館林市の老舗「正田醤油」の「発酵レストラン ジョイハウス別館」で味わう発酵の恵み【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
正田醤油150年の歴史を刻む国の登録有形文化財「正田記念館」
<正田記念館>
「正田醤油」には古い歴史があります。正田家は江戸時代から館林で米穀商を営んでいました。しかし、3代目の正田文右衛門氏は、浮き沈みの激しい米穀商は子孫に残すべき事業ではないと考え、醤油醸造業への転換を決意。キッコーマン創業家の一族のひとりである茂木房五郎氏から醸造技術を学び、醤油造りを開始しました。
明治6年(1873年)に醤油醸造業を創業し、大正6年(1917年)に「正田醤油株式会社」を設立。以降、伝統的な製法を守りつつ、タンクローリー出荷の先駆けとなるなど加工用・業務用醤油に注力し、調味料やスープ分野へも事業を拡大してきました。創業150年を超える老舗として、現在も多くの食卓を支え続けています。
本社敷地内には、そんな正田醤油の歴史を学べる「正田記念館」があります。建物は嘉永6年(1853年)に2代正田文右衛門氏が居宅・店舗として建てたもので、醤油醸造業創業から昭和61年(1986年)まで本社屋として使用されました。現在は国の登録有形文化財に指定されています。館内には、正田家300年にわたる家系図や、創業当時の醸造道具などが展示されており、江戸時代から現代に至る正田家の歩みを詳しく知ることができます。

<正田家が米穀商だったときの印半纏>

<醤油醸造などに用いた道具>

<3代目の正田文右衛門氏の孫であり、日清製粉創業者の正田貞一郎氏>
明治期の醸造蔵を改装!趣ある空間で味わう発酵の恵みを活かしたグルメ
<発酵レストラン ジョイハウス別館>
「発酵レストラン ジョイハウス別館」も同じ本社敷地内にあります。建物は明治後期に建設された醤油もろみの醸造蔵を改装したもので、こちらも国の登録有形文化財に指定されています。高い天井には当時のままの太い梁がむき出しになっています。

<レストラン店内>
レストランの入り口近くに設置された自動販売機では醤油を販売。お店の人気メニューの「発酵唐揚げ」に使用している生しょうゆもあります。生しょうゆに含まれる酵素にタンパク質を分解する働きがあるため、お肉が柔らかく、ジューシーに仕上がります。ここでしか買えない限定品だそうです。

<醤油の自動販売機>

<発酵唐揚げに使用されている生しょうゆ>
生しょうゆの酵素の力が効いた!絶品「鶏の発酵唐揚げ」
<醸造蔵を改装した店内で食事>
店内でいただいたのは、もちろん「鶏の発酵唐揚げ定食(税込1,610円)」です。まず目を引くのは、大きめで5個も乗った唐揚げ。噛むと肉汁がじゅわっと溢れ、揚げ物なのに後味はあっさり。衣はサクサク軽めで、醤油の深い旨みが染み込んでいます。タルタルソースや大根おろしで味変も楽しめます。

<鶏の発酵唐揚げ定食>
食後のデザートに「しょうゆプリン(税込330円)」追加。プリンの甘さに二段熟成醤油を効かせたカラメルソースが絡んで、ほろ苦い甘味がじんわりと広がります。

<しょうゆプリン>
古い蔵を活かした店内は、木の温もりと柔らかな光に包まれ、日常を忘れさせてくれるような落ち着きがありました。すぐ近くの日清製粉「製粉ミュージアム」へも足を伸ばせば、正田家が小麦から醤油へ広げた食のストーリーをさらに深く実感できます。館林駅から歩いてすぐなので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。
インフォメーション
発酵レストラン ジョイハウス別館
住所:群馬県館林市栄町3-1 正田醤油本社棟内
電話:0276-76-8811
営業時間:11:00~15:00/17:00~21:00(ラストオーダーは昼夜とも閉店30分前)
定休日:月曜定休/水曜ランチのみ(宴会応相談)
正田記念館
住所:群馬県館林市栄町3-1 正田醤油本社内
電話:0276-74-8100
営業時間:10:00~16:00
定休日:土曜、日曜、祝祭日、夏季休暇日、年末年始
入館料:無料
※本文中の価格は2026年3月時点のものです。
小林ていじ