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全国でも珍しい植物園 高崎・観音山丘陵 で染料植物を詳しく学ぶ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年03月27日

群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

高崎市のシンボル、白衣大観音のほど近くにある高崎市染料植物園。昔から衣服などの染色に使われてきた染料植物を紹介する、全国でもレアな植物園です。観音山丘陵の自然に触れながら染料植物を見て学べ、染色体験もできる施設をまるごとレポートします!

散歩に訪れる地元の人から、本格的に学びたい染色ファンまで

植物園では屋外と温室を合わせて、200種類以上の染料植物を育てています。園内に構える染色工芸館には、日本の染色文化を紹介する展示室のほか、染色体験ができる実習室があり、さまざまな講習会を開いています。
江戸時代から染色業が盛んだった高崎市に平成6年に開園し、四季の草花を楽しみに散策に訪れる地元の人から、高度な染色の技法を学びたい人まで、年間通して多くの人が訪れています。

展示室や実習室がある染色工芸館

2時間で藍染のハンカチが完成!簡単な絞り技法で染色体験

染色工芸館で定期的に行っている染色体験は、誰でも気軽に参加できます。染料植物をより深く知るため、今回は藍染に挑戦しました。講習会は予約制で、定員は15人。講師の説明を聞いてみんなで一斉にスタートします。

まず綿のハンカチかバンダナを選び、模様にしたいところを輪ゴムをぐるぐるー。これを一度水に浸してから、藍が入ったかめに沈めて染色します。こうして染めるのが絞り技法。デザインを考えているものの、染めてゴムを外すまではどんな模様になっているのか分からず、初心者の私はドキドキです。参加者同士でわいわいと和やかな雰囲気の中、作業が進みます。

貸し出しのゴム手袋をはめて染色 。衣服の汚れが気になる人はエプロンの持参を

美しい色と模様に自画自賛。世界に一つの藍染ハンカチが完成

染色と水中酸化を繰り返して輪ゴムをほどくと、深みのある青色の中に白と水色の模様が現れました。いい感じです。参加者みんな、自分のオリジナル作品に満足そう。外で乾かしながらほれぼれと眺めていると、「もったいながらずに、ぜひ使ってくださいね」と講師。確かに、普段のハンカチとしてどんどん使わなくては。
体験教室は藍染のほか、草木染もあります。草木染ではアカネやコブナグサなど月ごとに替わる染料を使って、絹のポケットチーフかプチスカーフを染めます。他にも本格的な技法講習や子供向けワークショップもあります。

完成した藍染のハンカチ

木々や草花による美しい染織品 植物が見せる豊かな色に感動

染色体験の後は展示室へ。美しい染織品、染料とそれを使った染糸見本などがあり、植物による豊かな色彩に驚かされます。それから屋外に出ると、今までと違った目線で植物を見ている自分に気づきます。この植物はどんな色を見せてくれるのだろう。遊歩道沿いに立ち並ぶ木々の傍らには案内板があり、植物の説明と染めたときの色見本などが表示されていています。案内板の前で足を止めながら、ゆっくりと散策するのは楽しく、時間があっという間に過ぎてしまいます。

梅の花と案内板。足元には福寿草

散策の合間に。自然を望める開放的な休憩室でほっと一息

歩き疲れたら、温室に併設された休憩室で一休み。ここでは土日祝日のみ、「食事処 屋根屋」という食堂がオープンしています。メニューは日によって異なり、カレー、ラーメンといった食事から、コーヒーなどのドリンクを用意。おかずが充実した日替わり弁当は、同園の職員も楽しみにしていると言っていました。
最後に訪れた温室では、沖縄地方やアジア南部の熱帯地方に生息する植物を観察。コーヒー色に染まるコーヒーノキ、鮮やかな黄色に染まるフクギなど生き生きと生い茂っていました。

屋根屋のコーヒーと手作りの芋饅頭

熱帯地方の植物を観察できる温室

 

まとめ

まさにここは染料植物のテーマパーク。草や木、花そのものの美しさはもちろん、染めたときの色の優しさ、奥深さを感じられました。染色の世界により浸りたい人は、ぜひ染色体験へ。講師の解説を聞きながら楽しく体験できるのでおすすめです。

インフォーメーション

高崎市染料植物園

住所:群馬県高崎市寺尾町2302₋11

電話:027-328-6808

営業時間:9時~16時30分(入園・入館は16時まで)

定休日:月曜日、祝日の翌日、年末年始(12/28~1/4)

料金:入園は無料、染色工芸館は100円、高校・大学生は80円※収蔵作品展のとき

体験料:藍染は綿ハンカチ600円、綿バンダナ1000円、草木染は絹ポケットチーフ600円、絹プチスカーフ1200円

 

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関口美智子

群馬で生まれ育ち、ずっと群馬在住。群馬の山並みを毎日眺めて癒されています。趣味は温泉めぐりと、筋トレ、スイミング、ランニングなど体を動かすこと。二児の母で、子供たちと山登りに行くことが直近の目標!