少林山達磨寺で、だるま文化と季節を満喫 前編 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

だるま

更新日: 2025年06月05日

「少林山達磨寺(しょうりんざんだるまじ)」は、群馬県高崎市にある縁起だるまの発祥地。「七草大祭だるま市」や上毛かるたの「え」の札で知られ、だるま文化の中心地として親しまれています。本堂前の色とりどりの積み上がっただるまや、だるま型の絵馬掛けの前はフォトスポットに最適。春はミモザと桜、秋は燃えるような紅葉が境内を彩り、訪れる人を魅了します。瑞雲閣では予約不要のだるま絵付け体験も大人気!約15色から選んで自分だけのオリジナルだるまを作れます。歴史と季節の美しさが織りなす癒しの空間へ、ぜひ足を運んでみてください!

少林山達磨寺とは?

少林山達磨寺

群馬県高崎市にある少林山達磨寺は、縁起だるまの発祥地として知られています。毎年1月6日~7日の「七草大祭だるま市」(6日9時~7日17時、夜通し)は、願いを込めるだるまを求める人で賑わう名物行事。本堂では6日の午前2時に星祭大祈祷、7日には大般若転読法要(経典を読み上げる法要)などが行われ、全国から訪れる参拝者で活気づきます。

 

<霊符堂(本堂)>

 

このお寺のシンボル、縁起だるまは「福だるま」や「高崎だるま」とも呼ばれ、眉が鶴、ひげが亀を表す愛らしいデザインが特徴。「七転び八起き」の精神を体現し、どんな困難にも立ち向かう心の強さを象徴します。約230年前、天明の大飢饉で苦しむ農民を救うため、9代目住職・東嶽(とうがく)和尚がだるまの作り方を伝え、「七草大祭」で売り出されました。以来、高崎でだるま製作が盛んに。今も伝統工芸として親しまれ、訪れる人に温かな癒しを届けます。

初めての方へ! アクセス&駐車場

少林山達磨寺(看板)

まずは少林山達磨寺へのアクセス情報をチェックしましょう。 高崎駅から車で約15分、公共交通機関なら高崎駅西口からバス(ぐるりん少林山線 乗附先回り)に乗車し「少林山入口」で下車してください。約30分で到着します。

道中の目印は、鮮やかな赤いだるまの看板!高さ2メートルほどの大きな看板に、ぷっくりとした愛らしいだるまの笑顔が描かれ、遠くからでも目を引きます。だるまの表情と「少林山達磨寺」の文字が、参拝への期待を高め、到着の喜びを倍増させます。 

自家用車のメインの駐車場は坂を上がったところにあり、無料で利用できます。

 

第1大駐車場は、境内上部に位置し、広々として停めやすいです。

 

<第1大駐車場>

 

第1大駐車場は、本堂までの道のりが短く、高齢者やゆったり参拝したい方にぴったり。スムーズなアクセスで、季節の美しさとだるまの魅力を心ゆくまで楽しむことができます。

上毛かるたの絵札の秘密

フォトスポット

少林山達磨寺は、「縁起だるまの少林山」として親しまれ、群馬県の郷土かるたである「上毛かるた」の「え」の札に登場しています。「縁起だるまの少林山」と詠まれるこの札は、お寺がだるま文化の中心地として広く知られている証です。訪れるなら、第1大駐車場にあるあずま屋にもぜひ寄ってみてください。そこには上毛かるたの「え」をモチーフにしたスポットがあり、だるまや「え」の札を背景に楽しい記念撮影ができますよ。

 

<上毛かるたの「え」の札>

縁起だるまの少林山は、高崎市の少林山達磨寺のだるまを詠んだものです

 

ただ、上毛かるたの「え」の絵札をよく見てみると、だるまの上に描かれた北斗七星の星が6つしかないことに気づきました。北斗七星といえば星は7つのはずなのに、なぜ1つ足りないのだろう? その疑問を解くために、取材に応じてくれた廣瀬副住職にお話を伺いました。

お話によると、「絵を描かれた方が、7つ目の星はあなた自身が星となって輝いてくださいという願いが込められているからなんです」とのこと。北斗七星は霊符堂(本堂)に祀られる北斗星を神格化したご本尊「北辰鎮宅霊符尊(ほくしんちんたくれいふそん)」を表しており、だるまと共にこのお寺を象徴しているようです。この絵札には、素敵な思いが隠されていたんですね。

絶景! だるまと季節のフォトスポット

本道(だるま)

少林山達磨寺は、写真好きにはたまらないフォトスポットが盛りだくさん! まず、本堂のそばで目を奪われるのが、積み上げられた色とりどりのだるまです。大小さまざまなだるまが山のように積まれた光景は、まるで芸術作品のようです。カラフルで迫力満点なので、SNS映え間違いなし。

その近くには、だるまの形をした絵馬も掛けられています。ぷっくりとした可愛らしいデザインが特徴で、願い事を書いた絵馬と一緒に撮れば、ユニークな1枚が完成します。

 

<絵馬>

ぷっくりしただるま型の絵馬に願いを込めて。SNSでシェアしたくなります

 

また、季節ごとの自然の美しさも見逃せません。春には、境内が鮮やかなミモザの黄色と、優しいピンクの桜で彩られます。ミモザのふわっとした花と桜の繊細な花びらが織りなす風景は筆者のお気に入りです。春の日差しの中で撮影すれば、さらに温かみのある写真が撮れますよ。

 

<河津桜>

桜とだるまの共演が春の訪れを告げる。淡いピンクが織りなす優美な1枚

 

<ミモザ>

春のミモザが境内を彩る。鮮やかな黄色が心を明るくするフォトスポット

 

秋になると、境内は真っ赤に染まる紅葉で包まれます。

 

<大講堂と紅葉>

燃えるような赤が感動を呼ぶ絶景

 

<本堂へ向かう階段>

2024年12月初旬に撮影。真っ赤な紅葉が素晴らしい

 

燃えるような赤やオレンジの葉が、歴史あるお寺の雰囲気を一層引き立て、情緒あふれる写真が撮れるんです。どのスポットも季節感とだるまの魅力が融合した特別な場所。カメラやスマホを手に、ゆっくり散策しながらお気に入りのフォトスポットをぜひ見つけてください。

自分だけの宝物! だるま絵付け体験

瑞雲閣のだるま絵付け場

<瑞雲閣(ずいうんかく)のだるま絵付け場入口>

 

少林山達磨寺でぜひ試してほしいのが、瑞雲閣(ずいうんかく)内のだるま絵付け場で行われるオリジナルのだるま絵付け体験です。

この体験は観光客にも大人気で、午前10時から午後3時30分まで受け付けています。予約不要で1人から気軽に参加できるので、ふらっと立ち寄って楽しむのにぴったりです。料金は前払い制で、小さいサイズの「1丸(12cm)」が1,000円(税込み)、少し大きめの「1丸半(15cm)」が1,500円(税込み)です。

 

<カラフルなだるまたち>

 

筆者も実際に挑戦してみました! まず、瑞雲閣(ずいうんかく)に入って申し込みを済ませると、自分好み(大きさ・色)のだるまを選べます。色は約15種類もあり、どれにしようか迷いましたが、黄色が好きなので黄色のだるまに決定。

 

<だるまの描き方の手順と願意一覧>

 

鶴・亀に拘らず、今年の干支など自由に書いても良いといわれましたが、筆者は目の周りに鶴、口の横に亀を描き、左右に願意を加える王道スタイルに挑戦。あわせて願意に「大願成就」を選び、願いを込めながら丁寧に書きました。

 

筆者は見本を見ながら、ゆっくり書いていきます

 

ただ、これがなかなか難しい! 特に右利きだと左側の顔を描くのが大変な作業。それでも指導者から『お肉をつければもっとカッコよくなる』『思いっきりやったほうがいい!』など的確なアドバイスをもらえたので、一番難しい場所も乗り切ることができました。

完成品は少しアンバランスな顔になりましたが、愛らしい仕上がりになりました。

 

黄色いだるまに鶴と亀の模様を描いた筆者の作品

少しアンバランスな顔が愛らしい!

 

背面に「ぐん記者」の文字と、当日の日付を書いたら、達成感に満ちました。世界に1つだけのオリジナルだるまができあがり、素敵な記念になりました。

 

世界に1つだけの「ぐん記者」だるま

 

また、絵付け後に「だるま開眼」をお願いしました。開眼は、だるまの目に一筆を入れ、魂を込めて祈願する特別な儀式。開眼料金に決まりはないようですが、1体500円からでした。

 

「だるま開眼」をして、背面に御札を貼ってもらいました。

筆者のだるまに魂が宿ったようで嬉しい瞬間。

 

絵付け体験は、初めてでも気軽に楽しめるのが魅力。色を選んだり、筆を動かしたりする過程はワクワクしますし、多少バランスが崩れてもそれが個性になるので安心してください。少林山達磨寺を訪れたら、ぜひ自分だけのダルマを作ってみてはいかがでしょうか?

 

少林山達磨寺を訪れると、縁起だるまの魅力に心を奪われます。積み上げられた色とりどりのだるまや、春の桜、秋の紅葉は圧巻の美しさです。絵付け体験では、指導者のアドバイスを受けながら、願いを込めた世界に一つだけの宝物を作れます。だるま文化の奥深さに感動し、日常を忘れる癒しの時間を過ごせます。ぜひ訪れてみてください!

 

インフォメーション

少林山達磨寺

住所:群馬県高崎市鼻高町296
電話:027-322-8800
営業時間:9:00〜17:00(寺務所・札場・達磨堂)
定休日:年中無休(雪や台風等で休業する場合あり)
料金:参拝無料
駐車場: 無料(駐車場は約100台収容)
アクセス:高崎駅西口からバス(ぐるりん少林山線 乗附先回り)に乗車し、「少林山入口」で下車

HP:https://www.daruma.or.jp/

 

だるま絵付け体験

料金:1,000円(1丸/12cm)、1,500円(1丸半/15cm)※税込
だるま絵付け体験受付時間:10:00〜15:30 閉店:16:00
ご予約の場合は10:00〜15:00まで
だるま開眼:少林山のだるまは500円から(他所のだるまは1,000円から)

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

タマル

「タマルのぐん旅」という個人ブログを運営。群馬県内のお気に入りスポットやお店を旅行記として紹介しています。筆者は群馬県の豊かな自然や温泉をこよなく愛し、特に伊香保温泉の情緒あふれる石段街の散策が趣味です。スポーツでは、ロードバイクを使って「榛名山ヒルクライムin高崎」や「まえばし赤城山ヒルクライム大会」に参加しています。