見て知って食べて楽しむ!紅葉の三波石峡と L 字型が珍しい「下久保ダム」 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】
紅葉の三波石峡から「見る」日本一長いコンクリートダム
<下久保ダムから見た三波石峡 photo by Masaaki Muraoka>
群馬県と埼玉県の県境にある下久保ダムは、その下流に国の名勝・天然記念物にも指定されている三波石峡があります。私が訪れた11月中旬はちょうど木々が色づき始めた時期。
せっかくなら紅葉も一緒に楽しみたいと思い、下久保ダムを訪れる前に少しだけ寄り道してきました。
<すでに真っ赤に色づいた紅葉も photo by Masaaki Muraoka>
< photo by Masaaki Muraoka>
実は下久保ダムはL字型の形だけでなく、コンクリートダムとしては堤体の長さが日本一(605m)としても有名なんです。たしかに、どこまでも長く続いているように思えますね。
また、三波石峡からは見上げる下久保ダムは高い位置にあることもあり、より迫力が感じられます。
水資源機構の職員さんに聞く下久保ダムの魅力と秘密
<石田さん・根岸さんと下久保ダムのL字の角の部分で記念撮影photo by Masaaki Muraoka>
今回ダムを案内していただいたのは水資源機構の石田さんと根岸さん。下久保ダムの最も大きな特徴は、やはり「主ダム」と「補助ダム」という2つのダムを合わせたL字型の形だとのこと。
当時「東京砂漠」とも呼ばれた東京に少しでも多くの水を供給するため、山と山の間を流れる川をせき止める一般的な形のダムよりも高さを確保することで10倍以上多くの水を貯められるこの形が採用されたのだそうです。
<当日の貯水率は約75%でしたphoto by Masaaki Muraoka>
三波石峡から見えていたのは「補助ダム」と言われる部分で、放水口のある「主ダム」とはかなり印象が違いますね。
<放水口がある主ダム photo by Masaaki Muraoka>
今回は「ダムツアー」に参加し、下久保ダムの内部も見学させていただきました。
<専用エレベーターで地下4階に降り監査廊を進みます photo by Masaaki Muraoka>
中は気温10℃前後と冷んやりとして薄暗く、終点が見えない監査廊を歩いていると、歴史ある神殿に迷い込んだような気分になります。
壁から染み出した水分がコンクリートの石灰と混ざり合って、一部が鍾乳洞のようになっていました。完成から55年が経過した、下久保ダムの歴史が感じられますね。
<芸術的な模様です photo by Masaaki Muraoka>
今回参加したダムツアーは10名以上の団体限定ですが、複数のご家族で誘い合って参加されることもあるとのこと。巨大なダムの中の探検、お子さまもきっと気に入るのではないでしょうか。
<立ち入り禁止ですが、地下4階からさらに下に続く階段も見えましたphoto by Masaaki Muraoka>
ちなみに、埼玉県・群馬県の県境は下久保ダムのほぼ中央にあります。両県のキャラクターが共演するフォトスポット(?)になっているので、皆さんもぜひ探してみてください。
<シャッターの向こうはダムの管理に関わる空間になっているそうphoto by Masaaki Muraoka>
ダムカードもGETできる!三波石峡資料館で「知る」下久保ダム
<館内の展示をご案内いただきました photo by Masaaki Muraoka>
ダムツアーを終えて案内いただいたのは、下久保ダムや三波石峡の展示を行う「三波石峡資料館」です。下久保ダムの特徴や歴史だけでなく、日本中のダムについて学ばせていただきました。
そして、資料館を訪れた際にぜひ手に入れたいのが、下久保ダムの「ダムカード」!
国土交通省と下久保ダムを管理している独立行政法人水資源機構が管理するダムのほか、一部の都道府県や発電事業者の管理するダムで作成し、ダムの管理事務所やその周辺施設で配布しています。ダムへの理解を深めてもらおうとの目的で配布しているそうで、中には全制覇を目指して全国を巡っている方もいるとか。
ちなみに下久保ダムのダムカードには、放水中のかっこいい写真が使われていました。裏面には「コンクリートダムでは日本一を誇る」との文言も。地元民としてはなんだか誇らしい気持ちです。
<下久保ダム同士の共演! photo by Masaaki Muraoka>
「食べる」下久保ダム!道の駅上州おにしのダムカレー
<下久保ダムカレー(M) 1,000円 photo by Masaaki Muraoka>
下久保ダムの帰り道には、ぜひ国道462号沿いの「道の駅上州おにし」に立ち寄ってみてください。こちらのレストラン『暖炉亭』では今回訪れた下久保ダムを模した「下久保ダムカレー」が楽しめます。
白いごはんで、下久保ダムの特徴のL字型が見事に再現されていますね。添えられた鶏とこんにゃくの唐揚げは、三波石を表現しているのだそう。
サラダとポテトサラダも添えられて、野菜もたっぷりです!
今日見てきた景色を、今度は料理として楽しむとは新鮮ですね。カレーも優しい辛さで、お子さまから高齢の方まで楽しめる味なのではないかと思いました。
また、この「道の駅上州おにし」には譲原石器時代住居跡や譲原小学校跡などの歴史を感じられるスポットのほか、地元特産品や野菜の直売などもあります。
<解説音声が流れるので、知識がなくても楽しめます photo by Masaaki Muraoka>
<何人の児童が卒業していったのでしょうか photo by Masaaki Muraoka>
下久保ダムは、カレーにもなるほど地域に愛されるダム。現地までの道のりにも、三波石峡や道の駅上州おにしなど、地域の自然や文化を感じられるスポットがあります。群馬県と埼玉県の県境まで、下久保ダムを「見て」 「知って」 「食べる」ドライブに出かけてみませんか。
インフォメーション
三波石峡
住所:群馬県藤岡市譲原1608(駐車場)
三波石峡資料館(下久保ダム管理所)
住所:埼玉県児玉郡神川町矢納1356−3
電話:0274-52-2746
営業時間:8:30~17:00
定休日:なし
料金:無料
道の駅上州おにし
住所:群馬県藤岡市譲原1089-2
電話:0274-52-3300
営業時間:9:00~17:00
定休日:火曜日
望月優衣