江戸時代から今に生きる県指定天然記念物『連取のマツ』。地域の人々とともに後世に引き継ぐ圧巻のマツの木!【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

連取のマツ

更新日: 2026年04月16日

大型ショッピングモールや飲食店などが立ち並ぶ賑やかな街「伊勢崎市連取町」。大通りから一歩奥に入ると静かな住宅地が広がります。そんな住宅街の一角に県指定天然記念物の「マツの木」があることはご存じでしょうか? 今回はその「マツの木」をご紹介します。伊勢崎駅からは車で約13分、群馬県道24号高崎伊勢崎線から少し北に入った場所にあります。

群馬県指定天然記念物『連取のマツ』の歴史を紐解く!

群馬県指定天然記念物『連取のマツ』の歴史

<菅原神社鳥居と連取のマツ>

 

このマツは、江戸時代の享保2年(1717年)、連取村を支配した旗本駒井氏の家臣にかわって村を治めた飯島一覚が、隣村の韮塚村の諏訪の原にあったものを「天満宮」の社前に植え替えられたと伝えられている「クロマツ」です。「天満宮」は、中屋敷の飯玉神社と末社および林根の白山神社と末社が合祀され、「菅原神社」となりました。嘉永4年(1851年)には現在の社殿が建立され、鮮やかな朱塗りの社殿と雄大なマツの木のコントラストは、訪れる人の目を惹きつけます。

 

<菅原神社社殿>

菅笠のような形から「笠松」と呼ばれ地元の人たちから親しまれている群馬県指定天然記念物

笠松

なんといってもその特徴は、大きさと形です。鳥居と社殿の間にあるマツの大きさは、樹高約5m、幹周約4m、枝張りは東西約35m、南北約26m。繁茂面積日本一の東京善養寺の『影向(ようごう)マツ』にも匹敵するほどの大きさなのです。江戸時代から比べてみると高さや幹周りは倍近くあるものの、枝張りはその後の手入れでやや小ぶりになったのだそう。それでも実際にマツを目の前にすると、マツの木がこんなに大きく立派に育つものなのかと、ただただ圧倒されます。さっそく鳥居から拝殿まで進んでみます。大きく伸びた枝は「マツのトンネル」のような形になり、その中を少しずつ進んで行きます。

 

<参道入り口>

日の光が差し込むマツのトンネルをくぐり、ゆっくりと参道を歩きます

日の光が差し込むマツのトンネル

<圧巻の幹!>

 

鳥居から拝殿までの距離約30m。歩みを進めていくと、マツの枝が下の方にも伸びているため、途中から腰をかがめ頭を低くしないと進めません。この姿は、人や物事に対し深い敬意と畏怖の感情を抱く、まさに「畏敬(いけい)の念」を抱く形になります。目の前に迫る大きなウロコの様な木肌を成したマツは、まるで横たわる「巨大な龍」そのものに見え、神社を護る神のよう。密かなパワースポットと言われていることにも納得です。

『マツこしらえ』にはたくさんの人達が参加し伝統を守ります

マツこしらえ

   しっかりと結ばれたマツの枝

毎年10月には、地域の人たちにより松の手入れを行うのが恒例となっています。この地域の区長の飯島さんに話をうかがうと、「松をぐるりと囲むように竹を組み、伸びた枝を支えるんです。竹は時間が経つと痛むので、痛んだ竹を組み替えます。使う竹はだいたい100本くらいですね。このあたりでは昔からマツこしらえと呼んでいますよ。」と。直近の作業時には、地域の人々がたくさん参加したそうです。その中には、中学生や小学生などの参加も多かったそうです。伝統を守り、次世代へ継承するための大切な作業が、しっかりと若い世代へも引き継がれていると感じました。松の枝は青々と元気よく伸び、まるで天を仰いでいるようでした。

    <令和710月の手入れの様子・区長さん提供>

『連取のマツ』とともに隣にある『シンマツ』の存在も光ります!

シンマツ

<大迫力のシンマツの幹!>

 

『連取のマツ』の隣にも立派な松があります。『シンマツ』と呼ばれるこの松は、明治43年(1910年)旧光福寺境内に植えられたものです。連取のマツより小ぶりではありますが、こちらも古く長い歴史があり、じつに115年を過ぎようとしています。シンマツの枝下は広々とした空間が広がり、備え付けの石の椅子に腰かけ空を眺めると、自然のパワーをいただいているような、なんだか不思議な気分になります。時々、近隣の小学校の児童達が遠足でやって来てここでお弁当を広げることもあるのだとか。

 

<菅原神社社殿>

 

地元の人達からは「笠松」や「天神松」と呼ばれ親しまれ大切にされてきた『連取のマツ』。移植から300年以上もの間枯れることなく成長してきたのは、地域の方々のマツを大切に思う気持ちと丁寧な手入れ、そして後世に引き継ぐという強い思いの賜物だと感じました。これからも末長く続く松の歴史を温かく見守りたいですね。ぜひ一度、群馬県指定天然記念物の『連取のマツ』を見に行ってみませんか。

インフォメーション

群馬県指定天然記念物 連取のマツ

 

住所:群馬県伊勢崎市連取町591

駐車場:有

問合せ:伊勢崎市教育委員会 文化財保護課

電話:0270-75-6672

 

HPhttps://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/kyoikubu/hogo/bunkazaihogo/shitei/tennen/3089.html

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春野こむぎ

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