豊かな自然に囲まれた高崎・牛伏窯　親子で陶芸体験【ぐんま観光県民ライター（ぐん記者）】

牛伏窯は誰でも気軽に陶芸に親しめる生涯学習施設として、高崎市の南部に位置する牛伏山のふもとに2005年に設立されました。成形を行う体験教室と、土を練るところから絵付けまでを行う4回コースの教室があり、県外からの観光客、腕を磨きたい地域住民など様々な人が訪れます。

成形は、粘土の塊で自由に形作る手びねり、電動ロクロでの成形など好みの方法が選べ、作るものも湯呑やお皿など自由です。市の施設なので体験料は比較的リーズナブル。子供は５歳くらいから体験できます。小学生を対象とした体験日も定期的にあり、その日は子供たちでにぎわいます。

施設前で出迎えてくれる陶芸作品

事前に予約し、息子と二人で体験教室に参加しました。出迎えてくれたのは、夫婦で陶芸家の福島慶治さんと位枝さん。市内に慶陶房という工房を構えて制作活動しながら、牛伏窯で講師を務めています。

施設内外のところどころに2人の作品が飾られていました。子供は興味津々な様子で「これは何？あれは何？」ときょろきょろ。器よりも動物などの置物が気になるようで、「好きなものを作っていいよ」と位枝さんに言われると、「ドラゴンを作る！」と即決しました。私は慶治さんの作品をじっくり拝見。手作りのぬくもりある作品に陶芸の良さを感じます。

陶芸家の慶治さんと位枝さん。慶治さんは日展入選、群馬県美術展知事賞など受賞

息子は位枝さんとあれこれ相談しながら、夢中でドラゴンを形作ります。粘土遊びをしている時と同じ感覚で楽しそう。私は電動ロクロに初挑戦。ロクロの上で回転する粘土に指をぐっと入れて、盃の形を作ってから、ふちを持ち上げて好きな形にしていきます。

電動ロクロは、粘土がぐにゃっとへたってしまう難しいイメージだったけど…。「ふちから手を離すとき、ゆっくりと」。慶治さんのアドバイスを聞きながら、目の前の粘土に集中して懸命に手を動かすと、形の整った小皿が完成。なかなかの出来に達成感でいっぱいです。

ドラゴン作りに集中。子供は粘土500g使用

陶芸体験では大人は1㎏の粘土を使えるので、小皿のほかに小鉢と花瓶も作りました。陶芸に没頭する豊かな時間はあっという間に過ぎ、気が付くと息子のドラゴンも完成。お互いに作品を自慢して、「いいねぇ」と褒めあいました。

その後、7色の釉薬から好みの色を選んだら、後はお任せして焼き上がるのを待つだけです。約一か月後に完成したドラゴンと器は想像以上にいい出来で、またまた親子で「いいねぇ」と褒めあいました。ドラゴンは目立つ場所に飾り、器は食卓に登場。日常生活で使えるのも陶芸の良いところです。

焼き上がったドラゴンと器

牛伏山一帯は牛伏山自然公園として整備され、車道のほかに遊歩道と登山道、山頂には上毛三山と関東平野を望める展望台があります。桜とアジサイの名所として有名ですが、牛伏窯の目の前の赤谷池もおすすめ。水芭蕉やホタルが見られる穴場スポットです。

また、牛伏山のふもとには宿泊や日帰り入浴のできる施設、牛伏ドリームセンターがあり、陶芸や登山でかいた汗を流すことが出来ます。レストラン（11時～16時）では高崎産小麦「きぬの波」を使った高崎うどんなどが味わえます。

牛伏山自然公園の展望台からの眺め

程よい疲れを感じつつも、集中したことで気分はリフレッシュ。施設の外ではのどかな風景が癒してくれます。「自然と一緒に、気軽に陶芸を楽しんでほしい」と福島さん夫婦。季節ごとに変わる風景も楽しみに、何度も訪れたいスポットです。

高崎市陶芸体験施設　牛伏窯

住所：群馬県高崎市吉井町多比良4402

電話：027-387₋1440

営業時間：10時～15時

定休日：月曜、火曜日

料金：大人（粘土１㎏）2,000円、子供（粘土500g）1,000円、親子（2人で粘土1㎏）2,000円、4回教室（粘土3㎏）6,000円　※完成品の郵送は別途送料が必要