群馬「グラススタジオポルカ」吹きガラス体験で詰め込む手作りの形【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年03月27日

群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

草津温泉から車で40分ほどにある「グラススタジオポルカ」では、吹きガラスを体験できます。講師は地元出身のガラス職人、水出康治さん。吹きガラスは季節や息の吹き方によって、一つ一つ違う作品ができあがるのが魅力です。
ガラスを溶かす炎の熱さを感じながら、吹きガラスを体験してきました。

 

コップで何を飲もうか、花びんに何を入れようか膨らむ想像

この体験では、ぬくもりを感じる手作りの吹きガラス製法でコップや花びんを作ることができます。
工房入り口のすぐ右手には、サンプル品のコップと花びん、ガラスにつける色見本が並んでいました。完成した作品をどのように使いたいか、想像しながら選ぶのもおすすめです。

入口からおしゃれな工房

色は不透明で透けない1〜8番の8種類と、透明で透けた仕上がりになる9〜16番の8種類を合わせた16色。ガラスの色見本が置いてあり、好きな色から2色選んだり透明と不透明の色を組み合わせたりすることもできます。

丸いガラスの色見本

形はサンプル品と同じでも良いですし、水出さんと相談しながら進めることもできます。今回私は、透明な9番と16番の色で花びんを作ることにしました。玄関や台所にお花を飾れたら、毎日華やかで癒しのある生活を送れるかもとワクワクがとまりません。同行者は同じく透明な9番と11番の色でコップ作りを体験しました。

コップと花びんの見本

ガラス体験は特別なことじゃない。オーナーの豊かな発想を知る

吹きガラス作りは難しいのではないか、初めてでも本当にできるのか、不安はなかなか消えません。
「ガラス体験って特別なことじゃないんですよ」
そう語るオーナーの水出さんは、群馬でガラス作りをして18年近くになるベテランの職人です。

オーナーの水出さん

「誰でも楽しめるように、ガラス体験をしてもらいたいんです。自分で良いと思うものが作れたら、すごく楽しいじゃないですか」

敷地に入ってすぐのギャラリーでは、水出さんが作ったコップや花びん、ランプシェードなどポップでカラフルな作品を見ることができます。工房の中もおしゃれな雰囲気で、音楽を聴きながら楽しんで体験ができるのも心遣いを感じられました。

ギャラリーの花びん

「どうやったら良いものが作れるか」ご自身と正直に向き合ってきた中でのガラスへの道。新しいことややりたいことを、笑顔で話してくれる姿が印象的でした。

 

 

【プロフィール】
水出 康治
1980年、群馬県吾妻郡生まれ。(株)ハルナグラス(現在は廃業)から藤岡市の「土と火の里」のガラス工房で活動し、2017年にグラススタジオポルカをOPEN。今後はカフェや陶芸にも挑戦したい。

熟練のガラス技法を軽やかに体験

色と作るものを決めたあとは、説明を15分ほど受けて作業の流れを教わります。
体験時間は約15〜25分ですが、内容は20もの工程 がありました。
とはいえ、初めてでも水出さんのサポートを受けながら一緒に作業できるため、安心して体験できます。実際、カップルや家族連れで利用する人が多く、小学生から高齢者まで幅広い世代の人が体験していかれるそうです。 

小学生の子どもによる体験

途中、工程の一部を作業する 水出さん。流れるような洗練された動きで、熟練の技に目が離せませんでした。

溶解炉でガラスをつける水出さん

初めは作業用の炉で棒の先を焼き、それをガラスを溶かしている溶解炉に入れます。透明なとろとろしたガラスを棒に付けたら、いよいよガラス作りのスタートです。

棒の先につけたとろとろのガラス

 

 

ガラスのやわらかさと1200度の炎の熱を肌に感じる

ガラス作りのメインは、作業用の炉で形を整えていくことと、ガラスを吹いて膨らませることです。
選んだ色ガラスの粒をやわらかいガラスの先につけて作業用の炉に入れると、溶けながら混ざり合い一体化します。作業用の炉とガラスが溶解してある炉は1200度あるのだそう。炉の蓋を開けて近くに寄ると、ごおっという音とともに熱を感じました。

色ガラスの粒が溶けていく

コツは、ゆっくり丁寧に棒を回していくこと。両手をしっかりと使い、やわらかいガラスを見ながら丸く仕上げていきます。炉から取り出した後は、棒を回し、空気をふーっと入れてガラスを膨らます、吹きガラスのお馴染みの作業です。

実際に体験できるガラスを吹く作業

ガラスが膨らんだ後は再び溶解炉に棒を入れ、ガラスをたっぷりつけて大きくしていきます。座って形を整え膨らませ、焼いて再びガラスを膨らませることの繰り返し。

形を整えるのは水を濡らした新聞紙で

ガラスがオレンジ色のときは1000度を超え、透明でも700度近くあります。温度はすぐに下がり、700度でも硬くなるので焼きながら形を作っていくのです。

飲み口を広げながらガラスと向き合う時間

大きさがイメージ通りになってきたところで、器の底とコップの飲み口を作り、仕上げの作業です。
底を作るために作業台に座り、柔らかくなったガラスに専用の板を押し当て、平らにつぶしていきます。左手で棒を回しながら右手で板を使いガラスを抑える作業は、混乱しやすく集中力が必要でした。


板を当てて底を作る

底ができたら、別の棒につけたガラスを接着剤代わりにして、棒から切り離します。
開けた穴とガラス全体を焼いた後、コップ作り体験では口を広げていきました。穴に専用の棒を入れ、転がしながら口を広げていくのは感覚勝負なところです。

飲み口を広げる

ガラスを繰り返し焼いていく

最後は棒からガラスを切り離し、底をバーナーで炙ってなめらかに。
ガラスをゆっくり冷やすため、専用の保管庫に入れて一晩置き翌日には完成です。直接取りに来るのが難しい方は、宅配で送ってもらいましょう。

手作りの味わいを感じる心地よさ

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数日経ち、作品 が届きました。手作りならではの風合いや温かみあふれる コップと花びんは、色ガラスと混ざったところが溶け合っていたり層になっていたりと豊かな表情を見せてくれます。
吹きガラス体験で、彩りある旅の思い出をガラスに吹き込んでみてはいかがでしょうか。

 

インフォメーション

グラススタジオポルカ

住所:〒377-0813 群馬県吾妻郡東吾妻町三島4608-3

電話:0279-26-9363

営業時間:9:00〜18:00

定休日:火曜、水曜

料金:コップ¥3,800、花びん¥3,500 送料一律¥700(翌日以降のお引き取りか翌日発送となります)

 

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沙結月

第二のふるさとである群馬に住んで18年。温泉巡りをして、美味しいうどんやお蕎麦を食べ、ゆったりするのが最高のひとときです。最近は新たな趣味として登山を始め、日々ウォーキングに励んでいます。