東洋のナイアガラ『吹割の滝』へ。夏はマイナスイオン、秋は紅葉の絶景散歩 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

吹割の滝

更新日: 2025年10月31日

東洋のナイアガラと称される「吹割の滝」。観光地としても人気ですが、実際に足を運ぶと、その迫力と自然の息吹に圧倒されます。真夏にはマイナスイオンたっぷりの涼を感じ、秋には紅葉に包まれる絶景に出会える、四季折々の魅力を持った滝です。今回は、一眼カメラを片手に実際に歩きながら感じた体験を交え、吹割の滝の魅力をお伝えします。

吹割の滝とは

吹割の滝

<紅葉の時期は圧巻の景色>

 

昭和11年12月16日、当時の文部省により『天然記念物及び名勝』に指定された吹割の滝。高さ約7メートル、幅約30メートルにわたり、勢いよく落ちて飛び散る水の姿は、まさに「東洋のナイアガラ」と呼ぶにふさわしい迫力です。

その名の由来は、片品川の清流が凝灰岩や花崗岩の川床を浸食し、軟らかい部分に割れ目を作り出す様子が、あたかも巨大な岩が吹き割れたかのように見えることから来ています。悠久の時が作り上げた自然の造形美は、観光地としてだけでなく、写真家の被写体としても魅力的です。

周辺には遊歩道も整備されており、『鱒飛の滝』の壮観な流れや、『獅子岩』『般若岩』といった奇岩群、歴史ある『浮島観音堂』、『浮島橋』や『観瀑台』からの眺望など、渓谷美を彩る見どころが点在しています。

地形と成り立ち

吹割の滝

<上流から見る吹割の滝・吸い込まれそうな感覚に包まれます>

 

吹割の滝は、岩盤の割れ目に水が吸い込まれるように流れる、少し珍しい形の滝です。片品川の清流が長い年月をかけて岩を削り、柔らかい部分を浸食していった結果、巨大な岩が吹き割れたような姿になりました。

近くで見ると、岩肌の模様や水の流れ方に自然の力強さと繊細さを感じます。何万年という時間が作り上げた造形美の前では、ただ立ち尽くして見入ってしまうほど。ここでは、自然そのものがまるでひとつのアート作品のように感じられます。

夏は涼を、秋は彩りを感じる吹割の滝

吹割の滝

<秋の紅葉と虹>

 

夏に訪れると、まず驚くのはその涼しさです。滝から飛び散る水しぶきが天然のミストのように肌を包み、渓谷の朝は日陰になっているため、猛暑日でも快適に歩くことができます。耳に届く滝の轟音は、写真では伝わらない自然の迫力を感じさせてくれます。

秋になると、滝の周囲の木々が赤や黄色に色づき、白い水流とのコントラストがとても印象的です。お昼の光を浴びた紅葉は鮮やかに輝き、水しぶきに小さな虹がかかることもあります。光の入り方や影の出方によって、同じ場所でも全く違う表情を楽しめるのが、この滝の魅力です。

 

実際に歩く 渓谷の遊歩道にて

遊歩道の案内図

 <遊歩道の案内図>

 

吹割の滝を訪れると、滝の周囲をぐるりと巡る遊歩道が整備されており、歩きながら滝や岩壁、渓谷の景観を段階的に楽しむことができます。

遊歩道を進むと、まず「鱒飛の滝」が現れます。かつて鱒がこの滝で遡上を断念したと伝えられ、その名が残ったそうです。さらに歩くと、『般若岩』をはじめとする奇岩群が姿を現し、その迫力に思わず足を止めてシャッターを切りたくなります。

滝に近づくにつれて、上流・下流・観瀑台など、さまざまな角度から吹割の滝を見渡せます。上流側から眺めると、滝つぼに吸い込まれていくような不思議な感覚に包まれます。今回は通行止めのため行けませんでしたが、観瀑台からは滝全体を見下ろすことができ、そのスケールの大きさを実感できるはずです。

また、遊歩道は場所によって道幅が狭くなる箇所もあるため、すれ違う際は譲り合って歩く心配りも大切です。途中には浮島観音堂や浮島橋、吹割橋などの名所も点在しており、散策と景観の両方をゆったりと楽しめるコースになっています。

 

<遊歩道の入り口> 

 

<鱒飛の滝>

 

<般若岩周辺> 

 

<遊歩道は狭い場所もあるので譲り合いが大切です>

 

 

<浮島橋から見た景色>

おすすめの時間帯と注意点

吹割の滝

 

私のおすすめは朝の時間帯とお昼の時間帯です。朝の時間帯は観光客が少なく、柔らかい光が滝や紅葉を照らして、写真としても映えます。

お昼の時間帯になると渓谷に光が入り、時には水飛沫に虹がかかることもあります。

注意点としては、雨の後や増水時には遊歩道が通行止めになる場合があります。滝壺に近づくときも足元が滑りやすいので、歩きやすい靴と慎重な歩行が必要です。安全に配慮しながら撮影すると、自然の迫力を十分に楽しめます。

 

<早朝の吹割の滝>

散策した後は『伽羅苑』へ

伽羅苑

吹割の滝を歩いて堪能したあとは、入口近くにあるドライブイン「伽羅苑(きゃらえん)」でひと休みするのがおすすめです。

駐車場が無料で、遊歩道入口までも徒歩2分とアクセス抜群。吹割観光の拠点として立ち寄る人も多いスポットです。

名物は『吹割りんごの手作りアップルパイ』。利根沼田産りんごを100%使用。私は『吹割りんごのアップルパイPREMIUM』をいただきました。PREMIUMは通常のアップルパイよりもりんごを増量しているそう。たっぷりのりんごでとても美味しかったです。

ほかにも地元の名産を使った料理が味わえるお食事処や、おみやげコーナーも充実。

滝散策の後は伽羅園で地元の味を楽しみながら、お土産を選んでみてはいかがでしょうか?

 

<吹割りんごのアップルパイ>

 

<他にもお土産が充実>

 

<吹割りんごのアップルパイ PREMIUM> 

 

 

<りんごがたっぷりで美味しい>

 

吹割の滝は夏の涼や秋の紅葉と季節ごとに表情を変え、何度でも訪れたくなります。季節や天候によってさまざまな景色が楽しめるので、ぜひ訪れてみてください。

 

インフォメーション

吹割の滝

住所:群馬県沼田市利根町追貝
営業時間:遊歩道は夜間通行止めです。
定休日:例年12月中旬〜3月下旬は冬季閉鎖されます。
料金:無料

 

吹割の滝 伽羅園

住所:群馬県沼田市利根町追貝976
営業時間:8:30〜17:00(冬季は変動あり)
TEL:0278-56-2330
定休日:無休
料金:無料

HP:https://www.fukiware-kyaraen.com/

 

KUBO

KUBO

群馬県生まれの30代。風景写真を撮りながら、群馬の自然や街の魅力を日々再発見しています。写真を通じて、地元の良さを少しでも多くの人に届けていきたいです。