車イスでも飛べる−パラグライダーで空からの眺望を楽しむ− 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

空に上がる準備をします
<タイヤ付きのハーネスを利用します>
パラグライダーを体験するには、障がい者に限らず健常者でも、パラグライダー本体であるキャノピー、飛行中に座るハーネス、緊急用のレスキューパラシュート、ヘルメットなどを身につけます。車イスユーザーではタイヤが付いたハーネスを使用するので、スタッフさんにベルトをつけてもらい体を固定します。その後、車で離陸ポイントに移動します。
妻は受付の際に少し緊張した様子でしたが、スタッフさんと話をしたことで緊張が和らいだそうです。
<受付で必要書類に記入>
<フライトに必要な機材が並ぶ室内>
<離陸ポイントへ移動>
それでは飛び出します
<離陸の準備完了>
スタッフさんは経験が豊富で、全面的にサポートしてくれます。ハーネスにパラグライダーを接続するなどは、安全に関わる重要な部分なので、おんぶに抱っこで、スタッフさんにお任せします。パラグライダーは前方からの風を受け、揚力を得る必要があります。そこで、スタッフさんが広げたパラグライダーを装着したハーネスを押しながら斜面を駆け下りることにより、パラグライダーが風を受けて、発生した揚力により浮かび上がります。
妻は、離陸ポイントで準備をしている時にはドキドキしていましたが、スタッフさんとの会話によりドキドキがワクワクに変わっていったそうです。離陸はあっという間です。目の前に斜面が広がっていて、ちょっと怖い気がしましたが、スタッフさんから「それでは飛び出します」と言われ、斜面を少し下ったなぁと思った瞬間、もう空の中にいたそうです。
<ここから空へ飛び出します>
風との一体感が気持ち良い
<妻は「楽しい」の一言>
空に上がってしまえば、あとは楽しむだけです。離陸から着陸まで高低差450mを10分ほど、風を受けながらのんびり空中散歩です。飛行中はスタッフさんの指示により曲がる時に体を傾けることがありますが、操縦はスタッフさんに任せて空中時間を満喫します。また、空中では自分でも撮影できますが、酔う場合があるので、撮影は程々にして、スタッフさんにお任せした方が良いようです。
妻は空に上がったら怖さが気持ち良さに早変わり。上空では遠くまでよく見えるので景色を楽しんでもらいたいそうです。スタッフさんから常に声がけをしてもらえたので、不安もなく、楽しい時間を過ごせたとのことでした。着地は非常にスムーズで、ハーネスのタイヤが接地する時にわずかに衝撃がある程度だそうです。
<スタッフさんに操縦を任せて空の散歩を楽しみます>
<当日は曇りがちでしたが時おり日がさすフライト日和でした>
<いよいよ着地です>
パラグライダーは手軽で安全な翼
<また飛びたい!>
「トップフィールドパラグライダースクールぐんま」は1997年に設立され、子供から高齢者まで年に500人以上がパラグライダーを楽しんでいます。体験者の中には飛行中にプロポーズ動画を撮るなど、パラグライダーの楽しみ方も様々です。このスクールでは、スタッフさんの経験が豊富で、安全優先でフライトをサポートしてくれます。パラグライダーの飛行には風速2〜3mの向かい風が適していて、当スクールがある沼田市白沢町は安定した風が得られ、天候不良によるフライトのキャンセルが少ないのがこのスクールの強みだそうです。また、当エリアは地形が変化に富み、四季折々の風と風景を楽しむことができ、特に空から眺める紅葉は絶景だそうです。
<多目的トイレやスロープなども備えています>
妻は初フライトに満足していました。風を感じながら地上を眺めることはなかなか体験できないので、車イスユーザーに限らず、ぜひ体験した方が良いと言います。取材した週には東海地方からも車イスユーザーが体験しにいらっしゃるそうです。パラグライダーを体験できる施設は多くありますが、車イスユーザーが体験できる施設は多くありません。言い換えれば、車イスユーザーに対応している施設は、設備の充実など積極的に活動しているとも思います。ぜひ、沼田の空を楽しんでみてください。
インフォメーション
トップフィールドパラグライダースクール群馬
住所:群馬県沼田市白沢町生枝661-1
電話:0278-20-9006
携帯電話:090-2640-8100
営業時間:8:00~18:00
定休日:不定休
料金:13.000円(消費税込み)/ハイシーズンは14,000円(要確認)
SNS:https://www.facebook.com/topfieldgunma/

福田 靖