安中市の廃線跡でナイトウォーク!光と音が織りなす感動体験 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

“観光”と“暮らし”を共存させる
<安中市観光機構の上原さん(右)>
安中市観光機構が企画し、市民の皆さんと行ったワークショップで、「廃線ウォーク」の案は挙がりました。1997年まで走行し、104年の歴史を持つ、信越本線横川ー軽井沢区間、通称碓氷線の廃線跡をどうするか。市民の皆さんも課題意識を持っていました。草刈りから始まり、まず、昼間に行う歩行距離10キロの廃線ウォークが企画されました。そして、短い距離をお子さんにも楽しんでほしいことから、このナイトウォークが行われました。「観光客の満足度と同時に、安中市民の満足度も大切にしたい」と、上原さんは言います。地域の方が大切にしているものを、観光客にもおすすめしたい。観光客だけでなく、ここ安中市に暮らしている方にも楽しんでもらいたい。上原さんも生まれ育った安中市への思いも乗せて、この廃線ウォークは始まりました。
<提供:安中市観光機構>
いざ、ナイトウォークへ
<ワクワクで受付へ>
まず、受付でランタンとブラックライトが配られます。今回、私は夫と一緒に参加します。どんな景色が見られるでしょうか。今から楽しみです。
<雰囲気があって素敵なランタン>
<映像で注意事項の説明を受けます>
説明を受けた後、早速、廃線に足を踏み入れます。外はまだ明るく、生い茂る自然が、廃線の歴史を物語っていました。軽やかな音楽が流れ、ナイトウォークの世界が始まります。
<雄大な自然を前に歴史を感じます>
失われた音を探して
<神々しい峠のカモシカ>
トンネルの中で、「峠のカモシカ」が待ち構えていました。美しい映像につい見入ってしまいます。高崎市の株式会社Sunset filmsが企画・制作のプロデュースを行っています。メイド・イン・群馬であることも、このナイトウォークのこだわりです。
さて、これから電気機関車「EF63」をモデルにした「ロクサ」、同じく「ED42」をモデルにした「ヨン」、この2人の少年と共に、失われた音を見つける旅に向かいます。「メロディーマーク」と呼ばれる看板を探しに行きましょう。全部で8つあるそうです。
<光が舞うトンネル。幻想的で立ち止まってしまいます>
線路上を歩くのですが、足元のレールに注目してしまい、なかなかメロディーマークを見つけられません。足元に気をつけながら、ゆっくり、ゆっくり進んで行きます。後半で気づいたのですが、他の参加者はブラックライトで辺りを照らしながら、メロディーマークを探していました。
一方、ランタンの明かりのみで挑む、ストロングスタイルの私たち。先に夫が「あった!」と指差したのを、私も「あった!」と指差し、完全に自分の手柄にしていました。夫婦の連携はバッチリです。(?)
<これがメロディーマーク。「ネタバレになっちゃうな〜」と言いながら撮影しました>
<木々を照らす光が美しい>
そこから、夫が3つ見つけて、どんどん進んで行きます。メロディーマークにブラックライトを当てると、音楽が響き渡ります。このように自分で積極的に参加する、インタラクティブな体験が魅力です。
折り返し地点では、スタッフさんが温かく迎えてくれました。「足元、気をつけてください」と声をかけてもらい、急な階段を降りていきます。平坦な道だけではないので、歩きやすい靴で参加することをおすすめします。
<これは優しいスタッフさんではなく夫>
階段を降りていくと、フォトスポットがありました。「あんまり撮ってもらえないんですよね…」とのことでしたが、ありがたく使わせていただきます。
<この台にカメラをセットします>
ぐんまちゃんとコラボ
<ぐんまちゃんに遭遇。分かるかな?>
出発する前、上原さんに「イチオシポイントはどこですか?」と伺ったところ、「コラボ中のぐんまちゃんです」と教えてくれました。2025年7月19日〜9月30日まで、「ぐんまちゃん高崎駅ジャック〜この夏 ぐんまでリトリート〜」という企画が行われていて、ナイトウォーク中にぐんまちゃんが投影されます。
<あおまとみーみも登場>
このような取り組みは初めてのようで、上原さんは「今後は季節によって投影するものを変えてみたい」と意気込んでいました。一回だけでなく、何度も訪れたくなる観光スポットになる予感です。
<迫力ある線路>
エンディングを迎えて
<曲調が変わり、物語はエンディングへ>
どんどん夜も更けてきました。夜空に浮かぶ月も私たちを見守ってくれているようです。そこに、「あった!」と大きな声。ようやく、私もメロディーマークを見つけることができました。
<自分で見つけると感動もひとしお>
峠のカモシカ「最後のメロディーマークだ」
夫「え? まだ5つしか見つけてない」
私「ウソでしょ…」
最初で最後のメロディーマークでした。
<峠のカモシカとお別れ>
帰り道で、これから参加する子どもたちとすれ違いました。
子ども「こんばんは〜」
夫・私「こんばんは〜」
子ども「(メロディーマークが)どこにあったか教えてください」
夫「ナイショ」
子ども「教えてくれないの〜?」
他人から聞いたら面白くないから、自分で見つけてみてね。(私たちは全部見つけられませんでしたが…)
そして、最初に注意事項を受けた場所に戻ってくることができました。ここにはフォトスポットがあり、記念撮影をすることができます。
<恥ずかしがり屋の夫婦は看板だけ>
私たちの後から来た参加者にカメラを頼まれた上原さんがシャッターを切っていました。
上原さん「まずは正面から」
上原さん「このポーズ(ランタンを上に突き上げる)もいいですよ」
上原さん「次は右側から」
上原さん「左側からも…」
親切すぎませんか?! 上原さんにお願いすれば、きっと素晴らしい写真を撮っていただけること間違いなしです。
最後に、上原さんは安中市観光機構について教えてくれました。安中市観光機構は観光庁より、観光地域づくり法人(DMO)として認可され、旅行者・地域住民の双方の好循環を実現する、「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりを目指しています。地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する目的です。今回、体験したナイトウォーク以外にも、秋間梅林や磯部温泉と連携事業を行うなど、地域に根付いた活動を行っています。ぜひ、安中市の観光地域づくりにも注目してみてください
ナイトウォークの後は峠の湯へ
<ボリューム満点のからあげ定食>
「色々、メニューがあって迷うんですけど、やっぱりからあげ定食を選んじゃうんですよね」という上原さんの言葉を信じて、からあげ定食を注文しました。実は、19時50分にナイトウォークが終わり、レストランのラストオーダーが20時だったので、時間との戦いになりました。皆さんは余裕を持って、事前に食事を取ることをおすすめします。からあげは衣がサクサク、中はジューシーで、とても美味しかったです。
<店員さんのおすすめも「からあげ定食」でした。ラストオーダーギリギリですみません>
<締めは温泉へ>
観光客だけでなく、地域の方にも楽しんでもらいたいという思いが伝わり、その取り組みにも感動しました。ナイトウォークは50分ですが、距離はそれほど長くなく、ゆっくりと楽しみながら歩くことができました。皆さんも、安中市の観光への取り組み、光と音が奏でる物語、二重奏の感動を体験しに、廃線跡を訪れてはいかがでしょうか。
おまけ
最後、お礼を伝え、「頑張って、記事書きます!」と意気込むと、「校正は任せてください。昔、やってたんで!」と、赤ペンを持つポーズを取る上原さん。身が引き締まる思いのたかざわでした。
インフォメーション
MELODIC LIGHT WALK
住所:群馬県安中市松井田町坂本1222(峠の湯に集合)
電話:027-329-6203
営業時間:日没後(季節によって変動)
開催時期:通年開催(毎週末 土曜・日曜)
所要時間:50分
対象年齢:4歳以上(小学生以下は保護者同伴)
料金:大人3500円 子ども(12歳以下)1500円
HP:https://melodiclightwalk.jp/#fv
Instagram:https://www.instagram.com/melodiclightwalk/
YouTube:https://youtu.be/Pd9egSoIqv0?si=sfgCzhkUO0W7QGm9
碓氷峠の森公園 峠の湯
住所:群馬県安中市松井田町坂本1222
電話:027-380-4000
営業時間:10:00〜21:00 ※入場は閉館の30分前まで
定休日:毎月第2・第4火曜 ※詳細は公式サイトをご確認ください
料金:大人(中学生以上)700円 子ども(4歳〜小学生)500円 ※3時間利用の場合

たかざわ