暑い夏に涼を求めて|豊かな緑と名瀑を間近に感じる「船尾滝」お散歩コース 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

船尾滝

更新日: 2025年10月10日

毎日暑い!ここ数年の長くて暑い夏に疲れたら、心地よい自然の涼を求めておでかけしませんか?吉岡町の船尾自然公園にある船尾滝は、落差72メートルを誇る群馬県内屈指の名瀑です。

登山装備不要、歩きやすい服装なら気軽にアクセスできる場所ながら、まるで別世界のような静寂と涼しさが待っています。

もとは「不入(ふにゅう)滝」とも呼ばれた神聖な場所「船尾滝」

船尾滝

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

船尾滝は吉岡町の指定文化財にも指定されている名勝で、その落差は約72メートル。滝口から白布を垂らしたような軌跡で流れ落ちる姿は雄大で、独特の風情があります。

「山の中なのに船?」と興味深いのが滝の名前の由来です。昔、この一帯は入山を許されない神聖な場所だったとされ、「不入(ふにゅう)滝」という名がいつしか変化して「船尾滝(ふなおたき)」になったと言われています。

神聖な場所だったという歴史を知ると、より一層特別な気持ちで滝を眺められそうです。

散策の際は案内看板近くの駐車場まで車で行くと便利

船尾滝(入り口)

<林道の入り口にある船尾滝への案内看板 Photo by Masaaki Muraoka>

 

今回私は車で県道・水沢足門線を進み、上ノ原浄水場の角を曲がって約650m進んだところにある、公衆トイレが設置された船尾滝専用の駐車場を目指しました。駐車場は無料で、普通車なら5〜6台程度停められます。

そこからさらに500mほど歩いて、船尾滝への案内看板がある場所へ。ところが到着してみると、案内板の向かいにも駐車場があることを発見!

 

<案内板から道路を挟んですぐ向かいのスペースが駐車場でした Photo by Masaaki Muraoka>

 

この日は30℃を超える猛暑日だったので、ここに停めても良かったな…。船尾滝周辺の駐車場の案内は、吉岡町のホームページで公開されている「船尾滝リーフレット」に載っています。やはり事前のリサーチは大切ですね。

遊歩道を通る道のりは約45分の森林浴コース

船尾滝(遊歩道)

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

駐車場から船尾滝まで行く方法は、実は2通り。船尾滝の案内看板から進む林道と、向かいの駐車場の奥から伸びる遊歩道を歩いていく方法です。

 

<案内看板がある林道のルートはグレー、遊歩道は赤の線で案内されています Photo by Masaaki Muraoka>

 

林道を進めば約30分で船尾滝に到着するのですが、少し時間がかかるものの、木々の生い茂る遊歩道を進むことにしました。緑豊かな森の中を縫うように続く道が続き、木々が作る天然の日陰のおかげで真夏でも涼しく歩けます。

この日の気温は私の住む高崎市が35℃、遊歩道周辺は個人的な体感で26℃程度でしょうか?

遊歩道はある程度歩きやすく整備されていますが、足元は多少でこぼこしているため、歩きやすいスニーカーなどがおすすめです。私は防水スニーカーに撥水加工のパンツ、半袖の下に速乾性のある長袖のインナーウェアを着用しました。これで気温の変化も、虫対策もバッチリです!

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

約45分の道中では、さまざまな植物や野鳥の声など日常生活では味わえない豊かな自然を満喫でき、歩いているだけでリフレッシュできました。

 

<船尾滝目指して、緑の中を一生懸命歩きます Photo by Masaaki Muraoka>

船尾滝周辺では船尾像・静思像との美しい景観も楽しんで

船尾滝

<遊歩道から見える船尾滝の上部。落差72mだけあり、かなり高いところから流れ落ちています Photo by Masaaki Muraoka>

 

スタートから約40分、ついに船尾滝の姿が見えてきました!写真や動画で何度かその姿を見てきましたが、実物は想像の数倍は大きく、自然の雄大さをあらためて感じさせられます。

現在は落石の危険性があるため滝のそばまで近づくことはできませんが、新緑と白布のような船尾滝の鮮やかな景観を楽しむことができました。

 

<Photo by Masaaki Muraoka>

 

また、船尾滝の近くには、「船尾像」と「静思像」という2体の像が静かに佇んでいます。滝の音を背景に、穏やかな表情を浮かべる二像を見ていると、心が自然と落ち着いてきます。

 

<船尾像 Photo by Masaaki Muraoka>

 

<静思像 Photo by Masaaki Muraoka>

 

雄大な船尾滝と船尾像・静思像、そして豊かな緑が作り出すこの場所は、日頃のストレスや疲れを忘れてゆっくりと過ごせるまさに神聖な空間です。

伊香保温泉や水澤エリアへのアクセスも抜群!秋の紅葉と楽しんでも

船尾滝(紅葉)

<画像提供:吉岡町>

 

船尾滝を満喫した後は、近隣の観光スポットも合わせて楽しむのもおすすめです。群馬県を代表する温泉地「伊香保温泉」が車で約15分の距離にあるので、滝で涼んだ後に温泉で体を温めるという、贅沢なコースも可能です。

また、「水沢うどん街道」も車で約10分の距離。船尾滝での散策でお腹が空いたら、ツルツルとした喉越しの水沢うどんで腹ごしらえできます。

船尾滝は秋の紅葉も美しいので、季節を変えて訪れるのもおすすめです。

自然・温泉・グルメと三拍子そろった船尾滝周辺エリアで、群馬の魅力を存分に堪能する一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

<画像提供:吉岡町>

 

船尾滝は、暑い夏に自然の涼を求める人にぴったりのスポット。林道もしくは遊歩道を30〜45分程度歩くだけで、日常では味わえない静寂と涼しさに出会えます。

かつて神聖な場所として知られた雄大な自然に囲まれながら、心も体もリフレッシュしてみませんか。

 

インフォメーション

船尾滝

住所:群馬県北群馬郡吉岡町上野田

望月優衣

望月優衣

渋川市出身・高崎市在住のフリーライター。群馬県内の取材・インタビューを中心に、文章を仕事に楽しく生活しています。趣味は街歩きや美術館めぐり、ノープランの旅行です。