『イニD』の聖地巡礼 後編(妙義山・碓氷峠) – 『頭文字D』の世界をのぞいてみる −【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

『イニD』の聖地巡礼

更新日: 2025年12月19日

『頭文字 D(通称、イニD)』は、上毛三山や碓氷峠など群馬県をメインステージとする走り屋の世界を描いた漫画ですが、連載から30年が経った今でも、そのステージを訪れるファンが後を立ちません。

 

今回は、前回の榛名山と赤城山に続いて、漫画内にでてくる妙義山と碓氷峠の主だった場所を巡ってみました。

妙義の谷は深いぜ(第7巻39ページ) − 妙義山 −

妙義山市営第二駐車場

<スタート地点に近い妙義山市営第二駐車場>

 

妙義山は高橋兄弟の弟である啓介が軽量コンパクトなロータリー13Bを搭載したアンフィニRX-7(FD3S型)で、大きく重たいRB26を載せたニッサン スカイラインGT-R(BNR32型)を破ったステージです。このバトルのスタート地点(第7巻57ページ)は、道の駅みょうぎがある妙義山市営第二駐車場の周辺です。

 

ゴール地点には、県立妙義公園第一駐車場(第732ページ)に駐車して、そのあたりまで行ってみました。ここにある中之嶽神社には日本一の大きい金色の大黒様があり、金運向上のパワースポットとのことです。興味があれば参拝してみてください。

 

<霧に霞む中之嶽神社>

オレは・・横川のかまめし屋の看板の下で天使に会ってしまった(第5巻156ページ) − 碓氷峠 –

巡礼者の多くが撮影する駐車場

<巡礼者の多くが撮影する駐車場>

 

碓氷峠の旧道がサイクルイベントにより通行止めとなっていたために日を改めて碓氷峠を訪れました。

 

ここ碓氷峠のコースは主人公の藤原拓海がハチロク(トヨタ スプリンタートレノAE86型)で先輩が思いを寄せる天使のような女性のシルエイティ(ニッサン シルビアS13型のフロント周りを移植した同180SX)とバトルした場所です。今回の碓氷峠の巡礼では、荻野屋横川店の前を通過して旧道を上りました。ストーリーから考えると旧道を下るのが本筋ですが、上る場合には立ち寄る聖地の駐車場が進行方向の左側となるので、撮影しながら上り、雰囲気を楽しみつつ下ってきました。

「荻野屋横川店」は、拓海の先輩が天使に会った場所です(第5巻142ページ)。訪れた当日はドリフトドライバーの下田紗弥加選手のインパクトブルー・シルエイティ サヤカSPと拓海のハチロクである藤原とうふ店のパンダトレノのレプリカが置かれていて、多くの巡礼者が訪れていました。

 

旧道を上っていくと、1993年に国の重要文化財に指定された碓氷第三橋梁、通称「めがね橋」が突然目に入ってきます(第5138ページ)。一旦「めがね橋」を通りすぎ、めがね橋駐車場に駐車した後に300mほど徒歩で戻り、「めがね橋」を巡礼してきました。なお、めがね橋には横川駅から旧熊ノ平駅までの遊歩道であるアプトの道が通っていて、めがね橋の上から周囲を眺めることができます。

 

<不意に現れるめがね橋>

 

旧道をさらに上がると「紗弥加コーナー」があります。『イニD』に影響を受けたドリフトドライバーの下田紗弥加選手の名前が冠されたカーブです。熊ノ平駐車場にクルマをとめて巡礼しました。

 

<紗弥加コーナーと命名された旧道のC83

 

碓氷峠コースのスタートは「碓氷峠」の長野県側の入り口です(第663)。旧道を軽井沢方面に300mほど下ったチェーンの脱着場に駐車して、巡礼しました。旧道は急なカーブが多く見通しも良くないので、路肩に駐車するのは危険です。駐車場の利用がオススメです。

 

<碓氷峠の旧道の長野県側入口からスタート>

今回の立ち寄りスポット

荻野屋の「峠の釜めし」と「峠の親子めし」

<荻野屋の「峠の釜めし」()と「峠の親子めし」(後)>

 

「荻野屋横川店」の駐車場は聖地となっているので、多くの方が訪れています。駐車場で撮影したので、駐車場を撮影させていただいたお礼に峠の釜めしと峠の親子めしをいただきました。最も有名な駅弁の一つとして知られる峠の釜めしですが、『イニD』とコラボレーションするなど、限定で多くのバリエーションがあるので、それを食べるのも楽しそうです。また、店内には、ドリフトドライバーである下田紗弥加選手をイメージしたSAYACAFEがありますが、残念ながら営業前でした。次に訪れた際にはアイスブルーフロートを楽しみたいと思いました。また、種類によりクリームの巻き方を変えているソフトクリームもオススメだそうです。

 

<シックな雰囲気のカフェ>

 

<ぜひ食べたいアイスブルーフロート>

 

道の駅しもにた内にある「神津牧場ミルクバー」では、神津牧場と同じジャージー乳のソフトクリームが食べられます。神津牧場は、道の駅しもにたから40分ほどかかり、さらに冬季にはソフトクリームを販売していないので、ここで神津牧場と同じソフトクリームが食べられるのはありがたいです。また、モカとミックスのフレーバーは神津牧場では食べられません。濃厚なジャージ乳を使ったソフトクリーム、美味しいです。ぜひ食べてみてください。

 

<ミルクバーがある道の駅 しもにた>

 

<ソフトクリームはバニラ(左)とミックス(右)をチョイス>

 

聖地巡礼を楽しんだ後には、家族のご機嫌のために「甘楽菓子工房こまつや」でお土産を購入しました。ここでは、マツダ サバンナRX-7FC型)を2台乗り継ぎ、今はスバル インプレッサWRXGRB型)を駆る店長さんが心を込めてお菓子を作っています。厳選したレモンチョコをかけたレモンケーキは年間15万個を作っているとのことです。またアーモンドチョコがけのアーモンドケーキも人気だそうです。私は欲望に忠実に両方とも購入しました。

 

<年に15万個を作るレモンケーキ>

 

<店頭で想いを込めたケーキを手にする4代目店長>

今回も『イニD』ファンの高橋さんに案内してもらいました

高橋さん

<「空でも飛ぶんか?」と言われそうな羽もお気に入り>

 

『イニD』は連載開始から今年で30年が経ち、今回の案内人である高橋悠太さんは記念イベントである「頭文字D 30th Anniversary 2days」にも参加したそうです。今回の巡礼の感想を高橋さんに伺うと、訪れたことがないスポットに今回行くことができたので新鮮な2日間でした。また、立ち寄りスポットでお会いした方々とは、世代や性別の枠を越え、『イニD』というコンテンツで繋がることができたことに驚き、また感動したとのことでした。今回の巡礼はあいにくの天候だったので、高橋さんは好天の時に再訪したいそうです。高橋さんの『イニD』に対する熱量はまだまだ下がる様子はありません。

 

記事内では、多くの場面で彼と彼の愛車に被写体となってもらいました。感謝いたします。

 

<『頭文字D』の30周年イベントにも参加>

 

多くの場合、聖地巡礼では入念に計画を立てると思います。私もいろいろ考えましたが、他のイベントによる碓氷峠の通行止めは想定外でした。巡礼を考える際には、周辺の情報なども集めて計画を考える必要がありそうです。また、せっかく聖地に行くのですから、現地の食なども楽しんでください。どうぞ聖地巡礼を満喫してください。

インフォメーション

荻野屋 横川店

住所:群馬県安中市松井田町横川297-1

電話:027-395-2431

営業時間:9:00~17:00

 

HP:https://www.oginoya.co.jp

SNS:https://x.com/oginoyaofficial

 

 

神津牧場ミルクバー

 

住所:群馬県甘楽郡下仁田町馬山3766-11 道の駅 しもにた内

電話:0274-67-7040

営業時間:9:00~18:00(不定期で10:00〜17:00)

定休日:毎月第二火曜

 

HP:https://michinoeki-shimonita.com/#shisetu

 

 

甘楽菓子工房 こまつや

 

住所:群馬県甘楽郡甘楽町金井90-3

電話:0274-74-3008

営業時間:平日8:30~19:00、土日祝日8:30~18:30

定休日:火曜

 

HP:https://komatsuya.shop

 

 

参考文献

頭文字D 1~48巻、1995116~2013116日、しげの秀一、講談社、ヤングマガジン講談社コミックス

 

ぐん記者

福田 靖

沼田市でぶどうを栽培しています。妙義山では、昔、知人がニッサン フェアレディZ(CZ32型)で妙義神社に初詣に行った際に、路面が凍っていたのだろうか?スピンにより車体の前後をヒットさせてしまったことがあった。冬季に北毛に限らず、山間部の走行は気をつけたいものです。