2026年 牛伏山展望台で迎える感動の初日の出【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
万葉の時代から愛される牛伏山で新年を迎える
<日中の牛伏山 山頂に展望台が見えます>
古くは『万葉集』にも詠まれた牛伏山は、その名の通り「牛が伏せている姿」に似たなだらかな山容で古来より人々に親しまれてきました。
山頂には、平成2年3月に建てられたお城の形をした展望台がそびえ立っています。この展望台の完成をきっかけに元日のご来光行事が始まり、当初は吉井太鼓の演舞やお茶などが振舞われ賑わっていたそうです。
令和となった現在でも、元日の朝5時から展望台を開放し、地域の人々に初日の出を楽しんでもらう行事として定着しています。
道中:暗闇に高まる期待感
<闇夜に浮かび上がる城郭風の展望台 ここが本日の舞台です>
元日の早朝、車に乗り込んだ時の気温はマイナス1度を指していました。静寂の中、車で牛伏山へと出発です。
吉井インターから数分車を走らせると、暗闇の中で誘導棒を持った警備員の方々が見えました。
すれ違う車もなく不安になっていたので、その丁寧な案内に安心感を覚えます。第2駐車場はすでに満車のようで砂利の臨時駐車場へと誘導されました。警備員さんの誘導で無事に駐車。また第2駐車場には綺麗なトイレが整備されており、厳しい寒さの中では大変ありがたい存在でした。

5時28分、懐中電灯の明かりを頼りに出発。駐車場から展望台に向かって歩き出すと、すぐに完全な暗闇となります。舗装された道は歩きやすいのですが、一歩先も見えない暗闇は、期待と少しの緊張を抱かせます。 最初は凍えるようでしたが坂を登るにつれてうっすらと汗ばみ始め、運動不足の身には息が上がるほどです。ふと足を止めると、眼下には高崎や前橋の夜景が広がっていました。

<登山の疲れを癒してくれる夜景>
山頂:ご来光の瞬間
歩くこと約20分、闇の中からお城の展望台が姿を現しました。入り口には膝丈ほどの小さな門松がちょこんと飾られ、控えめにお正月を祝っています。展望台に踏み入ると1階でストーブを囲んで暖を取る人々の姿が。それを横目に3階の展望デッキへ向かいます。

<展望台の入り口の小さな門松>
3階の展望デッキに上がると、東側には10名ほどの先客が。時折、強風が吹き抜け、その寒さに思わず無言で耐える人々の姿も印象的です。しかし、刻一刻とグラデーションを変えていく東の空の美しさは、そんな寒さを忘れさせてくれます。次第に人も増え始め、皆さんが思い思いの会話を楽しみながら、その時を待ちわびていました。


<静寂の中、全員が東の空一点を見つめる。期待が最高潮に達する時間です>
地平線にたなびく雲の端が赤みを帯び、ゆっくりと太陽が顔を出します。人々が一斉にスマートフォンを掲げます。雲の間から漏れ出した日差しは想像以上に眩しく、辺り一面を黄金色に染め上げていきました。


<2026年最初の光 雲の間から溢れ出す黄金の輝き>

スマートフォンを構える人々の顔にも、力強い日の光がまっすぐに当たっています。日の光を受けた私の顔もとても暖かく感じました。ご来光と記念写真を撮る人、新年の会話に花を咲かせる人など、思い思いの時間を楽しんでいます。また眼下に目を向けると、ご来光は高崎や前橋の街並みをも照らし出していました。
日が昇り、辺りが明るくなると、展望台からは息を呑むような大パノラマが広がります。そこには、東西南北にそびえる名峰たちの姿があります。
北には雄大な赤城山、榛名山。天候によっては西には荒々しい岩肌を見せる妙義山と雪化粧の浅間山、南には秩父連山を望み、東には筑波山まで見えるのだそうです。

<陽が昇り 群馬の名峰たちがその姿を現しました>
実用ガイド:駐車場・アクセス・注意点
<厳しい寒さの中 凛と咲く冬桜>
牛伏山で初日の出を楽しむためのポイントをまとめました。
アクセスと駐車場: 上信越自動車道「吉井IC」から車で約15分。初日の出当日は山頂展望台駐車場は進入禁止となり、第2駐車場の利用し、徒歩で展望台へ向かうことになります。さらに5時過ぎには第2駐車場が満車になることもあるため、早めの到着が必須です。
必需品:
登山道は舗装されていますが、街灯がほとんどありません。「懐中電灯」や「ヘッドライト」は絶対の必需品です。
服装:
山頂の展望台は遮るものがなく、強風が吹き抜けます。氷点下での待機となるため、防寒対策(カイロ、手袋、耳当てなど)をお勧めします。
万葉の時代から変わらずこの地にそびえ、時代の移り変わりを見守ってきた牛伏山。厳しい寒さに耐え、目にしたご来光は一年の始まりに相応しい景色でした。
また牛伏山の魅力は、この初日の出だけではありません。帰り道には、寒風の中で可憐に咲く「冬桜」を見つけました。
春になれば林道をピンク色に染める「千本桜」、梅雨の時期には「紫陽花」。早くも四季折々の牛伏山に思いを馳せてしまいました。
元日でなくても、牛伏山には雄大な360度の大パノラマが待っています。季節が移り変わるたび、この歴史ある牛伏山の頂をまた訪れてみたいと思います。
インフォメーション
牛伏山 山頂展望台
住所:群馬県高崎市吉井町多比良
営業時間:門扉 3月~10月 9:00~17:00、11月~2月 9:00~16:00
元日に限り:17:00より門扉
村岡正章