明治期洋風建築の粋を伝える重要文化財「桐生明治館」【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

桐生明治館

更新日: 2026年03月06日

桐生市にある「桐生明治館」は、明治11年に建てられた擬洋風建築の重要文化財。洋風のベランダやバルコニーに対し、瓦屋根や紙張りの内壁が独特の魅力を放ちます。1階の喫茶室では、蓄音機の音色に浸りながら、コーヒーやアップルパイを味わうこともできます。

明治初期の擬洋風建築として国の重要文化財に指定

桐生明治館

<桐生明治館>

 

「桐生明治館」の歴史から簡単に紹介します。

 

もともと、この建物は明治11(1878)年に「群馬県衛生所兼医学校」として、現在の前橋市大手町に建てられました。しかし、衛生所は建物ができた翌年の明治12(1879)年に廃止。医学校も財政難などの理由により、明治14(1881)年に閉校となります。

 

その後は、県立の女子学校や群馬県農会の事務所として使用されます。昭和3(1928)年には、当時の山田郡相生村が村役場の建物として買い取り、現在地へ移築しました。昭和29(1954)年、相生村が桐生市に合併したあとは、桐生市役所相生出張所、相生公民館として使用されました。

 

そして、昭和511976)年、明治初期の擬洋風建築としての価値を認められ、国の重要文化財に指定されます。それを受けて大規模な保存修復工事が行われ、創建当時の姿に復元されました。現在は一般公開され、桐生市の人気の観光スポットのひとつになっています。

洋風なのに瓦屋根!人力車やオルガンなどの展示物も必見

洋風なのに瓦屋根

<建物は「コ」の字型>

 

館内は写真撮影OK(建物保護のため、三脚、照明器具、大型のジンバル等の持ち込みは禁止)。至るところに映えスポットがあります。

 

<洋風なのに瓦屋根>

 

この建物の「擬洋風建築」とは、日本の職人が西洋の建築物を見よう見まねで作った建築スタイルのことです。ぱっと見るとベランダやバルコニーがあって洋風なのに、屋根には日本の伝統的な瓦が使用されていたりします。また、内部の壁と天井がすべて紙張りになっているのも大きな特徴です。

 

1階の展示室>

 

1階の展示室には、明治時代の家具、人力車、オルガン、ピアノなどが展示されています。家具は宮内庁や公家などで使われていたスタイルのものです。

 

<明治時代の人力車>

 

<明治時代のミシン>

 

<周ピアノ>

 

「周ピアノ」は、明治末期から昭和戦前期にかけて横浜中華街で製造された国産ピアノです。わずか20台程度しか現存が確認されていないため、「幻のピアノ」とも呼ばれています。ここに展示されているのは、そのうちの1台です。

 

2階の貴賓室>

 

2階の中央には貴賓室があります。創建当初の雰囲気にするため、家具は明治10年代のものを参考に製作。赤い椅子は大正、昭和天皇がお座りになられたものです。

 

<2階の展示室>

2階にも展示室があり、同館の職員の方々が撮影した写真や絵画が展示されています。

 

<館長の小林秀夫さん作の絵画>

蓄音機の音色に包まれながらアップルパイを味わう

1階の喫茶室

1階の喫茶室>

 

1階には喫茶室もあります。いちばん人気の「アップルパイ(税込350円)」と「ホットコーヒー(税込300円)」をいただきました。

 

<アップルパイとホットコーヒー>

 

アップルパイはりんごのシャキシャキ感とシナモンの風味がとてもよく合っています。コーヒーとの相性も抜群です。

 

<ペーパーランチョンマット>

 

配膳に使うペーパーランチョンマットは、鉛筆画家・谷安法さんが描いた桐生明治館を絵柄にしています。お持ち帰りもできます。

 

<蓄音機>

 

喫茶室の片隅に置かれた蓄音機は、今も現役で活躍中。クラシック、ジャズ、歌謡曲などたくさんの曲目の中から好きな曲を選んでかけてもらうこともできます。窓からたっぷり日が差し込む明治レトロな喫茶室で、蓄音機から奏でられる、素朴で温かみのある音に耳を傾けていると、明治時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。

 

また、この喫茶室ではフルート、電子ピアノ、大正琴などの生演奏も行なっています。日程などの詳細については、明治桐生館のホームページで確認できます。

冬の夕暮れのライトアップで幻想的な姿に

ライトアップされた桐生明治館

<ライトアップされた桐生明治館>

 

日が暮れるとライトアップされ、幻想的な姿になります。ただし、桐生明治館の開館時間は午後5時まで。そのため、この姿が見られるのは、12月の日没が早い時期の午後4時半頃から午後5時までの、わずか30分程度だけです。

 

<ガス灯もライトアップ>

 

桐生市は、喫茶店や雑貨店が入ったレトロな建物が点在するノスタルジックな街。ぶらぶら散策するだけでも楽しめます。そんな街歩きの途中で桐生明治館に立ち寄れば、明治の空気にどっぷり浸れます。1階の喫茶室を休憩スポットに使うのもおすすめ。穏やかな時間が流れて、旅がさらに心地よいものになります。

インフォメーション

桐生明治館

 

住所:群馬県桐生市相生町2-414-6

電話:0277-52-3445

開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月28日から1月4日まで)、他にも休館日あり(ホームページでご確認ください)

観覧料:大人(高校生以上)150円、小人(小・中学生)50円

    団体30人以上 大人110円、小人35円

 

HPhttps://www.city.kiryu.lg.jp/shisetsu/bunka/meijikan/index.html

小林ていじ様

小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。