桜舞う甘楽、歴史の道をゆく【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
桜舞う甘楽、歴史の道をゆく
甘楽町の「さくらウオーク」は、「小幡公園」をスタート/ゴールとして、雄川、雄川堰、八幡山公園、織田宗家七代の墓、甘楽総合公園、楽山園などを巡る一般コース8kmと、8kmコースから織田宗家七代の墓などをショートカットしたファミリーコース4kmがあります。
今回は、雄川堰が堪能できそうな、一般コースを考えていたのですが、雨の予報がでていたので、カバンにカッパをねじ込んでおきました。
指定された小幡小学校の校庭にクルマを駐車し、身支度を整え、「小幡公園」にある受付場所に向かいます。受付を済ませ、コース地図、観光案内、そして、参加賞を受け取ります。参加賞は、マカロニと「蒟蒻畑」などです。このマカロニは甘楽町にある1946年創業のパスタメーカー「コルノマカロニー」のもので、さすが地産地消といったところでしょうか。昔に参加した「甘楽町さくらマラソン」でも参加賞としてもらったことがあり、マカロニグラタンにして美味しくいただいた記憶があります。牛のロゴマークで思い出しました。
スタートすると、「道の駅 甘楽」を横に見ながら、雄川に沿って北上します。甘楽町はイタリアのチェルタルド市と友好親善姉妹都市協定を締結していて、「道の駅 甘楽」ではチェルタルド産のワインやオリーブオイルを売っています。

<道の駅 甘楽>
まず、気になったのは、雄川が北へ向かい流れていることでした。甘楽町は北斜面に位置しているので当然なのですが、経験上、川は北から南へ、西から東へ流れるという固定観念を持ってしまっていたので、ちょっと不思議な光景でした。河岸の桜を見ながら、さらに歩いていきます。

<雄川の河岸に咲いた桜を見ながら歩きます>
コースを歩いていくと、城下町小幡の玄関口ともいえる桜並木に出ます。並木に沿って流れるのが「雄川堰」です。
雄川堰は、世界かんがい施設遺産、名水百選、疏水百選にも選ばれている用水路で、生活用水や農業用水として地域住民の暮らしを支え、現在では住民の手によって大切に管理されています。

<甘楽町の名所の一つである「雄川堰」>
桜並木に沿って、約400mの遊歩道が続きます。石畳の道のため、歩き慣れた靴での散策がおすすめです。
並木の中には伐採された桜の切り株も見られます。現在の桜は約60年前に植えられたものだそうで、そろそろ改植の時期を迎えているのかもしれません。

<桜並木に沿った遊歩道を歩きます>
桜並木の遊歩道を歩いて行くと、織田宗家の守護神を祀っている「小幡八幡宮」への参道があります。ここ小幡地区は、1615年から1767年まで織田氏により治められていました。
桜にばかり目を奪われていたので、参道を通り過ぎてしまい、慌てて戻りました。当日は曇空でしたが、晴天であれば、桜のピンクと空のブルーとのコントラストが美しい景色が広がることでしょう。

<小幡八幡宮の参道の桜も満開です>
小幡八幡宮の裏手には「八幡山公園」があり、頂上の「夕映えのひろば」からは市中を見渡すことができます。北には人気スポットの「こんにゃくパーク」が見えました。受付場所であった「小幡公園」からクルマで5分もかからないので、ぜひ行ってみてください。

<画像の中ほどに「こんにゃくパーク」があります>
桜並木の中には「開花基準木」があり、花の間から若葉がのぞく様子から、少しずつ葉桜へと移り変わっているのが分かりました。このような開花の基準となる木を見るのは、今回が初めてで、とても興味深く感じました。

<桜並木には甘楽町の<桜>開花基準木があります>
遊歩道を挟んで、開花の基準木の反対に「歴史民族資料館 別館」があったので、入ってみました。懐かしい家電などが置かれ、こんなミシン、あったな・・・と昔のことを思い出しました。立ち寄ったのは別館ですが、本館はファミリーコースにあり、次に来た時には寄ってみます。

<懐かしい家電が並ぶ「歴史民族資料館 別館」>
コースを進むと一般コースとファミリーコースの分岐へ。今回は雄川堰を満喫したかったので、一般コースを進みます。雄川堰に沿って整備された遊歩道を歩いていると、用水路の維持は大変かもしれませんが、このような水景が身近にあるのは羨ましいと思いました。

<雄川堰に沿った遊歩道>
雄川堰には、所々に分水堰や堰に降りる階段があります。これらが視覚的なアクセントとなり、散策を飽きさせません。「ここで分水された水は、どこに行くのだろう?」と、好奇心を刺激します。

<雄川堰には所々に分水堰がある>
さらに案内板に導かれ、歩いていきます。雄川堰を離れると、小幡藩初代・織田信雄(織田信長の次男)から七代信富までの墓「織田宗家七代の墓」があり、甘楽町指定の文化財に登録されています。風格がある墓が整然と並んでいる景色を見ると、「さすが大名の墓・・・、日当たり良好の一戸建か・・・」と思ってしまいました。ここには、休憩所としての東屋やトイレがあるので、一息ついてから次に向かうことにします。

<ずらっと並ぶ織田宗家の墓々>
コースを進むと、雄川堰の見どころの一つである「吹上の石樋」があります。ここでは、大きな石を組み合わせた樋により雄川堰が堀沢川を跨いでいます。

<雄川堰は石でできた樋により堀沢川の上方を流れます>
石樋は素晴らしい先人の技術の結晶ですが、その近くにあった半円形の水路にも目を奪われます。

<吹上の石樋のそばにある半円形の水路>
雄川堰は吹上の石樋から600mほど上流にある取水口から雄川の水を引いていますが、コースはここで雄川堰から離れて、雄川の遊歩道に移ります。ここにも桜が随所に見られます。

<雄川にかかる橋から見た上流の桜>
雄川に面した「甘楽総合運動公園」に入ると、遊歩道は左右に植えられた桜により「桜のトンネル」になっています。天気が良ければ、より一層見事な景色が見られたことでしょう。隣接するグラウンドでは、翌日の城下町小幡さくら祭りに向けて準備が行われていました。

<甘楽総合公園の桜のトンネル>
続いて訪れるのは、群馬県指定史跡の「松浦氏屋敷」。この武家屋敷は、江戸時代からの上級武士が使っていた主屋、庭園が残されています。

<1978年まで住居として利用されていた松浦氏屋敷>
座敷から見る庭園は、南にある熊倉山を借景とし、庭園にあるゴヨウマツや池からなる景観を楽しむことができます。借景を利用することにより実際以上の奥行きを感じさせる造りになっています。

<南にある熊倉山を借景として利用する庭園>
コースを進むと、群馬県内唯一の大名庭園であり、国が名勝に指定した「楽山園」の門が目に入ってきます。非常に興味がありますが、空からポトポトと雨が降ってきています。今日のところは門に再訪を約束して、道を急ぎます。
関連情報
https://gunma-kanko.jp/spots/71

<国の名勝である楽山園の門>
楽山園に後ろ髪をひかれつつ歩いていると「長岡今朝吉記念ギャラリー」に咲くピンク色の花が目に飛び込んできます。ここでは、甘楽町の名誉町民である長岡今朝吉から寄贈された絵画などが展示されているとのことですが、雨ということもあり、ここは足早に通過します。

<ピンク色が目に止まります>
長岡今朝吉記念ギャラリーからコースを歩くと、程なく小幡公園にたどり着き、ゴールとなりました。
午後からの雨予報もあり、少し足早なウオークになってしまいましたが、初めて甘楽町の小幡地区を歩き、ちょっと甘楽町の魅力をのぞいた気になりました。次回は気になったスポットをじっくり巡ってみたいと思います。
甘楽町の「さくらウオーク」は小幡地区を知るきっかけとなるイベントだと思います。
時間や体力が許すのであれば、雄川や雄川堰の景観を楽しめる一般コースがおすすめです。コース上にコンビニなどは少ないため、飲み物などは事前に準備しておくと安心です。
ぜひ来年は「さくらウオーク」に参加してみてください。甘楽町の新たな魅力に出会えるはずです。
インフォメーション
甘楽町役場 健康課
住所:群馬県甘楽町大字白倉1395-1
電話:0274-67-5159
営業時間:8:30~17:15
定休日:土曜、日曜、祝日
福田 靖