日本三大うどんの一つ 400年を誇る「水沢うどんの歴史」

水沢うどん_田丸屋.jpg

更新日: 2025年03月28日

稲庭うどん(秋田県)、讃岐うどん(香川県)と並び、日本三大うどんの一つとして知られる「水沢うどん」。名湯・伊香保温泉にほど近い伊香保町水沢で、400年以上の歴史を誇るご当地うどんです。

水沢うどんは透明感のあるつややかな麺が特徴。コシが強く、ツルッとした喉越しは格別です。

 

■水澤寺の参拝客に振る舞ったうどんが起源

水沢うどん発祥の地とされるのが、「水澤観音」の名で親しまれている「五徳山 水澤寺」です。およそ1300年前の飛鳥時代に推古天皇・持統天皇の勅願により、高麗から来日した恵灌(えかん)僧正によって創建された古刹ですが、この恵灌僧正がうどんの製法を伝授したと伝えられています。

江戸時代になると湯治場として伊香保温泉が人気を博し、坂東三十三観音の16番札所に選定された水澤寺も多くの参拝客で賑わいました。門前で僧侶たちが訪れる人々を手打ちうどんでもてなしたのが、水沢うどんの始まりだとされています。

 

■名店が軒を連ねる水沢うどん街道

水澤寺の門前には、約1.5kmに渡って十数軒のうどん店が建ち並び、「水沢うどん街道」とよばれています。

水沢うどんの原料は、小麦粉、塩、そして水沢山の伏流水のみ。手打ちにこだわる「清水屋」 「山源」 「三升屋」、27もの工程を2日間かけて丁寧に作る「大澤屋」、三段階の熟成でコシのある麺に仕上げる「水香苑」など、お店それぞれが独自の製法で伝統の味を守っています。

温かいうどんを提供しているお店もありますが、つるりとした喉越しを堪能できる冷たいざるうどんが定番。つけ汁は醤油だれのほか、風味豊かなごまだれを使用しているお店も多く見られます。名産の舞茸天ぷらも、うどんとの相性ぴったり。一緒に味わいたいグルメの一つです。

 

■水沢うどん街道へのアクセス

水沢うどん街道へは関越自動車道・渋川伊香保ICから約20分。伊香保温泉街からは車で約10分、伊香保バスターミナルから「水沢シャトルバス」(土日祝日のみ)「伊香保温泉タウンバス」(平日のみ)も運行しています。

県外からの観光客が多く、特に休日のお昼どきは混み合います。売り切れ次第終了のお店もあるので早めの来店がおすすめです。

 水沢うどんを堪能したら、水澤観音に参拝を。本堂には本尊十一面千手観世音菩薩を安置。元禄時代に建立された六角二重塔は県の重要文化財に指定されおり、回転する地蔵尊を左に3回廻して祈願するとご利益があると言われています。