"「カルピス」みらいのミュージアム"で「カルピス」の美味しさの秘密に迫る【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】 | 特集一覧 | 心にググっと観光ぐんま

"「カルピス」みらいのミュージアム"で「カルピス」の美味しさの秘密に迫る【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年04月01日

群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

館林市にあるアサヒ飲料群馬工場では、主に「カルピス」を製造しています。その敷地内に2019年にオープンした「カルピス」みらいのミュージアムは、その製造ラインなどを見学できる、「カルピス」初の常設見学施設です。さっそく、予約制の見学ツアーに申し込んで行ってきました。

「カルピス」の工場が館林市に建てられた理由とは?

そもそも、どうして館林市に「カルピス」の工場が建てられたのでしょうか。気になっていましたので、見学ツアーが始まる前にガイドさんに聞いてみると、これには大きく3つの理由があるとのことでした。まず1つ目は交通の利便性です。館林市は鉄道ですぐに東京にアクセスできる位置にあるので、鉄道で製品を輸送するのにとても便利でした。

2つ目は、「カルピス」作りに欠かせない美味しい生乳を作る牧場が近くにあったこと。そして3つ目は、これまた「カルピス」作りに欠かせない新鮮な水が、近くを流れる渡良瀬川と利根川から豊富に手に入ったということです。館林市は「カルピス」を製造するのに最高のロケーションだったんですね。

見学ツアーのガイドさんはわからないことをなんでも教えてくれます

「カルピス」の生みの親のエピソードをアニメで上映

「カルピス」の大きなボトルが置かれたミュージアムのエントランスに、参加者が全員集まったら出発です。ガイドさんの案内で階段を上がっていくと、目に飛び込んでくるのは大きな牛!まるで本物のようにリアルですが、これは剥製ではなく、CM撮影用に作られたオブジェとのことです。

まずは「はじまりのへや」に通されます。ここでは「カルピス」の生みの親である三島海雲のエピソードを描くアニメ「初恋の味〜『カルピス』をめぐる不思議な旅〜」が上映されます。「カルピス」の誕生のきっかけになったのは、彼が内モンゴルで遊牧民にすすめられた酸っぱい乳だったなんて、このアニメではじめて知りました。

「カルピス」の大きなボトルの前に集合して、いよいよツアーのスタートです

剥製かと見間違うほどリアルなCM撮影用の牛のオブジェ

「はじまりのへや」で「カルピス」の誕生秘話が明かされます

「カルピス」の歴代の広告やパッケージを展示

次の「水玉ひろば」には、「カルピス」のこれまでの広告やパッケージがたくさん展示されています。1919年7月7日に最初に発売された「カルピス」のパッケージは現在のような水玉模様ではなく、ミロのヴィーナスだったんですね。美と健康の象徴であるミロのヴィーナスは「カルピス」のイメージにぴったりだったため、パッケージに採用されたのだとか。その後、「カルピス」の発売日が七夕だったことから天の川の銀河の流星をイメージし、1922年に水玉模様の包装紙が登場したそうです。夜空は青色、星の輝きは白、最初は青地に白の水玉模様だったようです。こうして水玉模様の包装紙が登場したんですね。

次に立体展示パネルとプロジェクション映像で「カルピス」の製造工程を解説してくれます。生乳から脂肪分を取り除き、「カルピス菌」を加えてから二度の発酵。それから加熱殺菌してボトルに詰め、最後に品質検査を行います。こうしたいくつもの工程を経て、ようやく出荷されるそうです。

水玉ひろばに展示されている「カルピス」の昔の広告

「カルピス」の最初のパッケージは箱入りでした

10工程もある「カルピス」の製造工程を、ガイドさんが丁寧に解説してくれます

「発酵のへや」では、あっと驚く仕掛けも……

さらに詳しく知ることができるのが、続いての「発酵のへや」。発酵タンク内をイメージした作りになっており、全方位のスクリーンで発酵する「カルピス」の映像を見ながら、そのメカニズムについての解説を聞くことができます。最初の発酵で乳酸菌が活発に働いて乳酸を作りだし、爽やかな酸味がうまれる。そして少し寝かせて熟成させてから、二度目の発酵であの独特の香りが生まれるとのこと。

さらに、その映像とリンクして「カルピス」の甘酸っぱい香りまで漂ってきて、まるで本当に発酵タンクの中にいるような気分にさせてくれます。このカルピスの香りには、リラックス効果も期待できるそうです。

視覚と聴覚、さらに嗅覚で「カルピス」の発酵を体験できる「発酵のへや」

「カルピス」が入ったペットボトルが大量に流れていきます

途中の窓から見えるのが4つの巨大なタンク。これらは「カルピス」を熟成させるための貯酸乳タンクというもので、このタンク1つでなんと約32万本という、とんでもない量の「カルピス」が入るそう。

そしていよいよ製造ライン。大量のペットボトルの「カルピス」がラインを流れていく光景は圧巻です。残念ながら、製造ラインは撮影禁止なので写真でお見せすることはできないのですが、これはぜひご自身の目で見てみてください。モニターには製造ラインをドローンで撮影した映像も流され、それもかなり見応えがあります。

窓から見える巨大な貯酸乳タンク

見学ツアーの最後は「カルピス」を試飲できます

見学ツアーの最後は試飲ルームの「カルピス」ラボで、「カルピス」の試飲が楽しめます。各テーブルに参加者全員分の「カルピス」プチ、水、コップが用意されています。「カルピス」プチはコップ1杯分の「カルピス」のコンク(原液)が入ったポーション。これをコップに入れ、コップに付いているラインまで水を入れていただきます。この見学ツアーのあとだと、いつもよりさらに美味しく感じますね。

「カルピス」の試飲を楽しんでいると、ガイドさんが「カルピス」に関するクイズを出題してくれました。「カルピス」の「カル」の由来は? え、「カル」になにか意味なんてあったの?果たして、その答えとは……。

見学ツアーに含まれている、お楽しみの「カルピス」の試飲セット

見学ツアーに含まれている、お楽しみの「カルピス」の試飲セット

まとめ

日本で長年愛されている「カルピス」の歴史や想いを知ることができ、お土産に『カルピスウォーター』やポストカードまでもらえて、大満足で見学ツアーを終えました。予約はすぐに埋まってしまうので、ぜひ早めに予約して行ってみてくださいね。

インフォメーション

「カルピス」みらいのミュージアム

住所:群馬県館林市大新田町166

電話:0276-74-8593

見学開始時間:10:00・13:00・15:00(予約制、各回定員最大20名)

定休日:年末年始、指定休日(要確認)

料金:無料

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小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。