【群馬・世界遺産】高山社跡竹林ライトアップの魅力 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

高山社跡竹林ライトアップ

更新日: 2026年11月04日

藤岡市にある世界文化遺産「高山社跡」のすぐそば、緑豊かな竹林遊歩道を舞台に開催されている「高山社跡 竹林ライトアップ」。約200メートル続く竹林に並ぶ和傘と竹灯籠が優しい光を放ち、昼間の静寂とは一味違う幻想的な世界が広がります。今回は明るい時間帯から現地を訪れ、夜の光に包まれる風景を撮影してきました!

「高山社跡」と竹林ライトアップ

高山社跡

<歴史を感じさせる「高山社跡」の外観>

 

明治時代に近代養蚕法「清温育」を確立した高山長五郎の生家跡であり、世界文化遺産にも登録されている「高山社跡」。現在敷地内では、母屋兼蚕室で令和10年頃までの完了を目指した保存修復・復元工事が進められており、解体・整備工事が行われている最中の姿を見ることができます。

 

<現在も大切に保存修理が進められている復旧工事の様子>

 

今回はその史跡のすぐ手前、高山社情報館から高山社跡へと向かう竹林遊歩道を会場に、「竹林ライトアップ」が行われています。夕方になると、あたりの空気感はガラリと変わり、昼間の静かな竹林とはまた違った、やわらかな灯りに包まれる幻想的な空間が広がります。

駐車場から光が差し込む竹林へ

駐車場から光が差し込む竹林へ

<右手の駐車場から川をはさんだ左手に会場があります>

 

早い時間に到着した筆者は、車を「高山社跡市営駐車場」に停めて、まずは点灯前の竹林遊歩道へ向かいました。すぐ脇を流れる三名川のせせらぎを聞きながら歩いていると、すっと心が落ち着いていくのを感じます。

 

<昼間の竹林の様子。木漏れ日が差し込んでいました>

 

竹林の中は昼間でも穏やかな静けさに包まれ、木漏れ日がやさしく差し込む心地よい空間。その道沿いには、夜の出番を待つ竹灯籠や色鮮やかな和傘が整然と並べられていました。竹に彫られた繊細な模様やたたずまいを眺めているだけで、「夜にはどんな灯りがともるのだろう」とワクワクしてきます。

運営担当者の方に聞く、竹林ライトアップの楽しみ方

運営担当者の方に聞く、竹林ライトアップの楽しみ方

明るかった周辺もすっかり暗くなり、いよいよ幻想的なライトアップの時間がやってきました。そんな中、現地でイベントを運営する藤岡市役所商業観光課の担当者にお話を伺いました。

 

筆者: 竹灯籠や和傘は、どなたが準備されているのでしょうか?

 

担当者: 市から依頼しまして、地元の藤岡北高校ガーデニング部の有志たちが、放課後に地域貢献の一環として竹灯籠を彫ってくれています。会場にはその竹灯籠が約80本、そして和傘が11本飾られています。

 

筆者: 竹灯籠のライティングや演出でこだわりなどはありますか?

 

担当者: 基本的には、歩いていて柔らかい光で照らされるように、かつ、竹灯籠の柄がしっかり見えるように置いています。和傘の方も、光を強すぎず柔らかい光にして、真っ暗な中でふんわりとした色の竹灯籠と馴染むように調整しています。

 

筆者: おすすめの鑑賞タイミングはありますか?

 

担当者: 夕暮れ時も良いですが、真っ暗な方が光がきれいに見えて良いかなと思います。カメラマンの方も、暗くなってから撮る方が多いです。

 

筆者: 来場者の傾向はどうですか? 

 

担当者: 藤岡市観光協会で開催している「観光フォトコンテスト」に出品される方もいらっしゃいます。毎年、顔馴染みの方が撮りに来てくださいますね。もちろん、地域の方やファミリー層、カップルも多いですし、一人で来て眺めている方もいらっしゃいます。

 

筆者: 撮影のルールはありますか?

担当者:基本的に竹林の中には入らないようお願いしています。真っ暗で危険ですし、土壌の保護という面もありますので。もし中に入りそうな方がいれば「遊歩道からの観覧をお願いします」とお声がけしています。もちろん、設置してある竹灯籠や和傘にも触れないようご協力いただいています。

 

筆者: ペットを連れての散歩や観覧は可能ですか?

 

担当者: リードを着用していただければ愛犬などと一緒に鑑賞していただけます。

夕闇に染まる撮影タイム

夕闇に染まる撮影タイム

筆者は担当者からイベントへの想いや裏話を聞いた後、暗くなったタイミングで撮影を開始しました。静寂に包まれた竹林の中、竹灯籠と和傘が作り出す幻想的な光の世界へカメラを向けていきます。

 

すでに明かりが灯った会場には少しずつ人が集まってきていて、地域で親しまれているイベントなのだと実感します。

 

暗闇の中に浮かび上がる和傘はとても鮮やかで、遊歩道に沿って並ぶ竹灯籠の灯りも、夜が深まるにつれてより幻想的な雰囲気を際立たせていました。

 

<和傘と竹灯籠が織りなす幻想的なコラボレーション>

 

<幻想的に青い和傘が浮かび上がる一枚>

 

<暗闇をやさしく照らす竹灯籠>

 

筆者も三脚をしっかりと据え、竹灯籠の繊細な彫りや和傘の立体感が際立つよう、ローアングルからじっくりと構図を探ります。

 

レンズにクロスフィルターを装着して光の表情を変えてみたりと、夢中になってシャッターを切り続けました。

 

<クロスフィルターで光がキラリと輝く会場全体の風景>

 

<和傘の傍らにもクロスフィルターの光を効かせて撮影>

 

撮影の最後に、商業観光課の担当者からメッセージをいただきました。

 

「この竹林ライトアップを通じて、藤岡市や高山社跡を知ってもらうきっかけになればと思っています。リピーターの方も多いので、これからも続けていきたいです。また、約200メートルの区間には高校生が作ってくれた様々な柄の竹灯籠が並んでいるので、一つ一つ見ながらゆっくりと癒やされてほしいなと思います」

 

筆者も、暗闇の中に浮かび上がる優しい灯りと、温かい想いに触れて、すっかりこの幻想的な空間のファンになってしまいました。ぜひ来年も訪れたいと思います!

あわせて寄りたい「高山社情報館」

あわせて寄りたい「高山社情報館」

ライトアップが始まるまでの明るい時間帯に、ぜひ足を運んでほしいのがガイダンス施設「高山社情報館」です。会場となる竹林の真横に位置しているため、ライトアップ前の立ち寄りスポットとしてもぴったり。

 

館内には養蚕の歴史を学べる展示が充実しており、なかでも必見なのが、繭のオスとメスを選別する「雌雄鑑別器(しゆうかんべつき)」という珍しい道具や機械の展示です。

 

<当時の技術が詰まった「雌雄鑑別器」>

 

館内の方に声をかけていただき、実際に本物の繭を乗せてくるくるとゆっくり回してみました。すると、偶然にも結果はすべてメス。なんでも、オスとメスではごくわずかに重さが違うため、その微妙な重量差を利用して見分ける仕組みになっているのだと教えてもらいました。

 

<実際に繭を乗せて回します。実は重さで判別する仕組み>

 

<鑑別器の皿の上に乗せた繭ですが、偶然にも全てメスでした(笑)>

 

機械的な仕掛けではなく、こうした物理的な違いに着目して正確に選別していた当時の養蚕技術の巧みさには、思わず感心して見入ってしまいました。

 

また、館内ではかわいい「繭クラフト体験」なども楽しむことができます。クラフト体験は、1人100円で開館時間内に受付を行ってるので、誰でも気軽に体験することができます。自分で作ったオリジナルクラフトをお土産にするのもおすすめです。

 

世界文化遺産「高山社跡」の竹林ライトアップは、約200mの竹林を和傘と高校生制作の竹灯籠が優しく照らす幻想的なイベントです。歴史と地域の想いが詰まった夜の空間は、秋の藤岡観光にぴったり。静かな光の中を歩き、特別な時間を味わってみてはいかがでしょうか。

※
本文中の料金・営業時間などの情報は、2026年10月の取材時点のものです。最新の情報は各施設・店舗の公式サイト等をご確認ください。

インフォメーション

高山社跡竹林ライトアップ

 

開催期間:例年10月開催

時間:18:00~20:00

料金:無料

電話:0274-40-2317(藤岡市商業観光課)

駐車場:高山社跡市営駐車場(無料・24時間利用可)

 

HP:https://www.city.fujioka.gunma.jp/ 

Instagram:https://www.instagram.com/fujiokacity.ta/

 

 

高山社情報館

 

住所:藤岡市高山217-1

電話:0274-23-7703

営業時間:9:00~17:00

定休日:年末年始

 

HP:https://www.city.fujioka.gunma.jp/kanko_bunka_sports/bunka/3/2/4334.html

タマル様

タマル

ぐんまの魅力を発信する「タマルのぐん旅」を運営。温泉巡りとローカルフードの食べ歩きをライフワークとし、県内の秘境から隠れた名店まで、自ら足を運んで取材を重ねています。榛名山や碓氷峠のヒルクライムに挑むサイクリストでもあり、大自然が織りなす一瞬の美しさをファインダーに捉えるのが得意。最近は、季節の花スポットや隠れた絶景の執筆を中心に活動しています。