群馬で星空を楽しむ~県立ぐんま天文台・玉原高原・利根沼田文化会館プラネタリウム~ 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】 | 特集一覧 | 心にググっと観光ぐんま

群馬で星空を楽しむ~県立ぐんま天文台・玉原高原・利根沼田文化会館プラネタリウム~ 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

県立ぐんま天文台

更新日: 2025年02月04日

私が、 群馬の星空がすごいと思ったのは、玉原高原の真冬の夜空でした。今から30年ほど前、深夜にたんばらスキーパークに着き、大学の友人達と見た星空です。これを「満天の星か・・・」と感動しました。群馬の山間部は都市部からの光の影響を受けにくく、綺麗な星空を見ることができます。皆様に群馬の星空を見てもらいたいので、おすすめの3施設をご紹介します。

県立ぐんま天文台

ジャンタル・マンタルとストーンサークル

<ジャンタル・マンタルとストーンサークル>

 

群馬県の中部にある子持山の山麓に「ぐんま天文台」はあります。屋外には青空の下神秘的な佇まいのジャンタル・マンタルとストーンサークルのモニュメントが置かれています。今回私が関心を持ったのは、駐車場と天文台を繋ぐ591.5mの遊歩道「太陽系ツアー」です。

 

<太陽系ツアー>

 

<太陽系ツアーでは地球は太陽まで15mです>

 

駐車場から遊歩道の入り口が冥王星(※現在は惑星ではなくなっています)、天文台への出口が太陽という設定でパネルが設置されています。それらの間に8個の惑星のパネルが太陽からの距離に応じて設置されています。これらのパネルには、太陽は139mm、地球は1.3mmというように遊歩道の距離に応じた天体の直径が記されています。この遊歩道を歩くと、半径591mの太陽系には139mmの太陽を中心に1.3mmの地球などの惑星が回っているという具合に太陽系の距離感がわかりやすくイメージできます。しかし、来訪者の多くは天文台へ急ぐあまり、この「太陽系ツアー」に気づかないのでは?と、ちょっと残念に思います。

 

<観望棟に設置された望遠鏡を用いて自分のスマホで撮影します>

 

天文台では、星空を観察するイベントとして「スマホやデジカメで月を撮ろう」や「月をみよう」などを休日に開催しています。今回は「スマホやデジカメで月を撮ろう」に参加しました。観望棟に設置されている望遠鏡を用いて持参したスマホやデジカメで月を撮影するイベントです。スタッフに教えてもらい撮影するのですが、スマホによって調整が難しいらしく、私のスマホではちょっとボヤッとした画像になってしまいましたが、初めての経験でしたので私は十分満足しました。

 

<「スマホやデジカメで月を撮ろう」で実際に撮影した月の写真>

 

さらに休日には、目で直接覗くことができるものとしては世界最大クラスの150cm反射望遠鏡と広い視野をもつ65cm反射望遠鏡を用いて星や星雲を観察できます。照明が落とされているドームに入ると、目が暗闇に慣れるにつれ大型望遠鏡のシルエットが見えるようになり、その迫力に圧倒されました。今回は、150cm反射望遠鏡では金星、土星、海王星を、65cm反射望遠鏡では火星、木星、オリオン大星雲を見ることができました。木星の縞模様や、土星の輪、海王星の青色は知識としては持っていましたが、目で見たのは初めてだったので興奮しました。天体は撮影できませんのでぜひご自分の目で体験してください。

専門家であるスタッフさんの説明は知識がない私にはわかりやすくてよかったです。また、高地にあるぐんま天文台での天体観測は冬季には防寒が必須です。ご注意ください。

 

<150cm反射望遠鏡で金星、土星、海王星を見ました>

 

<65cm反射望遠鏡で火星、木星、オリオン大星雲を見ました>

沼田市観光協会による星空観察会

星空観察会

<たんばらスキーパークの駐車場で望遠鏡を使って星空を眺めます>

写真提供:沼田市観光協会

 

沼田市の玉原高原は標高1,300mの高地であり、市街地から人工の光による影響を受けず、さらに空気が澄んでいるために鮮明な星空を楽しむことができます。星空観察会はたんばらスキーパークの駐車場で開催され、太陽光の影響を受けなくなる19時過ぎから1時間ほどの星空体験です。案内人は沼田天文クラブ会員がつとめ、使用する天体望遠鏡はクラブ会員が提供しています。特にテーマは決めずにその時の星空を眺めてもらいます。参加者は案内人から星空の説明を受け、異なる星空を写した6~7台の望遠鏡をのぞきます。土星や天の川銀河などが見られるそうです。子供の参加者が多いので子供が興味を持つような親しみやすい内容を心がけているそうです。

悪天候などで望遠鏡をのぞけない場合には、たんばらスキーパークのリゾートセンター内で星座早見盤の作製や、プロジェクターを用いて好天時に見ることができる星空鑑賞や望遠鏡の操作方法の説明を受けるなど星空に関する体験が可能です。

開催は9月下旬から10月初旬なのでダウンジャケットや手袋など防寒対策が必要です。キッチンカーによるレモネードやココアの提供は好評だったので(1杯目のみ無料)、今後も続けたいと考えているそうです。参加者により満足してもらうために体験内容を、さらに充実させたいと意気込んでいるそうです。ぜひ参加して玉原高原での星空を楽しんでください。

利根沼田文化会館のプラネタリウム

GS-8-S(五藤工学研究所)

<1975年7月に設置された五藤光学研究所GS-8-S>

 

こちらは実際の星空ではありませんが、関東最古のプラネタリウムである利根沼田文化会館のプラネタリウムを見に行きました。

 

<関東最古のプラネタリウムとして稼働中>

 

<シートもレトロで昔の映画館みたい>

 

ここのプラネタリウムは光学式モリソン型のGS-8-S(五藤光学研究所)を直径8mのフラットドーム内に設置し、同心円状に配置された47席で1975年から運用されています。当初の料金は50円だったそうで、現在では毎週土曜の午後2時からの1回きりの上映ですが、無料になっています。上映されるプログラムは平成20年に導入された利根沼田文化会館のオリジナルです。プログラムの内容は月替わりになっていて、訪れた12月には「牡牛座物語」でした。堅苦しいものではなく、子供でもわかりやすい内容のアニメーションです。

 

<上映プログラムもレトロです>

 

私は利根沼田文化会館のプラネタリウムを見て、嬉々としてプラネタリウムに通っていた子供の頃を思い出しました。設備が古い利根沼田文化会館のプラネタリウムは最新のプラネタリウムと比較すればリアリティや快適さは劣るかもしれませんが、ノスタルジックな気持ちになりました。皆様もレトロ感満載の関東最古のプラネタリウムを利根沼田文化会館で体験してみてください。きっと懐かしさを感じてもらえると思います。

 

「百聞は一見にしかず」です。

現在は今回の施設で見る以上の星空をネットで簡単に見ることができます。しかし、体験は単に星空だけでなく、世界屈指の大型望遠鏡の迫力やその日の天候など多くの要素を含めトータルで私たちの記憶に刻まれます。これらの体験はきっと忘れられない思い出になると思います。

 

インフォメーション

群馬県立ぐんま天文台

住所:群馬県吾妻郡高山村中山6860-86
電話:0279-70-5300
営業時間:10:00〜17:00、19:00〜22:00(11月〜2月:10:00〜16:00、18:00〜21:00)

URL:https://www.astron.pref.gunma.jp

 

一般社団法人 沼田市観光協会

住所:群馬県沼田市西倉内町2889-3
電話:0278-25-8555
営業時間:9:00〜17:00 ※12月~2月は9:00~16:00

URL:https://www.numata-kankou.jp/index.html 

星空観察会について

URL:https://www.numata-kankou.jp/activity/experience/hoshizora/

 

利根沼田文化会館

住所:群馬県沼田市上原町1801-2
電話:0278-24-2935
営業時間:9:00〜22:00
プラネタリウム投影時間:毎週土曜日 14:00〜 40分程度

URL:http://www.oze.or.jp/~kaikan/planet.html

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

福田 靖

沼田市にある観光ぶどう園「福田ぶどうマルシェ」で働いています。脱サラして、都内から移住しました。沼田の良さは程よい田舎感だと思っています。バイクで、群馬の郷土かるたである上毛かるたのゆかりの地を巡っています。