たくみの里で幻想ライトアップ!「かがよふあかり 竹灯籠」【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
アクセス良好!たくみの里・熊野神社へ
<幻想世界を体感できる熊野神社>
会場となるのは、みなかみ町の人気スポット「たくみの里」の中心に鎮座する熊野神社。源頼義が戦勝祈願のために建立したと伝えられる、由緒ある歴史的な場所です。伝統工芸や里山体験が楽しめる「たくみの里」の中でも、ここは特に凛とした空気が流れる場所。その静かな境内が、竹灯籠の幻想的な光に包まれ、夜はいっそう特別な空間へと変わります。
こちらの神社までは、関越自動車道「月夜野IC」から車で約15分と、自家用車でのアクセスが大変便利です。公共交通機関をご利用の場合は、JR上越新幹線「上毛高原駅」またはJR上越線「後閑駅」から、タクシーや路線バスで約15分で到着します。
なお、熊野神社に専用駐車場はないため、周辺の公共駐車場を利用しましょう。冬の群馬は路面が凍結しやすいため、スタッドレスタイヤやチェーンの備え、そして万全の防寒対策を忘れずに。
筆者が実際に訪れて感じた魅力は、関東近郊から日帰りで気軽に行ける距離感です。雪の夜でも道はきれいに整備されており、安心して向かうことができました。早めに到着して、地元の美味しいグルメを堪能してから、17:30の点灯を待つのがおすすめのコースです。
福田由里さん、みんなで灯す冬の優しい光
このイベントを主宰するのは、たくみの里で「七宝焼きの家」を営む福田由里さん。七宝焼き職人として長年活躍しながら、竹灯籠のデザインと制作の中心を担っています。「みなかみ芸術の明かり竹灯籠委員会」の会長でもあり、竹林の放置や整備問題に危機感をもち、地域活性化につなげようと始めた取り組みは今年で7年目。コロナ前から続くこのプロジェクトには、福田さんの温かな人柄と地域愛が詰まっています。
取材で福田さんに直接伺ったところ、「どの地域でも竹の管理が課題となっていて、かつては様々な用途に使われていましたが、今や『邪魔者』という扱い。そんな竹を活用して、オフシーズンである冬に地域の方々と一緒に何か新しいことができないか」という想いからこの活動が始まったそうです。

<地域の思いを竹に刻む福田さん。かがよふあかりの光は、みんなの協力から生まれます>
筆者は、このイベントは「竹害」という里山の課題を前向きに変え、オフシーズンを「みんなで灯す時間」にしているのだと感じました。取材で伺った福田さんの言葉が、竹灯籠の優しい光のように、心にじんわりと染みてきました。
みなかみ産の手作り竹灯籠、見どころは?
<今年作った本殿前やフレームの新作に注目>
今年の見どころは、本殿前に飾られた竹灯籠。四角フレーム2つと三角が重なったフレームは、今年新たに作り直した力作です。これらはフリースクールの子どもたちと地域の大人の方々が一生懸命穴あけをしてくれ、みんなで協力して設置したものです。福田さんも「みんなの頑張りが詰まった、ここを一番見てほしい!」と熱く語ってくださいました。

<本殿前の新作に注目が集まります>
使用している竹はすべて地元みなかみ産の3種類。太くて肉厚なモウソウチク(孟宗竹)を大きな灯籠の本体に、柔らかくて加工しやすいマダケ(真竹)を細工部分に、細くてしなやかなシノダケ(篠竹)を四角フレームや繊細なデザインに使い分けています。それぞれの竹の特性を活かして作られているのが理解できました。
デザインを担当するのは福田さん。自らドリルを握り、地域の方々と手を取り合って穴あけや設置作業を進めています。竹を切るのは、11月や12月の「新月の日」。福祉作業所の皆さんの手によって丁寧に磨かれ、ようやくひとつの「作品」としての命が吹き込まれます。そうして完成した竹灯籠にLEDの火が灯ると、夜の静寂の中に、幻想的な幾何学模様や可憐な草花が浮かび上がります。無数の穴からあふれ出す柔らかい光は、寒い冬の里山を優しく包み込み、見る人の心をそっと癒してくれます。

<新作の四角いフレームが優しい光を放ちます。(スターフィルターで撮影)>
世代を超えて響き合う心
<竹まりを制作する為に竹を割っている様子。 写真提供:福田様>
今回の取材で、福田さんが「楽しかった!」と語ってくれたエピソードがあります。それは「竹をやっていなかったら、きっと繋がらなかったであろう年代の人たちが集まって交流できたこと」。
下は小学3年生の9歳から、上は70代まで。地域の「おじいちゃん・おばあちゃん」と、フリースクールの子どもたちが、一本の竹を囲んで作業に没頭する。普段の生活では交わることのない世代が、竹を通じていつの間にか笑顔で言葉を交わしている。そんな奇跡のような光景が、そこにはありました。

<子供たちが真剣に穴開けをする様子。 写真提供:福田様>

<世代を超えた絆が広がります。 写真提供:福田様>
福祉作業所やフリースクールの子どもたち、そして地域住民が、共に切り、磨き、穴を開ける。竹灯籠のひとつひとつの光には、そんな多世代の思いが込められています。竹林問題を解決しながら、冬の里山に新しい命を吹き込む。この取り組みは、単なるイベントを超えた「地域の絆」そのものでした。
実際に激写! 幻想ライトアップの撮影ポイント
<筆者おすすめの撮り方と絶景ショット>
筆者は、実際に夕方から夜にかけて変わる時間に訪れ、さまざまな角度から激写してきました。この時間は日没後のマジックアワー(夕暮れの柔らかなグラデーション)から本格的な暗闇へ移る移ろいが美しく、竹灯籠の温かな光が空の青やオレンジと混ざって幻想的な雰囲気を生み出します。
竹灯籠の光は柔らかく繊細なので、接写が特におすすめです。穴あけ模様のディテールや光の漏れ方を近くで捉えると、温かな光のニュアンスや細かな工夫が伝わってきます。三脚を使って長時間露光、ISOを低めに抑えるとクリアに仕上がります。スターフィルターがあれば、光が星のように放射状に輝いてドラマチックになります。

<接写で光の温かさを強調(スマートフォンで撮影)>
一番のお気に入りショットは、竹灯籠の接写。夕方の薄明かりでオレンジの光が模様を浮かび上がらせ、宝石のように輝きます。もう一つは、竹の穴から漏れる光をマクロ風に近づいて撮ったもの。模様の細かさが際立ち、幻想的な世界観が凝縮されます。

<竹の穴から漏れる光のクローズアップ(スマートフォンで撮影)>
一眼レフでじっくり撮るのも楽しいですが、スマホでも夜景モードを使えば十分綺麗に撮れますよ! 手持ちでも安定した写真が取れる機種が増えているので、三脚がなくても気軽にチャレンジできます。マジックアワーの薄明かりだと柔らかなグラデーションが美しく、真っ暗になると竹の灯りだけが浮かび上がり、ファンタジー世界に浸れます。
また、きらびやかに光る手水舎は一眼レフで撮影しました。竹灯籠の優しい光が石の表面に反射して、静かで神聖な雰囲気がより際立ちます。

<手水舎付近は艶やかな彩りで楽しめました>
神社内に流れる小川の上には、「竹まり」と「ひんめり(多角形フレーム)」も飾られていて、一眼で接写すると光の陰影が美しく浮かび上がり、細かな編み込みのようなデザインがよくわかります。

<神社内の小川に優しく灯る「竹まり」と「ひんめり」>
最後に福田さんからメッセージをいただきました。
「日々皆さんも忙しく、生活する中で色々なことがあると思います。ここではそういうことを少しでも忘れて、ほっと一息つけるような時間を過ごしていただけたら嬉しいです。」
「かがよふあかり 竹灯籠」は、福田由里さんを中心に地域のみんなで作り上げる冬の癒やし。みなかみ産の竹で手作りされた竹灯籠が織りなす幻想ライトアップは、LEDの優しい光で静かな里山の夜を温かく照らし、心にほっとする時間を届けます。アクセスも良く、無料で楽しめるので、群馬の冬をゆったり満喫したい方にぴったり。実際に訪れて、みんなの思いが込められた光に包まれてみませんか?
インフォメーション
たくみの里 熊野神社(かがよふあかり 竹灯籠会場)
住所:群馬県利根郡みなかみ町須川798
問い合わせ電話番号:0278-64-2210(道の駅たくみの里豊楽館)
開催期間:2026年2月17日(火)~3月8日(日)
点灯時間:17:30~21:00
料金:入場無料
アクセス:
(車)関越自動車道「月夜野」IC下車約15分
(電車)JR上毛高原駅よりタクシー約15分
駐車場:なし(周辺公共駐車場利用)
公式Facebook:https://www.facebook.com/taketorominakami
タマル