手軽に上等なフルーツが手に入るなら、利根沼田がいいんじゃない?【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

藤稔(左)とシャインマスカット(右)

更新日: 2024年09月24日

利根沼田地域では、初夏のさくらんぼから始まり、ブルーベリー、すもも、ぶどう、そして、冬のりんごまで、上質なフルーツが楽しめます。その上都内からのアクセスも良く、関越自動車道なら1時間30分弱、上越新幹線なら最短で1時間強。・・・なら、フルーツ狩りは利根沼田が最適じゃないでしょうか? 

ここでは、利根沼田地域の2大フルーツであり、秋から冬にかけて旬を迎えるりんごとぶどうの観光農園を紹介します。

利根沼田のフルーツは名産地に負けていません。

利根沼田の景色(沼田市下発知町)

利根沼田の景色(沼田市下発知町)

 

利根沼田地域のフルーツは、観光農園ごとの生産量が少なく、収穫されたフルーツは農園での直販が多く、都市部のスーパーなどの店頭に並ぶ機会が少ないために、その良さを広める機会は多くありません。しかしながら利根沼田地域は、すももや、りんご、ぶどうの産地として知られている長野県北部の須高地域と地理的にほぼ同様な位置にあり、日中の寒暖差も大きく、生産されるフルーツの品質は名産地のものと比較しても遜色がありません。

 

代表的な品種:シャインマスカット、藤稔、ぐんま名月、ふじ

藤稔とシャインマスカット

藤稔(左)とシャインマスカット(右)

 

シャインマスカット:農林水産省が作出した皮ごと食べられる名品であり、熟すにつれて黄色くなり、甘みが増します。近年は、その派生品種である「マスカ・サーティーン」などの栽培も始まっています。

藤稔:沼田で栽培されている代表的な黒ぶどう。ピオーネの子供で、粒が500円玉程度の大きさになります。最近では、皮ごと食べられる黒ぶどう「ナガノパープル」なども栽培されています。

 

ぐんま名月・ふじ(あっちゃんりんご園提供)

 

ぐんま名月:群馬県が作出した黄色いりんご。酸味が少なく、甘みが強い。長野県や青森県で「名月」という名前で生産されています。他に、群馬県では「紅鶴」などが作出されています。

ふじ:栽培量日本一。「ふじ」に袋をかけずに栽培した「サンふじ」は、袋をかけないことにより甘さが増し、濃厚な味になります。

 

また食べたい・・・そう思えるぶどうを届けたい:やまいしぶどう園

やまいしぶどう園の棚の風景

やまいしぶどう園の棚の風景

 

40年以上、沼田でぶどうを作ってきた石田 裕次郎さんは、また食べたいと思ってもらえるようなぶどうを作りたいと考えています。「冬季の辛い作業も、自分のぶどうを待っている人がいる・・・そう思うと頑張れる。そんな人のためにも、美味しくて、安全なぶどうを届けたい。」と言います。今でも、その情熱にかげりは一切ありません。そんな彼のもとに新しい仲間が加わりました。

 

木戸口就さんご夫妻

 

娘夫婦が父の志を継ぐために移住してきたのです。娘婿の木戸口就さんは、季節の移ろいを感じられる沼田から、ふるさとの旬の味を届けたいと日々鍛錬を続けています。新たな力が加わり、やまいしぶどう園がさらに飛躍することを期待しています。

栽培品種:シャインマスカット、多摩ゆたか、巨峰、藤稔、ブラックビート、クインニーナ、キタサキレッド、シナノスマイル、紅伊豆、他。

 

日々鍛錬に励む木戸口就さんの真剣なまなざし

 

レインカットのスペシャリスト:かっちゃんフルーツ

園主の齊藤克敏さん

園主の齊藤克敏さん

 

かっちゃんフルーツで利用されているレインカット栽培は、ワイン用ぶどうの栽培方法を生食用のぶどうに応用したものであり、ぶどうの実の位置が低く、お子さまでもぶどう狩りができます。

園主である齊藤克敏さんは、ぶどうには多くの品種があること、色や形が多様なことに魅力を感じています。

お客さんに喜ばれるぶどうを作りたい。現状でも合格点をもらえると考えていますが、温暖化などの影響により、年々ぶどうの栽培が難しくなってきているので、いろいろ試行錯誤して現在と同等以上のぶどうを作っていきたいと努力しています。

最近のお客さんは、農家以上にぶどうの情報を持っているそうです。そんなお客さんにも楽しんでもらえるようにぶどうのうんちくを仕入れながら、日々努力されている姿が印象的でした。

栽培品種:シャインマスカット、黄玉、雄宝、マスカ・サーティーン、藤稔、ブラックビート、伊豆錦、安芸クィーン、紅瑞宝、クインニーナ、紅伊豆、他。

 

レインカット栽培

 

りんごの世界を楽しんで!:あっちゃんりんご園

2代目園主の阿部純子さん

2代目園主の阿部純子さん

 

あっちゃんりんご園では、りんごの樹に無理をさせず、農薬を減らし、化学肥料を使わないでりんごを栽培しています。そして、安全で美味しい高品質なりんごを継続的に作っています。2代目園主の阿部純子さんが、りんごの栽培に全面的に携わるようになって5年が経ち、現在はりんご栽培だけでなく、その加工にもチャレンジしています。

 

りんごの加工品の数々

 

定番のジャムやジュースはもちろん、フリーズドライのりんごやリンゴのチップスもありますが、さらに発展させていきたいと考えているそうです。また、お客さんとの繋がりを大切にしたいという想いから、お客さんが集う場としてカフェも始めたそうです。日替わりの自家製スイーツがオススメなのでぜひ行ってみてくださいね。

りんご狩りでは、りんごが実る樹の下でピクニックも楽しめます。自然に癒される一時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

栽培品種:ぐんま名月、もりのかがやき、鏡の私、王林、トキ、陽光、新世界、サンふじ、シナノスイート、紅玉、スリムレッド、秋映、グラニースミス、他。

 

泊まれるりんご園:原沢りんご園

原沢晃さんご家族(原沢りんご園提供)

原沢晃さんご家族(原沢りんご園提供)

 

日本一美味しいりんごをお客様に食べてもらいたいと、3世代にわたってりんごを作っている「原沢りんご園」は、栽培する蜜入りの完熟りんごが世代を超えたファンも多く、たくさんの方々に親しまれています。

 

ログハウス「ザ・アップル」(原沢りんご園提供)

 

そして、もっとりんごを楽しみたいというお客様からのご要望により、「果樹園グランピングヴィラ HARASAWA」を昨年開設いたしました。これはりんご農家による、りんご好きのためのりんご三昧な宿泊施設です。りんご狩りではもぎたての完熟りんごを楽しみ、その後時間を気にせずゆっくりとログハウス「ザ・アップル」に滞在。食事では、りんごをふんだんに使用した「クレージーアップルBBQ」に舌鼓を打ち、まさにりんご三昧でりんごに囲まれた時間を楽しむことができます。

りんごファンの方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと満足していただける場所だと思いました。

栽培品種:おぜの紅、とき、ひめかみ、シナノゴールド、シナノスイート、秋映、新世界、ぐんま名月、あいかの香り、ふじ、他

 

利根沼田地域には、上質なフルーツを生産する農園が多くあります。これらの農園は、栽培方法や加工品の取り扱いなどに特色があります。また、農園によってはお客さんが自然を楽しむためにカフェや宿泊施設を併設するところもあり、農園での楽しみ方も様々です。ぜひ、“推し”の農園を見つけに利根沼田地域へお越しください。

 

インフォメーション

やまいしぶどう園

住所:群馬県沼田市奈良町733-1

電話:0278-24-5531

営業時間:8:30〜18:00

開園:8月中旬〜9月中旬(詳細はお問い合わせください)

URL:https://yamaishi-grape.blogspot.com

かっちゃんフルーツ

住所:群馬県沼田市秋塚町370-1

電話:0278-24-5911

営業時間:9:00〜16:00

開園:9月上旬〜10月上旬(詳細はお問い合わせください)

あっちゃんりんご園

住所:群馬県沼田市中発知町204

電話(自宅):0278-23ー9163

電話(売店):0278-23-9866

営業時間:9:00〜17:00

開園:10月上旬〜12月中旬(詳細はお問い合わせください)

URL:http://m.facebook.com/acchanapple/

原沢りんご園

住所:群馬県利根郡みなかみ町布施2226-4

電話:0278-64-1417

営業時間:9:00〜15:00

開園:9月中旬〜12月初旬(詳細はお問い合わせください)

URL:https://harasawa-ringoen.com

果樹園グランピングヴィラHIRASAWA

電話:0278-64-1417

営業時間:10:00〜17:00

URL:https://www.gunma-glamping.com

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

福田 靖

沼田市にある観光ぶどう農園「福田ぶどうマルシェ」で働いています。脱サラして、都内から移住しました。沼田の良さは程よい田舎感だと思っています。自動二輪で県内のブランド豚のトンカツを食べに行っています。最近では、群馬の郷土かるたである上毛かるたのゆかりの地を巡ってみたいと考えています。