初めて愛犬と旅行に行くための準備や気をつけたいこと

更新日: 2025年03月31日
待ちに待った愛犬との旅行。「楽しんでくれるかなぁ」「写真もいっぱい撮りたい」「一緒にカフェにも行ってみたいな」とワクワクすることでしょう。そのための準備はできていますか? 犬との旅行には犬連れならではの注意点もあります。実際に旅行へ行く前に、一つずつチェックしてみましょう。
犬との初めての旅行「事前の確認」編
まずは、愛犬と初めての旅行に行く前に確認したいことから見ていきましょう。
チェックポイント①愛犬の健康状態を把握できている?
旅行に行くまでの間は変わったものは与えないよう食べ物に気をつけ、お腹の調子や皮膚など異常はないか確認しながら、旅行に行けるだけの健康な状態をキープしましょう。
併せて、しばらくシャンプーをしていないようであればシャンプーもしておきましょう。ただし、シャンプーは犬も意外に疲れるので旅行直前でのシャンプーはおすすめしません。
チェックポイント②愛犬のワクチンは接種済?
旅行には病気感染のリスクが多少なりともつきまといます。知らない犬と接する機会も多くなりますし、地域によって発生傾向に差がある感染症もあります。
また、多くの場合、宿泊先の宿ではワクチン接種証明書の提出や提示を求められます。
愛犬のワクチン接種は済んでいますか?
ただし、ワクチン接種直後は体調を崩したり、副作用が出たりすることがあるので、旅行直前でのワクチン接種はおすすめしません。余裕をもって旅行の計画を立てましょう。
チェックポイント③愛犬のノミ・ダニ予防はできている?
普段の生活でもノミ・ダニ予防は大切ですが、それは旅行でも同じです。
他の犬と接する機会があるかもしれませんし、特に自然豊かな土地へ旅行に行く場合は必要になります。
ノミやダニは人間にも感染し得る病気を媒介することがあるので、予防は忘れずにしましょう。
チェックポイント④愛犬のしつけは十分?
旅行先では普段のしつけの成果が生かされる時です。
「マテ」「スワレ」「ヤメ」「オイデ」など基本的なしつけはできていますか? トイレトレーニングはできていますか?
初めての場所とは言え、愛犬が吠え続けてしまったり、あちこち粗相されたりしては、お店や他のお客様にも迷惑をかけてしまいます。場合によっては入店や宿泊を断れてしまう可能性も。
食事中は静かにしていられるか、待つ必要がある時には待てるか、「ヤメ」と言ったらその行動を止められるか、「オイデ」と言えばすぐに戻って来るかなど、日頃のしつけを再確認しましょう。
チェックポイント⑤愛犬の迷子対策はできている?
旅行は何かと気が緩み、大胆になることがあります。ついリードを放してしまう、車のドアを開けると犬が勝手に飛び出してしまうなど、犬が遠くへ走り去って迷子になるケースがないわけではありません。
犬にしてみても初めての場所に興味津々で匂いを辿ったり、何かを追いかけたりしたくなることもあるでしょう。
楽しいはずの旅行が、迷子になった愛犬探しに変わってしまっては残念過ぎます。
それは普段の生活でも同じことですが、万一のために愛犬の身元を示す迷子札を身につけさせる、マイクロチップを挿入するなどしていますか?
これまでの大災害で保護された犬の中には、鑑札をつけていることで早くに飼い主さんのもとへ戻ることができた例もあるため、鑑札や狂犬病予防注射済票をつけておくことも有効です。(法律上は鑑札と狂犬病予防注射済票を犬に装着することが義務となっています*1)
チェックポイント⑥愛犬の性格や癖など把握できている?
犬との旅行では愛犬の行動に気をつけなければなりません。愛犬はどんな状況になるとどんな行動に出やすいのか、それを把握できていれば思わぬトラブルを避けることもできるかもしれません。
犬との初めての旅行「目的地・宿選び」編
ではここからは、犬と初めて旅行に行く時、目的地や宿を決めるための注意点について見ていきましょう。
ポイント①犬との初めての旅行は移動距離を短く
初めて旅行に出る犬にとって長距離は負担になります。
およそ2時間以内くらいの移動距離で、なおかつ1時間に1回程度は休憩できる場所があることを条件として旅行の目的地を決めるといいでしょう。
ポイント②季節や気温を考慮する
元来、犬は暑さが苦手です。旅行先で熱中症になり、病院に駆け込むといった例もあるので、旅行に行くならば季節や気温も配慮したいものです。
特に、呼吸器系の弱い短頭種、地面からの反射熱を受けやすい小型犬、被毛が密な北方犬種、体温調節がしづらい老犬などは要注意です。
熱中症は夏のみでなく、春~初秋にかけても起こりやすいので、犬だけを車中に残す必要がある場合はくれぐれも最小限に。
ポイント③車やバス、電車など移動手段での注意点
犬と初めての旅行に行きたいと思うのであれば、移動手段となる車やバス、電車などに慣れていることが大前提となります。
いずれであっても酔い防止のために、食事は乗車の2時間以上前に済ませておきましょう。
バス・電車:
バスや電車などの公共交通機関は、ペットの乗車可否、乗せられる場合はペットの大きさやキャリーなどのサイズ、総重量、料金などが各社で決められているので、必ず確認してください。基本的には、スリングのような頭部や手足が出るものは不可です。
また、通勤で満員となる時間帯は避けたいものですが、電車の路線によっては犬連れで個室を利用できる場合があるので、移動手段の候補としてみてもいいでしょう。
ただし、個室と言っても一般車両と同様に車内で犬を外に出し、自由にさせることはできません。
車:
車の場合、犬を車内で自由にさせる、膝の上に犬を乗せて運転するなど、万一のことを考えると犬にとっては非常にリスキーです。場合によっては道路交通法違反となることもあるのでご注意ください(*2)。
また、犬は安定性を欠くと酔いやすくもなりますし、少しでも犬の安全を守るためには、犬用のシートベルトやドライブボックスを使用する、またはクレートに入れるなどして犬を“固定”するのがいいでしょう。
近年ではドッグランや犬連れで入店できるカフェなどが併設されている高速道路のサービスエリアもあり、愛犬共々リフレッシュすることができるので、事前にそうした場所もリサーチしておきましょう。
ポイント④宿選びの注意点
さぁ、いよいよ宿選びですが、何より愛犬の条件に合った宿を選ぶようにしましょう。
1:宿のルールや規約を確認
ホテルや旅館、ペンション、キャンプ場などそれぞれに受け入れ可能な犬の大きさや頭数、持参して欲しい物、禁止事項など犬に関するルールや利用規約が設定されているので、必ず確認してください。
多くの場合、利用規約に関する同意書の提出が必要になるため、サイト内のフォームやメール、FAX、持参など宿指定の方法で提出してください。
この時、宿によっては狂犬病予防注射や各種感染症予防ワクチンの接種日を記入する必要もあります。
2:宿の設備や備品などを確認
部屋や施設内の様子を始め、食事スタイルや犬用の食事、ドッグランやプール、水飲み場、足洗い場、犬用のアメニティなど犬連れに向けたサービスを確認しましょう。
穴を掘る癖のある犬では畳の部屋は不向きですし、泳ぐのが好きな犬には犬用のプールがあると楽しく過ごせるでしょう。少し汚れた時には洗い場やグルーミングルームが用意されていると助かります。また、食べ物に執着するタイプの犬であれば、レストランへの同伴よりも、部屋で一緒に食事をするほうが落ち着いて食べられるでしょう。
このように愛犬と自分にとって必要な条件、サービスがある宿を選びましょう。
3:宿周辺のスポットや動物病院をリサーチ
愛犬と旅行に行く以上、自分たちだけが楽しむのではなく、やはり愛犬も楽しめるスポットをピックアップしたいものです。
また、旅行中に愛犬が体調を崩したり、ケガをしたりするようなこともあるので、目的地周辺にある動物病院もリサーチしておくことをおすすめします。
旅行中の愛犬の体調・ストレス管理も忘れずに
さて、旅行中には愛犬の体調が変化することもあります。ありがちなのは、ごはんを食べない、便秘、下痢など。初めての旅行ゆえに多少なりともストレスを感じているのかもしれません。
その場合は、愛犬がストレスを発散できそうな散歩をする、落ち着けそうな場所で排泄を促す、水分を多く摂らせたり運動をしたりして便意を促す(便秘)、整腸剤を飲ませてお腹を安定させる(下痢)など対処が必要になることも想定しておきましょう。
併せて、体調管理、そして熱中症予防の観点からも愛犬がいつでも水を飲めるよう水筒やボトルの携帯を忘れないようにしてください。
また、旅行には大なり小なりストレスがつきものですが、そうしたストレスの軽減・回避のためには、愛犬が少しでも落ち着けるよう、普段使用しているブランケットやベッド、おもちゃなどを持参するといいでしょう。
かじることができるおもちゃが一つあると、ストレス発散はもちろん、カフェに行った時やクレートの中でお留守番をしている時など退屈を紛らわせることもできます。
何より、愛犬がストレスを感じていることに気づくには、日頃から犬が出すストレスサインを理解しておくことが大事です。それを習慣づけることによって、普段の生活はもちろん、旅行先でも適切な対処ができるようになるでしょう。
犬との初めての旅行ではトラブルにも注意!
旅行中には事故やケガ、脱走・迷子、他犬とのケンカ、粗相、施設や宿の物を壊すなどトラブルが起きることもあります。
旅行先では飼い主さんもつい解放感に浸ってしまいがちですが、愛犬の行動はよく観察するようにしましょう。
飼い主さんのマナーも大事
犬との旅行では飼い主さんのマナーも大事です。
愛犬の排泄物を処理もせずにそのまま立ち去る、ロングリード、あるいはフレキシリードを最大限に伸ばした状態で自由に歩かせる、犬好きばかりが集まる宿だからと愛犬が好き勝手をしても知らんぷりなど、くれぐれもご注意ください。
なお、中には犬の排泄物用のダストボックスを用意している宿もありますが、そのようなサービスがない場合、基本的には愛犬の排泄物は飼い主さんが持ち帰るのがマナーとなります。
初めての旅行から帰宅後のケア
さぁ、愛犬との初めての旅行も終わり、ほっと一息つきたいところですが、帰宅後にもまだやることはあります。
愛犬にノミやダニはついていないか、傷はないか、汚れていないかなど確認することを忘れずに。
人間でも旅行は楽しい反面、疲れもします。それは犬でも同じでしょう。数日は愛犬の体調を観察するようにしてください。
そもそも愛犬は犬連れ旅行に向いているかが肝心
愛犬と旅行に出かける飼い主さんはたくさんいらっしゃいます。「犬との旅行は楽しい!」と言いたいところですが、実際には多少なりともストレスはあり、トラブルがまったくないとも言い切れません。
犬との初めての旅行を考える時、愛犬は旅行に向いているかどうかを考えることが何より大事です。
中には旅行には不向きな犬もいます。
- ・高齢犬
- ・幼犬
- ・発情中、妊娠中、出産直後のメス犬
- ・持病があってストレスをかけたくない犬
- ・他の犬に感染するおそれのある病気に罹っている犬
- ・社会化不足の犬
- ・強度の分離不安のある犬
- ・家に迎えてまだ日が浅い犬
- ・攻撃的な犬
これらの犬は病気感染やストレス、トラブルなどのリスクが高くなるので、旅行は別の機会にする、問題を解消する努力をする、別の楽しみ方を考えるなど考慮が必要でしょう。
犬との旅行は想い出という宝物になる
犬との旅行はさまざまな気づかいも必要ですが、それ以上に楽しく、一生の想い出ができる場でもあります。
まずは一歩を踏み出し、旅行という経験を重ねることで愛犬も長旅に慣れ、「次はどこへ行こうか」と思えるようになるはずです。愛犬との想い出という宝物がたくさんできること良いですね。
参考資料:
(*1)厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/10.html
(*2)E-GOV法令検索「道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)/第五十五条2項」
https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105

犬もの文筆家&ドッグライター 大塚良重