目が離せない氷上体験!赤城大沼で初めてのワカサギ釣り 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
幻想的な氷の世界、赤城大沼へ
<ここぞと決めた場所でテントを張る釣り人たち>
赤城山山頂にようやく日が差す午前7時。マイナス8℃の中、大沼への入場が解禁されると、待っていた釣り人たちが一斉に氷上を渡ります。
標高約1,340mに位置する赤城大沼は、関東で唯一安定して釣りを楽しめる場所として人気の場所です。例年1月上旬〜3月下旬の解禁期間には、家族連れやグループ、県内外から毎週通う常連など、多くの人で賑わいを見せています。
<青木旅館のフィッシングサポート「釣船」で道具を借りられる>
初めてのワカサギ釣りを体験するなら、釣り道具やテントを一式借りられるレンタルサービスがおすすめ。防寒着さえ用意して行けば、手ぶらでも大丈夫です。
今回は、赤城大沼湖畔の「青木旅館」で釣り道具を借りました。ワカサギ釣りは氷の上を歩くため、滑らない靴が推奨されています。スニーカーや滑りやすい靴で来た場合は、長靴を借りましょう。
映える絶景の中で!心踊るワカサギ釣り体験
<氷にガリガリと穴を開ける作業は楽しい>
午前9時頃になると、ようやく陽が差し温かみが増してきます。青空が近くに感じるほど澄み渡った空気の中、湖面には太陽の光を浴びて雪がキラキラと輝いていました。
凍った湖の上を歩くのは、ドキドキする体験です。ずしっと重い釣り用のカタツムリテントを引っ張り、滑らせながら歩きます。小さい頃、ソリの紐を引っ張ったときに感じた雪の感触がよみがえりました。
<真っ直ぐ開けるのは難しい。少し時間が経つとすぐに氷が張ってきます>
氷上で釣りのポイントを決め、穴あけドリルで氷に穴を開けます。
この日貫通させた場所の氷の厚さは、15cmほどでした。開けた穴は1晩で元に戻るそうです。
軽く細い釣竿を使い、手に全神経を集中する
<仕掛けの針は5個。5mほど下まで釣り糸を垂らしワカサギを誘います>
ワカサギ釣りの仕掛けに付ける餌は、白サシという芋虫。ワカサギが食べるわけではなく、匂いや動きで誘います。
「1、2、3、止める。1、2、3、止める」
インストラクターの坂本さんに教わったとおり、手を動かします。ポイントは、同じスピードと同じ振り幅でリズミカルに動かし、しっかりと止めること。動きを繰り返すことで、ワカサギがかかったときの変化を感じ取り、アタリをとらえます。
<風が冷たく寒いときはカタツムリテントでくるまって。中はとても温かい>
釣りの最中は、無心で無言です。ひたすら手の動きと感覚に集中し、釣り糸のわずかな揺れの動きを観察します。
釣れるか釣れないかは運?それとも腕?
<ワカサギが釣れた!>
「あ、今当たったよ」
漁業協同組合長さんが声をかけてくれましたが、「え?」と思って糸を引いたときにはもう遅い。ワカサギはいませんでした。近くで一緒に釣りをしていたベテランの方が、魚群探知機で魚の接近を知らせてくれます。しかし音は鳴っても、なかなか釣れません。
<釣りたてのワカサギたち>
同行者は、チャンスを狙い見事釣り上げました。
ワカサギが釣れるかどうかは、日によってまったく異なるとのこと。多いときで100匹以上釣れることもあれば、なかなか釣れない日もあります。
回遊魚であるワカサギは、一度去っても戻ってくることがあるため「場所を変えるか、待つか」の判断に迫られます。釣れない日でも釣れるかどうかなど、釣り人の腕の見せ所です。
新鮮なワカサギは現地でしか味わえない特別な体験
<ワカサギの天ぷらは絶品!>
青木旅館では、釣り道具をレンタルすると、釣ったワカサギを天ぷらにしてくれるサービスがあります。釣ったばかりのワカサギは魚独特の匂いがしますが、揚げた天ぷらはまったく臭みがありません。身がふわふわで、天ぷらに何もつけなくても食べられます。
<ワカサギ定食>
朝から無心で釣りをすると、時間はあっという間。気づくとお腹が鳴るほど集中していました。釣り体験にハードルを感じる方は、赤城山の思い出にワカサギ定食もおすすめです。
大自然の中で無心に過ごす時間は、日常では味わえない貴重な体験です。ベテランの方によると、ワカサギが一番良く釣れる時期は解禁されてすぐとのこと。冬だけの特別なアクティビティを、赤城大沼で過ごしてみてはいかがでしょうか。
インフォメーション
赤城山 湖畔の宿 青木旅館
住所:群馬県前橋市富士見町赤城山8
電話:027-287-8511
営業時間:フィッシングサポート「釣船」6:00〜17:00
定休日:なし
*氷上ワカサギ釣りの期間はシーズンにより異なります

沙結月