春の渡良瀬遊水地探訪~三県境とサイクリングのススメ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年03月28日

 群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

 黄色い菜の花が斜面を埋め尽くし、ジョギングやサイクリングに汗を流す人が行き交う河川敷から見えるのはまるで大きなみずうみ。ここ渡良瀬遊水地は、栃木、群馬、茨城、埼玉の4県にまたがる日本最大の遊水地です。今回は自然豊かな春の渡良瀬遊水地と、日本で唯一歩いて行ける三県境を楽しめる「三県境フェア」を訪ねてきました。

自然の宝庫、渡良瀬遊水地

<出典:利根川ダム統合管理事務所>

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

 大きな河川が集まり、大湿地帯でもあったこの土地にはたびたび大洪水に悩まされてきた歴史があります。その水害対策のため、水を大量に保持できる調整池として整備されたのが渡良瀬遊水地です。この内部にあたる湿地帯の大半がヨシ原であり、大切に保全されてきたことで豊かな植生や生き物が住むことになり、今では「生きている自然の博物館」と称されるほどです。

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

ヨシ焼は隠れた写真スポット⁉

 この遊水地の環境保全を目的として、年に一度行われるのがヨシ焼きです。発芽した若芽を焼くことで大きな樹林になることを防いだり、害虫を防除するのだそうです。

<2024.3月3日に訪れたヨシ焼の様子>

<あっという間にヨシ原が焼け野原に>

 この付近の住民からすると、年に一度風向きによっては「灰が降る日」として認識されているちょっと奇妙な一日。ところが、意外や意外、フォトスポットとして密かに人気だそうです。確かに実施された日には、カメラをかまえた見物客が土手沿いにたくさん!古来から人類は火を見るのが好きなんですね?

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

三県境フェアで県境の美味しいものを堪能

 渡良瀬遊水地のすぐそばには日本で唯一歩いて行ける三県境があります。日本の県境の多くは、険しい山中や海中にあるので、足を踏み入れられる県境で、栃木・群馬・埼玉3つの県をわずか一歩でまたげるこちらはとても珍しいそうです。

 この県境の町の名産品やご当地キャラも登場するという「三県境フェア」という催しが遊水地の南に接する「道の駅かぞわたらせ」で開催されていたので、お邪魔してきました。

<朝から多くの人でにぎわう道の駅かぞわたらせ>

<板倉町からは新鮮野菜といたくらんグッズ>

<加須市はこいのぼりグッズとご当地銘菓>

<栃木のとち介くんは大人にも子どもにも大人気>

<道の駅かぞわたらせのパン屋さん「はぁと」名物メロンパン。焼きたてが絶品>

 フェアの中では、板倉町の観光サポーターズクラブのガイドさんが三県境へ案内してくれるツアーもあったので、参加してみることに。

「この階段を下ると群馬県ですよ」

「昔の川の流れにそって県境があるんですよ」などなど。

 この日は強風吹き荒れる中、田んぼ道を歩いたのですが、ガイドのおじさまの素敵な笑顔とトークで、地図を眺めるだけではわからない、とても興味深いお散歩になりました。

<三県境ツアーの案内ガイドのお二人>

<この階段の上は埼玉、下ると群馬県>

 

<のどかな道を歩くこと数分、田んぼのど真ん中にありました!>

 

 

<手作り感あふれる木の看板も味わい深い>

<わかりますか?一瞬で行き来できちゃう県境です>

 GWや秋の連休など、行楽シーズンには板倉町の観光サポーターズクラブが三県境のガイドをしてくれるテントが立つそうなので、ぜひお話を聞きに訪れてみてください(※1)

<三県境ツアー参加者へのお土産クリアファイル。さんぽで三県!ってナイスなキャッチですね!>

風をきって楽しむ春—サイクリングもおすすめです

 三県境フェアを満喫していると、ロードバイクスタイルがかっこいいグループに遭遇。なんでも、埼玉県の熊谷市からいらしたそうで、この日は強風の中、片道50キロ(!)を走って、三県境フェアまでやってきたそうです。

<職場の自転車好き仲間のみなさん>

<初なまず天ぷらはホクホクでおいしい!と>

 せっかくなので、地元の名物なまず天ぷらや、キッチンカーの焼きたてお団子を満喫。その後は、三県境に行き、左足を栃木、右足を群馬、右手を埼玉におく“三県境横断ポーズ”で、記念撮影。渡良瀬遊水地への日帰りサイクリングツアーを存分に楽しんだそうで、ぜひまた訪れたいスポットだと話してくれました。

<三県境またぎでピースの松林さん>

 この渡良瀬遊水地の春のおススメの過ごし方は、なんといってもサイクリング。周辺には8か所のレンタサイクルスポットがあり、相互の乗り入れが可能とのこと。お天気のいい日には、自転車を楽しみに訪れてみてはどうでしょう。

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

<出典:渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団>

 いかがでしたか?春の渡良瀬遊水地と三県境散策。私も自転車で風を感じる休日が過ごしたくなりました。サイクリングコース以外にも、子ども広場ゾーンや、野鳥などを観察できるタワーなど、見どころ満載の渡良瀬遊水地。ぜひ以下のHPでじっくり調べて訪れてみてはいかがでしょうか。

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柏崎祐子

佐賀県生まれ、群馬県板倉町に引っ越してきて7年目のきゅうり農家。3児の母。板倉の好きなところは、開けた田んぼ風景とバルーンが浮かぶ広い空。澄んだ夕焼けがとってもきれいなところです。

インフォメーション

渡良瀬遊水地について

■一般財団法人渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団

https://watarase.or.jp/area/

 

■道の駅かぞわたらせ

https://www.kazo-watarase-michinoeki.com/

 

(※1) 観光サポーターズクラブのお問い合わせ先

■板倉町役場 産業振興課 商工観光係

電話:0276-82-1111

営業時間:平日8:30~17:15

https://www.town.itakura.gunma.jp/cont/s021000/d021010/20190919170111.html