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新鮮な地元野菜を堪能 JA邑楽館林の直売所に行ってみよう!【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

JA邑楽館林の直売所

更新日: 2024年12月13日

群馬県は、全国でも有数の野菜の生産地です。しかも山間部から平野部までその地域性を生かした種類の豊富さが大きな魅力といえます。かく言う私も、群馬県板倉町に移り住み、農家として暮らして、初めて目にした野菜もたくさんありました。そんな、本業は農家、日々の食卓を預かる子育て期真っ盛り主婦でもある県民ライターがおススメするのは、新鮮野菜の「直売所」。今回は県東部に位置して、高速道路からのアクセスも抜群な、JA邑楽館林が運営する2つの直売所をご紹介します。

農家さん直送だから、鮮度抜群!季節ごとの種類も豊富

直売所

「直売所」とは、生産者が直接農産物や加工品を販売する施設です。そのため、採れたての鮮度抜群の生産物が店舗に並び、地元ならではの珍しい品が集まるのが魅力です。また、生産者にとっても、お客さんの顔が見える売り場として、ニーズを汲み取ったり、お客さんとコミュニケーションを図ることができるとてもうれしい場でもあります。

農産物直売所ぽんぽこ

直売所ぽんぽこ

今回ご紹介するJA邑楽館林が運営する2つの直売所のうち、一つ目は「農産物直売所ぽんぽこ」です。地元では「ぽんぽこ」の愛称で親しまれているこちらは、東北自動車道「館林IC」からほど近く、特に週末は、高速を利用して訪れた県外からのお客さんでも賑わいをみせます。

駐車場も100台、大型バスも入れるゆったりスペースがあり、入口ではご当地キャラたちがお出迎え。

 

 

では、早速店内に入ってみましょう。

 

 

西側の入り口から入ると、まず色とりどりの切り花がお出迎えしてくれます。菊やユリなどのお供え用のお花から、季節の枝ものまで、充実の品ぞろえ。私も時々購入するのですが、リーズナブルな価格はもちろん、お花の鮮度が抜群なので、自宅で飾り始めてからの花持ちがすごいんです。

 

 

 

さらに店内を進むと、お総菜コーナーがずらっと広がります。地元の飲食店のお弁当や揚げ物、お惣菜がならぶ中で、私のイチオシは、「野いちご」さんです。

 

 

「野いちご」さんは、店内の一角に工房を構え、朝一で出荷されたぽんぽこのお野菜をふんだんに使ってお弁当やお惣菜を作っています。材料へのこだわりが熱く書かれたPOPにもぜひご注目ください。この日はチリビーンズとロコモコ弁当に心奪われました。まだ午前中なのにもうお腹がぐぅ~です。

 

 

 

そして、そのまま奥へ進むと店舗内で最も売り場面積の広い野菜コーナーへ。

この邑楽館林管内は、日本屈指のきゅうり生産地ということもあり、年間を通じて、きゅうりが途切れることはありません。シーズン真っ盛りのときは、生産者ごとの顔写真やこだわりPOPの前に各農家さんのきゅうりがずらりと並びます。品種や栽培方法の工夫も様々なので、お気に入りのきゅうりを「ご指名買い」する常連さんも多いようです(生産者にとってもそれは程よい緊張感です)。

伺った11月下旬は、そんなきゅうりのシーズンがひと段落して、冬の葉物が増えてきた頃でした。まるまるとしたブロッコリーやカリフラワー。鍋に入れたい白菜やネギ。おでんにうれしい大根や万能チンゲン菜などなど。

 

 

 

 

この日はオープン直後の時間帯に取材に伺ったので、店内を見回すと、たっぷり買い物をしている方が多数。

お近くにいらしたマダムにお話を伺うと、週に1回、埼玉から来ているそうで、「ここで買う野菜で作るサラダが新鮮でとってもおいしいの」と。特に、かぶ、きゅうり、トマトがお気に入りだそう。

 

熱心な生産者がどんどん新しい野菜にチャレンジしています

直売所ぽんぽこ

2008年にオープンした当初は、直売所というスタイルにまだ馴染みがなく、出品してくれる農家さんも少なかった、という立ち上げ当初のことをお話してくれたのは、店長の松本さん。その後、少しずつ農家さん同士の口コミで良い評判が広がり、現在では農家登録人数が500人を超え、群馬県でもNo.1の規模を誇る直売所になったそうです。

ぽんぽこの強みは?と松本店長に尋ねると、

「たくさんの研究熱心な農家さんが、季節ごとの様々な野菜を作って届けてくれるところです」と。

同じ野菜でも、他の生産者とかぶらないように新しい品種を取り入れたり、季節を少しずらして作付けしたり、様々な工夫があるそうです。また、イタリア野菜や中国野菜など、珍しいものにもチャレンジできるのは、少量ずつ生産して、店頭に並べて、お客さんの反応を見られるという農家にとっても直売所ならではの利点があるのかもしれません。

 

 

いかにも飲食店さんの仕入れかな?という買い物カートにびっしり2段分の野菜を見繕っていた男性にもちょっと声をかけてみました。

こちらはお隣、埼玉県羽生市でフレンチレストランを営むという方で「店が休みの日は、オープンの時間を目指して仕入れにきます。新鮮で種類も豊富なので」と。中でも今うれしいのは、「コールラビ」というもともと地中海原産のこのあたりでは珍しい野菜。鮮度抜群のお野菜は、食のプロからも大きな信頼を寄せられているようで、生産者の一人としてもなんだかうれしくなりました。

 

地産地消を普通に掲げています

直売所ぽんぽこ(コンセプト)

店内商品「すべて国産」というコンセプトを掲げているぽんぽこでは調味料なども含め、基本的には国産のものだけを取り扱っているそうです。

紹介してきた新鮮な野菜やお花、お惣菜以外にもまだまだお伝えしたい魅力的な商品がたくさんあるのですが、以下私の個人的おススメ3点をご紹介します。

まずは、「川辺豆腐」さん。ちょうど配達に来ていた店主の川辺さんに「こだわりは国産大豆ですよね?」と尋ねると「別にこだわりではありません。」と。

 

 

そのあまりのあっさりした回答に驚いていると、「別にこだわりではなく、普通のことです。」と。国産大豆は出回る流通量が少ないため、原材料の確保が大変だそうですが、昔からの長いお付き合いで、信州、栃木の豆を使っているそうです。

なるほど。こだわりではなく、「普通」に地産地消の食べ物が手に入る。これこそ直売所ぽんぽこの最大の魅力ですね。厚揚げやがんももとっても美味しいんです。我が家では、豆腐は毎日食卓に並びます。

 

 

続きまして、木工品です!この木工品は、本館と植物館の間の通路にひっそりと置いてあるのですが、リアル切り株、丸太、一枚板など、使い方次第ではとっても魅力的なものがリーズナブルに並んでいます。

 

 

この日はこの丸太を買って、玄関先の植物を乗せる台にしました!

そして、3つ目は、総菜コーナー近くにある冷蔵ケースに並ぶ地元の製麺所や麺屋さんの麺たち。やきそば、うどん、そばなど、小麦文化が根付いた邑楽館林地区ならではの品ぞろえです。

 

 

おまけ。川魚も有名なこの地域らしいのが、こちらのドジョウさん。生きているんです。子どもたちが興味津々に見ていて、そんな姿もほほえましい名物です。

 

 

農産物直売所「でんえんマルシェ」

農産物直売所「でんえんマルシェ」

二つ目はJA邑楽館林が運営する「農産物直売所でんえんマルシェ」です。こちらは、お隣太田市につながる幹線道路沿いにあり、邑楽町のバスターミナルと駐車場を共有しているので、豊富な駐車スペースが備えられています。

 

 

訪れたのは11月末。この日は快晴、ちょっと風もある日で、オープン時間に入口に近寄ると、なんとも香ばしいパンの香りが漂ってくるではありませんか。でんえんマルシェには店内工房で焼き上げるパン屋さんが入っているそうで、わくわく心躍らせながら、早速店内に入ってみましょう。

 

 

 

店内正面に入ると、正面にはお花コーナー、右手には地元の新鮮野菜がずらりと並びます。

 

 

左手にはフルーツ、お惣菜、レジコーナーが並びます。この日もレジからは元気な「いらっしゃいませ~」の声が響いていて、とても活気あふれるオープン時でした。

焼きたてと手仕事が魅力のパン屋「HOME GO ROUND」

パン屋「HOME GO ROUND」

吸い込まれるように店内右奥にあるパン屋さんへ。お店の名前は「HOME GO ROUND」。こちらのパン屋さんは邑楽町の障がい者就労施設のNPO法人が運営しているパン屋さんで、この日も早朝から仕込みをしていたというリーダーの高野さんにお話を伺いました。

 

 

左がでんえんマルシェの杉山店長。右がHOME GO ROUNDの高野リーダー。パンを食べた人が、元気になって、また明日から頑張ろう、そういう「循環」を生み出すようなお店になりたいとの思いでメリーゴーランドのイメージから名付けられた店名だそうです。

9時半の開店に向けて、食パン、総菜パン、ドーナツなど様々なパンを仕込んで焼き上げるそうで、外まで漂う香りはこの工房から生み出されていたんですね。

その日は、焼きたてを冷ましている途中だという”未来レーズン食パン”をお願いすると、奥から出して注文通りにカットしてくれました。グラフェッドバター、喜界島の粗糖、北海道産のはちみつ、サンゴの塩といったこだわりの材料を使った食パン生地に、一晩お酒に漬け込んだレーズンを焼き込んだレーズン食パンは、今すぐちぎって食べたい!そんな衝動に駆られるほどホカホカの焼き上がりでした。

パンは焼き上がり時間にあわせての予約ができるそうなので、遠方から行く場合は、事前に予約して取り置きをお願いするのもいいですね。

他にも、サンドイッチは店内でカツを揚げたり、鶏肉の照り焼きを仕込むところからすべて手作りという手の込みよう。

 

 

でんえんマルシェのお店の外にはガーデンチェアもあるので、こちらで買ったパンをすぐ食べたい!という方は、お天気の良い日には外で気軽にブランチコースに立ち寄るのもいいかもしれません。

冬が美味しい!露地野菜の楽しみ方

でんえんマルシェ(白菜)

でんえんマルシェのある邑楽町近隣は、ブランド白菜でも有名な地域。この日も立派な白菜が数種類並んでいました。スタッフで食育ソムリエの堀越さんにこれからのおススメと食べ方のアドバイスをもらいました。

「これから寒くなって2月くらいにピークを迎えるのが、白菜やほうれん草、ブロッコリーなどの露地野菜。中でも寒くなると、白菜の芯の部分が特に甘くなるので、ぜひサラダなど生で食べてみて欲しいです。」

「12月からスタートするちぢみほうれん草も普通のほうれん草に比べて甘みが強いのが特徴で、特に芯の赤い部分を食べてください。糖度計で図ると8~9度が出るほど甘いですよ。シンプルに茹でて食べたり、胡麻和えがおすすめです。」

 

 

 

 

売り場には、直売所ならではの泥付き野菜も。泥が保湿してくれているので、普段のスーパーではなかなかない泥付きにもチャレンジしてみてはどうでしょう。

家族で来て、季節を感じて楽しむ直売所

でんえんマルシェ(スイーツコーナー)

店内をくまなく歩くと、チーズ大福、生どら焼き、クレープ、シフォンケーキ、ワッフルなど、美味しそうなスイーツが目に留まります。

 

 

生鮮品だけじゃなくて、スイーツも豊富ですね?と杉山店長に伺うと

「特に週末は家族連れが多いので、地元の工房で作ったおやつやスイーツもたくさん並べてもらっています。ご家族で買い物に来て、楽しんで、そして地元の野菜を知って季節を感じてもらえればうれしいです」と笑顔の素敵な杉山店長。

 

 

なるほど!この面白&かわいい仕掛けは一緒に買い物にきた子どもの目線の高さ。飽きてしまいがちな子どもにも楽しんでもらおうと、商品のそばにひっそり、でもくすっと笑える飾りがところどころに忍ばせてありました。

 

 

最後に、家族連れにはとっても嬉しいのがパン屋さんの一角にあるソフトクリーム。楕円形でサクサク食べ応え十分のコーンに濃厚なソフトクリームが乗っていて300円。これは子ども連れだけでなく、みなさんにおススメしたいお買い物の締めですね。

充実した冬の露地野菜のお話を聞かせてもらい、締めくくりに美味しいソフトクリームを食べて、大満足の直売所取材となりました!

 

 

いかがでしたでしょうか?直売所ならではの品ぞろえや買い物の仕方にわくわくしてきませんか?近隣の方はもちろん、県外からも群馬にお越しの際には、ぜひJA邑楽館林の直売所に立ち寄ってみてください。

 

インフォーメーション

農産物直売所 ぽんぽこ

住所:群馬県館林市楠町1987-1
電話:0276-70-7788
営業時間/9:30~18:00(11月~3月)/9:30~18:30(4月~10月)
定休日:毎週月曜日(祝祭日の場合を除く)、年始4日まで

HP:http://www.ponpoko.jp

 

農産物直売所 でんえんマルシェ

住所:群馬県邑楽郡邑楽町狸塚1299-7
電話:0276-70-2000
営業時間/9:30~18:00(11月~3月)/9:30~18:30(4月~10月)
定休日:毎週水曜日(祝祭日の場合を除く)、年始4日まで

HP:https://www.denen-marche.com

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

柏崎祐子

佐賀県生まれ、群馬県板倉町に引っ越してきて7年目のきゅうり農家。3児の母。板倉の好きなところは、開けた田んぼ風景とバルーンが浮かぶ広い空。澄んだ夕焼けがとってもきれいなところです。