館林市の伝統織物「館林紬」の再興の拠点「ツムギトエンガワ」  【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

館林紬

更新日: 2025年05月20日

「館林紬(たてばやしつむぎ)」は千年以上の歴史を誇る、館林市の伝統織物です。しかし、すでに生産は途絶えてしまいました。その再興の拠点とするため、築120年ほどの古民家をDIY改修した「ツムギトエンガワ」がオープンしました。

地元有志の「合同会社 紬・組」によって立ち上げられました

ツムギトエンガワ

<古民家をDIY改修したツムギトエンガワ>

 

「ツムギトエンガワ」のオープン日となった2025年4月12日はグランドオープンイベントが開かれ、館林紬の展示、手織り・綿花の紡ぎ体験、プレス向け会見などが行われ、地元のキッチンカーも出店しました。

 

<カラフルな館林紬の糸>

 

館林紬は綿100%の木綿紬であり、夏は涼しく冬は暖かい、肌にやさしいなどの性質があります。柄はカラフルな縞模様で、シンプルなものから何色も使用した細やかなものまで、数千種類ものデザインがあります。

そんな館林紬の発祥は鎌倉時代と言われています。江戸時代からは館林地域で綿花栽培が盛んになったため、農家の副業としてたくさん機織りされるようになりました。そして、昭和25年頃には全国に広まりました。

しかし、その後、洋装の定着などにより、生産量は大幅に減少してしまいます。現在、館林市内で館林紬を取り扱うのは、山岸織物1軒のみで、生産はすでに途絶えています。

「ツムギトエンガワ」はその再興のための拠点として、地元有志の「合同会社 紬・組」によって立ち上げられました。

 

<ツムギトエンガワに設置された手織り織機>

 

<館林紬の元となる綿花>

館林紬の新プログラムや新アイテムを発表

「合同会社 紬・組」のメンバー

<プレス向け会見の様子>

 

「合同会社 紬・組」のメンバーや、館林紬を扱う山岸織物の方たちによるプレス向け会見では、これからスタートするプログラムが発表されました。館林紬を綿花から育てる過程を体験する「つむぎつなぐ会」、館林紬の織り手を育てる「たてばやしの織姫育成プロジェクト」、ワークショップや教室などでのシェア利用……等々、さまざまなものが予定されているようです。

 

<たくさんの館林紬アイテム>

 

<「日日凛」の柄 画像提供:合同会社 紬・組>

 

館林紬の再興プロジェクトのシンボルになっているのは、「日日凛(にちにちりん)」という柄です。まずはこの柄から館林紬に興味を持ってもらうため、この柄を取り入れたネクタイ、手ぬぐい、スタンプインク、ブックカバー……などのアイテムも多く展開しています。オープンイベントではこのラインナップに新たに加わるアイテムが2つ発表されました。

 

<日日凛のレースカーテン>

 

そのひとつは、すでにツムギトエンガワの窓にも掛けられている、「日日凛」カラーのステッチが入ったレースカーテンです。館林市は日本でも指折りの暑い街なので、熱をしっかりと遮る遮熱仕様になっています。

 

<日日凛クッキー>

 

そしてもうひとつは、「日日凛」カラーをイメージした「日日凛クッキー」です。野菜パウダーで着色しているので、安心してお召し上がりいただけます。

 

「館林紬」アイテムは以下の店舗で購入できます(2025年4月現在)。

※各店舗ごとに、取り扱い商品が異なるため、公式サイトにてご確認ください。

 

・AZALEA MALL(アゼリアモール)

・三田三昭堂

・TATEBAYASHI HILLS HOTEL(館林ヒルズホテル)

・館林ふれあいセンター

・奥村酒店

 

「ツムギトエンガワ」はグランドオープンを迎えましたが、まだまだ未完成とのこと。古民家のまわりをグルっと囲む「みんなのエンガワ」もこれから増築する予定だそうです。館林紬の再興の拠点としてだけでなく、地元の人たちとの交流の場としても盛り上がっていきそうです。

 

インフォメーション

ツムギトエンガワ

住所:群馬県館林市仲町5-47

HP:https://tatebayashi-tsumugi.com

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。