日本のまんなか渋川へそ祭りの魅力 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
日本のへそ!渋川とへそ祭りの魅力
<渋川へそ祭りの会場 新町五差路>
群馬県渋川市は、北海道宗谷岬と鹿児島県佐多岬を結ぶ日本列島の中心に位置し、「日本のまんなか」として知られています。江戸時代に中山道の白井宿を中心に宿場町として栄え、今もその街並みが残っています。また、400年以上の歴史を持つ名湯「伊香保温泉」など温泉地も有し、交通の要衝として歴史を刻みました。
この歴史的な魅力と地理的特徴を背景に誕生したのが「日本のまんなか渋川へそ祭り」。渋川市が日本列島の中心にあることから、「日本のへそ」を活かし地域活性化を目指して昭和59年(1984年)から開催されています。現在は新町五差路周辺を会場とし、おなかに絵を描いて踊る「へそ踊りパレード」がメインのユニークな祭りで、どなたでも飛び入り参加ができます。40年以上の歴史を誇る、この祭りで渋川の活力を伝えます!
次は、そんな祭りを彩る、渋川ならではのマンホールカードをご紹介します。
頭文字DマンホールカードをGET!
マンホールカードは、各地の特色あるマンホール蓋のデザインや由来を紹介する無料のコレクションカードです。旅の記念として全国的に人気があり、指定場所で無料で入手できます。
渋川市は漫画・アニメ『頭文字D』の舞台として知られ、『頭文字D』や「日本のまんなか」をテーマにしたマンホールカードが人気。筆者はJR渋川駅を降り、渋川地区名産品センター(しぶさん)で『頭文字D』のカードをGETしてきました。

<渋川地区名産品センター(しぶさん)>

<筆者はカードとマンホールを重ねて記念撮影>
市内に設置された7つの『頭文字D』専用マンホール蓋は、新劇場版の作画担当・横山愛氏による描き下ろし。渋川駅前プラザで入手したカードは、主人公・藤原拓海と愛車ハチロクが描かれ、ファンにはたまらない一枚となっています。
その後、渋川市中央公民館で「日本の真ん中」をテーマにしたマンホールカードもGET。

<右側が「日本の真ん中」をテーマにしたマンホールカード>
さらに、事前に伊香保ロープウェイ(不如帰駅1階観光案内所)で配布されているカードも入手済みだったため、渋川市で配布中のマンホールカード3つをコンプリートできました!

<左側が伊香保温泉のシンボルである「石段街の風情」をデザインしたカード。現在配布中のマンホールカードを3つコンプリートしました。>
会場近くでマンホールを撮影しながら散策する人もおり、渋川の「へそ」と『頭文字D』のドリフト文化が融合したユニークな体験が楽しめました。祭りの活気とリンクし、若者から家族連れまで、渋川の魅力を満喫できますよ!
この活気ある祭りには、歴史ある「へそ」の伝説も彩りを添えます。
へそ石の伝説とへそ地蔵の魅力
<日本のまんなか。「へそ石」伝説のスポット>
渋川の「日本のへそ」文化を象徴するのが、寄居町会館の道路沿いにある「へそ石」「へそ地蔵」、そして「日本のへそ中心標」です。
「へそ石」伝説は主に群馬県渋川市に伝わる伝説で、征夷大将軍の坂上田村麻呂が遠征から帰る途中で、この地を日本の中心、すなわち「日本のへそ」と定め、へそに似た石を見つけて「へそ石」と名付けたことに由来します。この伝説は「日本のまんなか渋川へそ祭り」の由来でもあり、地域に根ざした信仰の象徴となっています。

<日本のへそを象徴! 坂上田村麻呂が名付けた伝説のへそ石>
そばに立つへそ地蔵は、お腹に大きなへそがあり、なでると健康や縁結びのご利益があると言われ、昭和59年(1984年)のへそ祭り開催時に建立されました。

<健康と縁結びのご利益! 愛されるへそ地蔵の微笑み>
日本のへそ中心標は、渋川市が北海道宗谷岬と鹿児島県佐多岬を結ぶ地理的中心であることを示すモニュメントです。

<日本列島の中心を誇るモニュメント! 渋川のへそ文化を体感>
また、2019年には「ぐんまちゃんパネル」も登場し、親しみやすさを添えています。

<ぐんまちゃんがへそ祭りを楽しく応援してくれます>
へそ祭り当日は、観光客がぐんまちゃんパネルで記念撮影を楽しみ、へそ石とへそ地蔵に触れて祈願をしていました。この伝説を体感した後は、祭りのハイライト「へそ踊りパレード」が待っています。
はら絵が彩る!へそ踊りパレード
渋川の「日本のへそ」文化を体感した後、このお祭りの特徴である「へそ踊りパレード」が新町五差路で始まると、沿道は観客で大賑わい! へそ音頭は「腹出せヨイヨイ、へそ出せヨイヨイ」の掛け声で、参加者がお腹を出して軽快に踊ります。

<へそ踊りパレード前の様子>

<お腹に「はら絵」を描き、ユニークな顔が並びます>
へそ祭りに参加するメンバーは、お腹に「はら絵」を描いて参加。「はら絵」は、へそ祭りで踊り手のお腹に描かれる顔のことです。中でも、アニメキャラクターや歌舞伎役者の顔、大きく可愛い顔やベロを出す愛嬌ある絵など様々で、へそを口に見立てた奥深いデザインに筆者は感心しました。
へそ音頭に合わせ、左右にステップを踏み、足を上げて練り歩きます。その動きが、はら絵を弾ませるようなユニークな踊りで見ていて楽しい気分になります。

<「へそ祭り!ソレ!へそ祭り!」の掛け声と共に左右のステップを踏みます>

<後半になると、汗ではら絵がにじんできました>
また、メンバーの大きな笠は顔と両腕をすっぽり隠し、ユーモアを添えます。

<一同に笠を持つ動きが、へそ祭りの美しさを引き立てます>

<汗ではら絵が色落ちしても、踊り手の揃った動きがパレードを輝かせてくれました>
筆者は初めて見たパレードの活気にワクワクし、揃った動きとはら絵の魅力に魅せられてシャッターを切り続けました。

<後ろから見た、笠を上げる動作もお気に入りです>
2025年のパレードでは、渋川市職員共済会がへそ踊りの部で見事優勝! 観客の拍手喝采の中、彼らの団結力が輝き、渋川の誇りを高らかに示しました。

<へそ踊りの部 優勝は渋川市職員共済会。はら絵もなんだか嬉しそうに見えました>
地域の絆と「日本のへそ」の魂が響き合う瞬間は、忘れられない感動を届けてくれました。この賑わいの締めくくりは、雷太鼓の迫力ある演舞です。
渋川雷太鼓の迫力ある演舞
渋川へそ祭りのフィナーレを飾るのは、渋川雷太鼓の迫力ある演奏です。へそ踊りパレードに先立ち、雷太鼓ジュニアが事前に演奏を披露。初舞台への情熱が伝わるリズムに、筆者は未来の渋川を担う若者の活気に感動しました。

<ジュニアは初参加でしたが、圧巻のパフォーマンスで魅了>
渋川へそ踊りパレードが終わると、渋川雷太鼓のメンバーが新町五差路に登場し、雷鳴のような響きで最高のパフォーマンスを見せてくれました。約30分の演舞で観客の心をつかみます。

<渋川雷太鼓の演舞が始まると、観客が集まってきます>

<へそ祭りを締める迫力の演舞>

<雷鳴のようなリズムで太鼓を叩きます>

<ダンスを取り入れた新曲を披露。大人チームも笑顔でした>
渋川雷太鼓代表の加藤さんによりますと、「結成から30年余、初年度からへそ祭りでずっと演奏してきました。今年はジュニアが初めて参加し、大人チームもダンスを取り入れた新曲を披露しました。観客にぐるっと囲まれ、近くで声援を受けながらの演奏は毎年とても楽しみにしている演奏機会で、本当に気合いが入るお祭りです」と語ります。
渋川雷太鼓は太鼓でふるさと渋川を表現し、渋川の魅力を紹介することを活動理念としており、「これからも楽しく元気に太鼓を叩き、渋川を全国にアピールしたい」と加藤さんは意気込みます。

<観客がスマートフォンで撮影する様子>

<篠笛(しのぶえ)が会場に響きます>
地元の学校や地域のメンバーが中心となり、ジュニア育成にも力を入れています。はら踊りのユーモアから一転、雷太鼓のダイナミックな演舞が祭りの余韻を力強く締めくくりました。子供から大人まで拍手喝采のなか、ジュニアとメインの演奏が渋川の伝統と未来をつなぎ、へそ祭りの魂を体現します。
「日本のまんなか渋川へそ祭り」は、はら絵を揺らすへそ踊りパレードと雷太鼓の響きで最高に盛り上がりました! 渋川市職員共済会の優勝に胸が熱くなり、へそ石伝説で渋川の歴史にも触れることができました。来年はあなたも渋川の「日本のへそ」を楽しんでください!
インフォメーション
日本のまんなか渋川へそ祭り
渋川へそ祭り実行委員会事務局(渋川商工会議所内)
電話:0279-25-1311
渋川市産業観光部観光課
電話:0279-22-2873(直通)
開催日:令和6年、令和7年は9月初旬に開催
HP:https://www.city.shibukawa.lg.jp/kankou/
SNS:https://x.com/shibukawashi_jp
タマル