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天狗岩用水に沿って変化に富む散策を楽しむ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年03月27日

群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

2020年に世界かんがい施設遺産にも登録された天狗岩用水は、400年前の江戸時代からの歴史を持ち、群馬の農業に大きく貢献し人々の生活に潤いを与えてきました。60分のウォーキングコースに、群馬の自然と歴史を体験できるスポットが多くあり、今回その一部をご紹介します。

ウォーキングの起点は「道の駅よしおか温泉」

道の駅よしおか温泉に車を停めて、ウォーキングのスタートです。電車利用の方は後述の群馬総社からの逆コースがおすすめです。道の駅よしおか温泉には、日帰り温泉のリバートピア吉岡、レストラン和、物産館かざぐるま、吉岡町緑地運動公園等様々な施設があります。吉岡町緑地運動公園では、パークゴルフ、グランドゴルフ、ケイマンゴルフ、テニスを楽しむことができます。無料の足湯も手軽に楽しめ、10:00から日没まで温泉が湧き出ています。昨年7月には、車中泊の利用者に電源を供給できる「RVパークsmart道の駅よしおか温泉」もオープンし、キャンピングカー利用者に喜ばれています。

道の駅よしおか温泉
住所:北群馬郡吉岡町大字漆原1989番地
電話:0279-55-4126
HP:https://www.yoshioka-onsen.jp/
営業日・営業時間(年末年始・臨時休業等HPでご確認下さい)
リバートピア吉岡、10:00~21:00(受付20:30迄)、定休日、偶数月第2水曜、奇数月第2水木曜
レストラン和、11:00~20:00、偶数月第2水曜、奇数月第2水木曜
物産館かざぐるま、9:00~17:30、定休日、1月1・2日その他は原則無休(HPにて要確認)
吉岡町緑地運動公園、8:30~17:00、定休日、第2水曜

物産館かざぐるま屋上から吉岡町緑地運動公園(ゴルフ場)を望む

手軽に家族で楽しめる足湯

散策(ウォーキング)開始、群馬の自然が広がります

まずはゴルフ場を左に見ながら歩きます。歩き始めると、冬の終わりには早咲の桜、春になれば満開の桜が目を楽しませてくれます。その後すぐに3本の巨大な風車の羽根が見えてきます。その先には天狗岩水力発電所、1999年(平成11年)から2018年(平成30年)まで発電を続け現在は撤去された巨大な風力発電の羽根をモニュメントとして残し、「吉岡自然エネルギーパーク」として市民の憩いの場、自然エネルギーへの啓蒙の場となっています。水力発電といえば、群馬県で最初(日本でも5番目)の水力発電所は、天狗岩用水の落差を利用し1894年(明治27年)に作られた植野発電所。1914年(大正3年)に廃止されましたが、今でも跡地(総社町植野)に由来の記されたプレートが残っています。

冬枯れのゴルフ場に河津桜のつぼみ

満開の桜

巨大なモニュメントと天狗岩水力発電所

サイクリングロード沿いに続く満開のむらさき大根

赤城山を望む利根川の景色

田畑を潤す天狗岩用水の清流

コースの数か所で天狗岩用水の真横を歩きます。夏には用水の涼しげな流れと共に歩を進め、マイナスイオンを浴びながらの快適な散策となります。

総延長23kmの用水の一部だけ見ても、400年前の先人の苦労がしのばれます。天狗岩用水は、領主と農民が力を合わせて作り上げ、その領主への感謝の気持ちを末代にまで伝えるため、農民が自ら石碑(「力田遺愛碑」光巌寺)を建立したという逸話が残る全国的に見てもとても貴重な灌漑施設です。

また、開削時に巨大な岩が出現し困っていたところ、天狗が飛来して取り除いたという伝説(天狗来助)もあります。

夏の散策にピッタリの用水の流れ

赤城乗馬クラブ

遊歩道沿いに赤城乗馬クラブがあります。道路沿いから馬の様子を眺めるだけでも充分楽しめるのですが、ポニーへの餌やり体験や、馬場での乗馬体験、赤城山を望みながら利根川の河原(ちょっとした流れを跨ぎながら!)の外乗を初心者でも楽しめます。

赤城乗馬クラブ
住所:北群馬郡𠮷岡町漆原1590-1
電話:0279-54-0481
HP:http://www.akagi-johba.co.jp
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日

ポニーへの餌やり

馬場での乗馬体験

沿道から聞こえる鳥のさえずり

様々な鳥が四季折々かわいい鳴き声を聞かせてくれます。肉眼でも様々な姿を楽しむことができます。特に小綬鶏(こじゅけい)の家族はよく見かけます。カサカサと茂みから音が聞こえたら、目を凝らせばもそもそ歩いている姿を見かけることができます。小綬鶏の聞きなし(鳴き声)は諸説あり、「ちょっとこい、ちょっとこい」が有名ですが、私にはどうしても「かあちゃんこわい、かあちゃんこわい」と鳴いているように聞こえてしまいます。

小綬鶏(こじゅけい)の親子

枝にとまるホオジロ

梢のシメ

水天宮石祠

1843年(天保14年)8月、天保の飢饉から住民を救った用水の恩恵に感謝して、地元の人々がこの水天宮を建立しました。今でもしっかりと手入れされ、いつ来ても花が供えられています。

水天宮石祠とサイクリングロード

まとめ

この水天宮石祠までで、歩き始めておよそ30分。ここで折り返して60分のウォーキングコースです。ここから歩いて10分ほどのところにJR群馬総社駅がありますので、電車利用の方はここを起点に逆コースがお勧めです。

この先に前述の光巌寺があり、「力田遺愛碑」の石碑を見ることができます。健脚な方はもう一歩足を延ばせば、天狗岩用水遊歩道が続き快適な散策を続けることができます。また、天狗岩用水はこの後八幡川と合流し、河川名を滝川に変え、さらに恩恵を与える水田を広げ、佐波郡玉村町まで流れていきます。

参考文献:
「世界かんがい施設遺産登録記念誌、天狗岩用水」
水土里ネット天狗岩(天狗岩堰土地改良区)発行

 

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大塚拡成

九州出身、結婚で群馬と縁ができ、今では第2の故郷です。東に赤城、西に榛名、利根川の瀬音を聴きながらの生活に感謝です。