「鬼石夏祭り」関東有数の祭り囃子で群馬の熱い夏、はじまる
鬼石町の由来や地名にまつわる伝説
ロケーションと魅力
桜山公園遊歩道からの風景
今回お祭りが行われる鬼石地区は、群馬県藤岡市の南西部に位置する自然豊かな地域。隣接する「桜山公園」は、国の名勝および天然記念物に指定されている冬桜の名所で、春と冬の年2回、桜を楽しめる珍しいスポットです。
また登山やツーリングで人気の「御荷鉾山」をはじめ、清流と奇岩が織りなす絶景の「三波石峡」、その上流の「下久保ダム」などの魅力的な自然スポットも点在しており、豊かな自然と美しい景観を求め、多くの観光客にも人気があります。
温泉地としての魅力も持ち合わせ、鬼石観光ホテルや八塩館といった宿泊施設では、豊かな自然に囲まれながらゆったりと温泉を満喫できます。
明治7年(1874年)に鬼石村から鬼石町となり、平成18年(2006年)には藤岡市と合併して現在に至ります。豊かな自然に恵まれた、魅力あふれる地域として多くの人に親しまれています。
鬼にちなんだ伝説の町
伝説が残る鬼石神社の参道
鬼石町という名前は、昔から語り継がれてきた鬼の伝説に由来しています。この地名は、戦国時代の文書「上毛国風土記」や、安永3年(1774年)に編纂された「上野国志」にも記録されている、長い間愛されてきた町名です。
その鬼の伝説というのは、こんなお話です。
昔、御荷鉾山には一匹の鬼が住んでいました。この鬼は時折山を降りて村にやってきては、いたずらを繰り返すため、村人たちはすっかり困り果てていました。
そんなある日のこと、高名な弘法大師がこの地を訪れました。村人たちの悩みを聞いた弘法大師は、鬼を退治するために御荷鉾山へと向かい、鬼に向かってお経を唱え始めました。
お経の声を聞いた鬼は、両手で耳を押さえながら必死に逃げ回りました。しかし、弘法大師の声はどんどん大きくなり、ついに鬼は我慢できなくなり、近くにあった大きな石を弘法大師めがけて投げつけたのです。
ところが、石は弘法大師には当たらず、はるか遠くまで飛んでいってしまいました。それ以来、鬼は二度と姿を現すことはなく、村人たちはようやく平和な暮らしを取り戻すことができたということです。
鬼が石を投げた場所に「投石峠」、その石が落ちた場所に「鬼石」という名前が付けられ、飛んできた石は、今でも鬼石神社の御神体として大切に祀られています。
夏の訪れを告げる「鬼石夏祭り」の由来と概要
古くから受け継がれてきた歴史あるお祭り
時代と共に進化しながら今に受け継がれる山車
1年を通じて様々なイベントがある鬼石地区ですが、夏の訪れとともに「鬼石夏祭り」が2日間にわたり開催され、町が熱気に包まれます。
その歴史は古く、始まりは江戸時代後期にまで遡ります。当初は「鬼石祇園祭り」と呼ばれ、花車という万灯型の笠鉾3台が鬼石神社まで登上していたという記録が、鬼石神社に残されています。
時代とともに山車やお祭りの形も変化していき、明治18年(1885年)以降には人形を飾った組み立て式の山車になり、昭和に入ると屋根付きの屋台へと移り変わっていきました。そして昭和50年(1975年)に現在の「鬼石夏祭り」へと名前を改め、今日まで続いています。
開催日についても時代の流れに合わせて変わってきました。長らく7月14日・15日に行われてきましたが、近年はこれに近い土日に開催されるようになり、2025年は7月12日(土)・13日(日)の両日にわたって盛大に行われました。
2日間行われるまつりの概要・見どころ
2025年のタイムスケジュール
交通規制図・駐車場案内
「鬼石夏祭り」では、本町区、上町区、三杉区、相生区、仲町区の5つの地区から豪華絢爛な山車が登場します。山車の屋根には若者たちが乗り込み、笛や太鼓を巧みに操って独特のお囃子を響かせながら街中を練り歩きます。5つの地区が持ち回りで担当する「当番区」制で行われ、その年の当番区が山車の巡行などを取り仕切ります。2025年は「本町区」が当番区として、お祭りが執り行われました。
2日間にわたって開催される祭りの、1日目には5区の山車による「町内巡行」、「子供山車の巡行」、「ミニ寄合」、「宵祭り寄り合い」などが行われ、2日目には見どころとなる「新田坂の駆け上がり」や各区が競演する「寄り合い」が繰り広げられ、夜には花火が打ち上げられてお祭りは興奮の渦に包まれます。
このほかステージイベントやB級グルメの販売などさまざまな催しも行われ、地域一丸となり作り上げる「鬼石夏祭り」は、訪れる人々に感動的な夏の思い出を届けてくれます。
熱気に包まれたお祭り当日をレポート
おまつり広場近くの実行委員会本部席
7月13日、「鬼石夏祭り」の2日目、当日はお天気にも恵まれ、お祭り日和。おまつり広場の前に設けられた本部席では、スタッフや関係者の皆さんが受付や来場者への案内や対応を行っています。
情緒溢れる店構えの居酒屋さん
鬼石の特徴が溢れる建物の外壁
町のあちこちから聞こえてくる太鼓や笛のお囃子に心躍らせながら、美しい装飾を施した山車を眺めつつ、歴史ある鬼石の街並みをそぞろ歩きしました。お祭りの熱気と古き良き町の風情が見事に調和した、特別な時間です。
B級グルメブースには地元の名物も登場
おまつり広場にはB級グルメブースの出店やステージイベントも開催されていました。
懐かしソングも流れるステージイベント
夕暮れが近づくにつれて、お囃子の音色に誘われるように、家族連れや観光客が次々とおまつり広場周辺に集まってきました。
多くの人で賑わうおまつり広場
「新田坂駆け上がり」の準備のため、山車がおまつり広場の横を通り、一台ずつ坂道を下っていきます。
観客に見守られながら山車が坂を下っていく
新田坂の両脇には観客がずらりと並び、山車が駆け上がってくる瞬間を胸躍らせて待ち構えています。
駆け上がりの様子
待ちに待った瞬間です!各地区の山車が一台ずつ勢いよく新田坂を駆け上がると、迫力あるその光景に観客やお祭り参加者から大きな拍手と歓声が会場に響き渡りました。
その後山車は、余韻を残しながら町中をゆっくりと巡行し、それぞれの地区へと戻っていきました。
桟橋席からの眺望
今回は特設の桟橋席から「寄り合い」を観覧しました。ここからは全ての山車とお囃子の競演を一望することができ、寄り合いの迫力ある全貌を楽しめる絶好の観覧スポットです。
寄り合いへ向かう山車
町中を巡行していた山車が、お囃子を響かせながら一台また一台とおまつり広場に集結し、いよいよ寄り合いが始まりました。
豪華絢爛な山車が集結する圧巻の光景
5区すべての山車が会場に勢揃いすると、煌びやかな装飾を施した豪華絢爛な山車が圧巻の光景を作り出します。まず各区がそれぞれの伝統あるお囃子を披露し、観客を魅了します。そして祭りは最高潮へ!5区すべてが一斉に笛や太鼓を打ち鳴らす、迫力満点の共演が始まりました。
太鼓と笛の音色が途切れることなく響きわたり、寄り合いがクライマックスを迎えると、夜空には打ち上げ花火が!提灯に照らされた美しい山車と、空を彩る花火が織りなす幻想的な光景に、会場からはひときわ大きな歓声と拍手が沸き起こりました。
花火と山車の共演が迫力満点
力尽きてしまうのでは?というほど熱い寄り合いが終わると、山車は一台また一台と静かに会場を後にしていきます。興奮と熱気に包まれていた会場には、お祭りの余韻とともに穏やかな夜の静寂が戻りました。
関東有数の祭囃子が響き渡った「鬼石夏祭り」は、力強く夏の始まりを告げて幕を閉じたのでした。
インフォメーション
令和7年 鬼石夏祭り
日時:2025年7月12日(土)・13日(日)14:00〜22:00
場所:藤岡市鬼石各所
主催:鬼石夏祭り実行委員会(事務局 藤岡市鬼石商工会)
問合せ先: 0274-52-2062
HP:藤岡市鬼石商工会
HP:藤岡市「鬼石夏祭り」

観光ぐんま編集室