親子で触れて学ぶ植物、昆虫、水の生きもの「桐生自然観察の森」  【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

桐生自然観察の森

更新日: 2025年08月08日

「桐生自然観察の森」は関東平野の北の端にあり、20haの園内で四季折々の植物、昆虫、野鳥などを間近に観察することができます。イベントも頻繁に開催されています。6月に開催された「小学4年生のための自然教室」と「森と生きもの親子教室」の2つのイベントに参加してきましたので、その様子をレポートします。

「ネイチャーセンター」に常駐するレンジャーさんが案内してくれます

ネイチャーセンター

<ネイチャーセンター>

 

「桐生自然観察の森」は開園中なら自由に園内を散策することができます。

園内の「ネイチャーセンター」には、毎日森の生きものを調べているレンジャーさんが常駐しており、フィールドの案内や自然情報の提供をしてくれます。また、シカやイノシシなど森に住む動物の剥製や、カブトムシやクワガタなど昆虫の標本の展示もしています。

 

<森に住む動物の剥製>

 

<クワガタの標本>

「小学4年生のための自然教室」に参加して植物を観察

レクチャールーム

<レクチャールームでレンジャーさんから話を聞きます>

 

「小学4年生のための自然教室」に参加させてもらいました。

まずは、ネイチャーセンター内のレクチャールームでレンジャーさんから、植物をスケッチするという今回の目的や、草むらに入らない、生き物を触ったら手を洗うなどの「森のやくそく」などについて話を聞きました。

 

<広場で「同じもの探し」>

 

外に出ると、「同じもの探し」というゲームを行いました。バットに花びら、葉っぱ、木の実などがいくつか用意されていますので、それらをよく見て、同じものを広場で探してくるというゲームです。

このイベントに参加している子供たちはそれぞれ違う学校で、初対面であることがほとんどです。そのため、このゲームで打ち解けて仲良くなってもらうという狙いもあるそうです。

 

<新緑のカエデを観察>

 

ゲームのあとは、観察エリアを歩いてスケッチする植物を探します。レンジャーさん曰く、このときに大切なのは、目でよく見て、耳でよく聞いて、鼻でよく嗅ぐこと。木の葉が風でさわさわと揺れる音を聞きながら、植物をひとつずつ丁寧に観察していきます。植物はそれぞれ色や形が違うだけでなく、匂いも異なります。葉を指で擦ってその指を嗅いでみると、柑橘系だったり、ほんのり甘かったり……と、それぞれに違う匂いがあります。

 

<観察エリアでノコギリクワガタもゲット>

採取した植物をスケッチして、標本を作成

植物スケッチ

<真剣な眼差しで植物をスケッチ>

 

植物を採取したら、レクチャールームに戻ってスケッチをします。顕微鏡やデスクライトを使って、葉脈や毛など細かい部分までよく観察しながら描いていきます。そして、その植物の名前も調べて、その名前、採取場所、思ったことなども書き加えて図鑑にします。

 

<標本を作成>

 

次に標本を作成します。植物を台紙にテープで貼り、吸湿紙(新聞紙)に挟みます。これをチャック付きビニールに入れて家に持ち帰り、毎日吸湿紙を取り換えて乾燥させます。

 

<子供たちがひとりずつ成果を発表>

 

最後に、子供たちがひとりずつ作成した図鑑と標本の発表をし、保護者の方たちにも見てもらいました。

「森と生きもの親子教室」で水の中の生きものを観察する

管理ヤードの池

<管理ヤードの池>

 

別の日に開催された「森と生きもの親子教室」にも参加させてもらいました。子供たちだけでなく親もいっしょに参加するイベントで、2025年度に全7回あります。今回はその3回目で、水の中の生きものを観察しました。

 

<魚キラーを引き上げると……>

 

レクチャールームでレンジャーさんから水の中の生きものについての解説を聞いてから、管理ヤードの池にやってきました。

レンジャーさんがスルメを餌にして仕掛けていた魚キラーを池からザバッと引き上げると、オタマジャクシやツチガエルなどがたくさん入っていました。

 

<魚キラーに入っていたツチガエル>

 

さらに、レンジャーさんは池の泥を網で掬ってバットに移していきます。それを参加者たちで手探りすると、そこからもオタマジャクシ、ヤゴ、アカハライモリ……などたくさんの生きものが見つかりました。これはまるで宝探しのような楽しさがあります。

 

<泥の中から生き物を探します>

 

<たくさんの生きものが見つかりました>

採取した生きものをスケッチしてマップを作成

マップ作成

<レクチャールームでマップ作成>

 

レクチャールームに戻ると、採取した生きものをスケッチします。そして、図鑑でその名前を調べて記入し、ハサミで切り取り、マップ上の採取した場所に貼っていきます。このマップは家族ごとに作成し、この親子教室全7回を通して完成させるそうです。

 

<家族で協力して作成します>

 

「桐生自然観察の森」は四季折々の自然を間近に観察できるだけでなく、家族との素敵な思い出作りもできそうです。ここで紹介した以外にもたくさんのイベントを開催しており、その情報はホームページなどで公開しています。参加費は無料ですので、気になるイベントがありましたら、電話予約してご参加ください。

 

インフォメーション

桐生自然観察の森

住所:群馬県桐生市川内町2-902-1
電話/FAX:0277-65-6901
営業時間:夏時間 3月〜10月 9:00~16:30、冬時間 11月〜2月 9:30~16:00
休園日:火曜(火曜が祝日の場合は翌日)、祝日の後の代休日、年末年始
入館料:無料

E-mail:shizen@city.kiryu.lg.jp

URL:https://www.city.kiryu.lg.jp/forest/

 

小林ていじ

小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。