館林市の伝統織物「館林紬」の再興の拠点「ツムギトエンガワ」 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

地元有志の「合同会社 紬・組」によって立ち上げられました
<古民家をDIY改修したツムギトエンガワ>
「ツムギトエンガワ」のオープン日となった2025年4月12日はグランドオープンイベントが開かれ、館林紬の展示、手織り・綿花の紡ぎ体験、プレス向け会見などが行われ、地元のキッチンカーも出店しました。
<カラフルな館林紬の糸>
館林紬は綿100%の木綿紬であり、夏は涼しく冬は暖かい、肌にやさしいなどの性質があります。柄はカラフルな縞模様で、シンプルなものから何色も使用した細やかなものまで、数千種類ものデザインがあります。
そんな館林紬の発祥は鎌倉時代と言われています。江戸時代からは館林地域で綿花栽培が盛んになったため、農家の副業としてたくさん機織りされるようになりました。そして、昭和25年頃には全国に広まりました。
しかし、その後、洋装の定着などにより、生産量は大幅に減少してしまいます。現在、館林市内で館林紬を取り扱うのは、山岸織物1軒のみで、生産はすでに途絶えています。
「ツムギトエンガワ」はその再興のための拠点として、地元有志の「合同会社 紬・組」によって立ち上げられました。
<ツムギトエンガワに設置された手織り織機>
<館林紬の元となる綿花>
館林紬の新プログラムや新アイテムを発表
<プレス向け会見の様子>
「合同会社 紬・組」のメンバーや、館林紬を扱う山岸織物の方たちによるプレス向け会見では、これからスタートするプログラムが発表されました。館林紬を綿花から育てる過程を体験する「つむぎつなぐ会」、館林紬の織り手を育てる「たてばやしの織姫育成プロジェクト」、ワークショップや教室などでのシェア利用……等々、さまざまなものが予定されているようです。
<たくさんの館林紬アイテム>
<「日日凛」の柄 画像提供:合同会社 紬・組>
館林紬の再興プロジェクトのシンボルになっているのは、「日日凛(にちにちりん)」という柄です。まずはこの柄から館林紬に興味を持ってもらうため、この柄を取り入れたネクタイ、手ぬぐい、スタンプインク、ブックカバー……などのアイテムも多く展開しています。オープンイベントではこのラインナップに新たに加わるアイテムが2つ発表されました。
<日日凛のレースカーテン>
そのひとつは、すでにツムギトエンガワの窓にも掛けられている、「日日凛」カラーのステッチが入ったレースカーテンです。館林市は日本でも指折りの暑い街なので、熱をしっかりと遮る遮熱仕様になっています。
<日日凛クッキー>
そしてもうひとつは、「日日凛」カラーをイメージした「日日凛クッキー」です。野菜パウダーで着色しているので、安心してお召し上がりいただけます。
「館林紬」アイテムは以下の店舗で購入できます(2025年4月現在)。
※各店舗ごとに、取り扱い商品が異なるため、公式サイトにてご確認ください。
・AZALEA MALL(アゼリアモール)
・三田三昭堂
・TATEBAYASHI HILLS HOTEL(館林ヒルズホテル)
・館林ふれあいセンター
・奥村酒店
「ツムギトエンガワ」はグランドオープンを迎えましたが、まだまだ未完成とのこと。古民家のまわりをグルっと囲む「みんなのエンガワ」もこれから増築する予定だそうです。館林紬の再興の拠点としてだけでなく、地元の人たちとの交流の場としても盛り上がっていきそうです。
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小林ていじ