちを探してみましょう。

まずは、社殿に向かって右手側にあるのが「羊の絵馬」です。
赤いお鼻と、ずんぐりむっくりした姿が、可愛らしい羊のイラストが、参拝する方を出迎えてくれます。

羊神社の社殿を守っているのは二匹の狛犬?!こちらは、羊の狛犬です。
羊神社では、非常に珍しい羊の狛犬を見る事ができます。もふもふの毛並みと、つぶらな瞳、首の鈴がなんとも愛らしい、今にも走り出しそうな姿で羊神社を守っています。訪れた際は必見です!

のどかな田園の中に静かにたたずんでいる羊神社ですが、「未年の守り神」という事で、未年になると全国から参拝者が集まるそうです。特に未年生まれの方は、「生きている間に一度は見たい」と遠路遙々、参拝にいらっしゃる方もいるとか。12年に一度の未年には、メディアにも取り上げられてかなり話題になるそうです。2027年の未年も楽しみですね。

激レア神社「羊神社の春祭」に行ってみた

羊神社のお祭りは毎年、春と秋の、年に2回行われています。
今回、私は、3月15日に行われた羊神社の「春祭」に行ってきました!

境内に掲げられているのは、お祭り用の特別な、のぼり旗だそうです。
神主さんが、「お祭りの時の特別な旗だよ」と教えてくださいました。
この日はほどよい風も吹いており、のぼり旗もかっこよくなびいていました。

朝8時、羊神社の社殿に集まった氏子さんに囲まれて、神主さんの祝詞で奉納が始まりました。社殿奥の祭壇には、お酒や作物などが捧げられています。

次に、氏子さんが玉串を神様にお供えする儀式が始まりました。ひとり一人、柏手を打ち、五穀豊穣と家内安全をお祈りします。今は行なわれていませんが、以前はお祭りになるとお赤飯を蒸かして皆さんで食べて、獅子舞も近所を回ったそうです。

今回の春祭に参加されていた咲前神社の神主さんと、羊神社の氏子の皆さんです。突然の取材にも関わらず親切に取材に応じていただきました。

羊神社限定!もふもふでかわいい羊のお守り

現在、羊神社を兼務、管理されているのが、羊神社から車で約5分の所にある咲前(さきさき)神社さんです。こちらの神社では、羊神社限定のお守りと御朱印をいただく事ができます。

羊神社限定のかわいい羊のお守りたち

写真、左のちりめんの羊のお守りが「身体健全守」で、右のモコモコのお守りが「開運モコモコ幸運守」です。下の小さいお守りはストラップのお守りになっています。身につけているだけで、かわいい羊たちに癒やされますね。私の父も未年なので今回、未年のストラップお守りをプレゼントしました。

羊神社限定のかわいい御朱印

社務所の方が直筆で書いてくださった御利印は、かっこいい達筆な文字と、右下のモコモコの羊のイラストがかわいらしい。今回は、取材した羊神社の「春祭」にちなんで桜の花びらのイラストと、文字を特別に入れてくださいました。

御朱印は、あの群馬の民芸品?!羊だるま御朱印

こちらが羊神社限定の羊だるま御朱印です。

こちらが羊神社限定の羊だるま御朱印です。群馬県民にはお馴染みの高崎だるまが御朱印になっています。羊の表情を見ていると、かわいい姿に優しい気持ちになりますね。個人的には、長いまつげの伏せた目を見ていると、安眠効果も期待できそうな予感。大きなお鼻もチャーミングですね。

御朱印なのでもちろん、日付の記入もしていただきました。
皆さんも羊神社を訪れた際は、記念に羊だるま御朱印はいかがでしょうか?

羊神社のあとに訪れて欲しい!私のオススメ参拝コース

羊神社の参拝が終わったら、是非、訪れて欲しいのが咲前神社です。
今回の取材でもお忙しい中、大変お世話になりました。

こちらの咲前神社は群馬の養蚕文化を支えてきた由緒のある神社です。毎年4月1日に、境内の神楽殿で行なわれる太々神楽(だいだいかぐら)は、安中市指定重要無形文化財に登録されています。

咲前神社の境内の中でも私がオススメしたい神社が、ぐんま絹遺産にも登録されている絹笠(きぬがさ)神社です。こちらには養蚕の神様の他に、養蚕の守り神として白蛇が奉られています。社務所では、白蛇のお札とお守りも配布されています。

是非みなさんも羊神社を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

インフォメーション

羊神社

住所:群馬県安中市中野谷1751
電話:027-381-2726(咲前神社)
駐車場:1台
アクセス
:磯部駅から徒歩 約30分
:信越線磯部駅より タクシー7分 
※羊神社は住宅街の為、お参りの際はお静かにお願いいたします。

鷺宮 咲前神社(羊神社の御朱印、お守り)

住所:群馬県安中市鷺宮3308
電話:027-381-2726
Fax:027-381-4590
社務所営業時間:9時~16時
定休日:不定休
Mail:saginomiya@wave.plala.or.jp
https://www.sakisaki.net/
アクセス:上信越富岡ICから 約20分
     JR信越線安中駅より タクシー10分

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山田 実季

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者) 小さい頃から生粋の歴史マニア。特に戦国武将や山城を愛する。現在は全国のお城めぐりにはまっています。地元で町おこしや山城でガイドのお仕事もしています。