相馬原駐屯地の記念行事に行ってみました 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

相馬原駐屯地記念行事

更新日: 2025年06月09日

陸上自衛隊の第12旅団創立24周年及び相馬原駐屯地創設66周年記念行事へ行ってきました。自衛隊の施設には、一般人である我々は、通常立ち入ることができませんが、多くの施設では市民交流行事として、施設を定期的に開放しています。榛東村にある相馬原駐屯地の記念行事は毎年1万人ほどが来訪する人気のイベントです。

号令による隊員の動作が見られる観閲式

部隊整列

<観閲式前の部隊整列>

 

2025年の記念行事には、人員約600名、車両約130両、航空機6機が参加し、観閲式、観閲行進、訓練展示、装備品の展示、高機動車の体験試乗が行われました。観閲式は部隊の長が隊員の士気高揚を高めるために実施する行事です。部隊が整列した後に第12旅団長の式辞や群馬県知事の祝辞などが終わり、お待ちかねの観閲行進が始まります。

観閲式では多くの号令がかけらます。この号令の意味が、一般人である我々には理解しにくいので、ネットなどで事前に調べてから行くと、状況などが把握しやすくなるので、良いかもしれません。さらに双眼鏡などがあると号令による隊員の機敏な動作などが見やすいので、観閲式をもっと楽しめるようになると思います。また、観閲式は飛行場の格納庫前のエプロン(広場)で行われるので、屋根などがなく、晴天時には熱中症や日焼けの対策などの天候に応じた準備が必要です。

 

<隊員は号令により微動だにしません>

第12旅団の部隊構成がわかる観閲行進

戦車

観閲式の後に各部隊がメインスタンド前を観閲行進しました。第12旅団は、普通科連隊、ヘリコプター部隊、偵察戦闘大隊、高射特科隊、音楽隊など12の部隊から構成されています。最初に第12音楽隊が演奏しながら行進していきました。歩調を合わせて行進するだけでも大変なのに、演奏しながらなので難易度が爆上がりだと思いました。次いで普通科連隊や偵察戦闘大隊などが行進しました。ヘリコプター部隊は行進の終盤に会場の上空を低空飛行していきました。行進の際に隊員は旅団長に対して敬礼します。自衛隊では、帽子やヘルメットを被っている際には「挙手の敬礼」ですが、帽子などを被っていない時は上体を前方に10度傾ける「10度の敬礼」、「45度の敬礼」となります。また、小銃などを持っている時には、銃を体の中央で保持した「捧げ銃」などとなります。

 

<演奏しながら行進する第12音楽隊>

 

<旭日旗を掲げる第2普通科連隊の82式指揮通信車>

会場全体を眺めたい訓練展示

戦車

訓練展示等は、この行事のクライマックスです。

第12音楽隊は、今回、松本駐屯地所属の松本アルプス太鼓とのコラボレーションでした。初めての試みということでしたが、迫力ある太鼓を音楽隊が引きたてていて面白い組み合わせだと思いました。偵察戦闘大隊のオートバイドリルは、アクロバティックで見ている私が怖くなるようなスゴ技の連続でした。個々の操縦技術が高いことはもちろんですが、交互に交差するデモ走行はどうやって練習しているのだろう?と不思議に思ってしまいました。また、小銃を携帯してのバイクの偵察行動の展示を見ると、オートバイの隊員の本領は、派手なデモ走行ではなく、実戦に即した偵察行動なのだと再認識しました。続いて、侵攻してくる敵を撃退するというストーリに沿って各部隊の訓練展示が進んでいきました。しかし、展示の流れを理解するのは難しく感じました。展示は格納庫前の広大なエプロンで実施されているので、慣れていない私にはどこを見れば良いのか迷ってしまいました。また、空砲とはいえ、その発砲音や、車両や航空機などの迫力に圧倒されて、展示の早い展開を理解する余裕がありませんでした。ここでは、一部に集中するのではなく、全体を俯瞰して眺めて、展示を楽しんだ方が良いと思いました。この訓練展示では、爆音のために広報室から予め耳栓が配られました。確かに爆音でしたので、耳栓を用意した方が良いかもしれません。

 

<第12音楽隊と松本アルプス太鼓のコラボレーション>

 

<偵察用オートバイによるドリルの展示>

 

<隊員を運ぶCH-47>

 

<火を吹く155mm榴弾砲FH-70>

装備品をじっくり見られる装備品展示

オスプレイ

<初参加のV-22 オスプレイ>

 

この記念行事に参加した車両や航空機、地対空誘導弾などが展示されました。

今回の装備品展示の目玉は、V-22オスプレイと特別ラッピングされたCH-47チヌークです。オスプレイは木更津駐屯地の所属で、相馬原駐屯地の記念行事への参加は初めてだそうです。特別ラッピングのチヌークのテーマは季節感と強さだそうで、桜吹雪と富士山を背景に隊員達のシルエットが施されています。この2機を見て不思議に思ったのは、機体色が全く異なることでした。オスプレイはグレー系、チヌークは茶色系です。今回は、隊員に伺う機会がありませんでしたが、次回に訪れた時には伺いたいと思っています。その他には、16式機動戦闘車や81式短距離地対空誘導弾など、訓練等に参加した装備品が展示され、多くの方で賑わっていました。個人的には対戦車ヘリコプターAH-1Sを見たかったのですが、次に期待することにします。

 

<特別ラッピングのCH-47チヌーク>

 

<105mm砲を備える16式機動戦闘車>

非日常が体験できる高機動車の体験試乗

高機動車

この行事の目玉イベントの一つが高機動車の体験試乗です。試乗券は、当日の8時、10時、12時に配布されたそうです。今回、タイミングが悪く、試乗はできませんでした。試乗の際には貸し出されるヘルメットを着用するそうです。試乗を終え、すれ違った方々の笑顔が印象的でした。非日常的な車両で非日常的なコースを走り回ったのですから、ダブルの非日常で興奮冷めやらぬ・・・って感じなのでしょうか。私も次にはぜひトライしてみたいです。

 

我々、一般市民にとって自衛隊は非日常です。そんな非日常を覗き見できるのが、このような記念行事です。興味があれば一度見に行ってください。そして、音や振動を感じてみてください。テレビなどの映像とは全く違うことがわかると思います。体験する価値ありです!

インフォメーション

陸上自衛隊 相馬原駐屯地 第12旅団

住所:群馬県北群馬郡榛東村大字新井1017-2
電話:0279-54-2011

HP:https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/12b/

SNS:https://x.com/SoumagaharaSTA

         https://x.com/JGSDF_12b_pr

MAIL:adminpr-12b@inet.gsdf.mod.go.jp

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

福田 靖

沼田市内の観光ぶどう園「福田ぶどうマルシェ」でブドウを栽培しています。私が自衛隊を辞めて30年以上が経ちましたが、観閲式で号令を聞いた時に体が動いてしまいそうでした。体って覚えているのですね。