上野三碑(こうずけさんぴ)

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更新日: 2023年03月23日

 

 

ユネスコ「世界の記憶」

約1300年前の日本と大陸文化の交流を示す国内最古級の石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」は、7〜8世紀の古代の石碑、山上碑(やまのうえひ)・多胡碑(たごひ)・金井沢碑(かないざわひ)の総称で、直径約3㎞以内に三碑が近接しています。

すべて国指定特別史跡。三碑は相互に関連性が深く、朝鮮半島の石碑文化、中国の政治制度や漢字文化、仏教文化などの影響がうかがえ、中央(近畿)から遠く離れた東国の上野国(群馬県)に、当時の先進文化が受容され、守られていたことを示しています。東アジアの交流を示す歴史的・文化的に貴重な遺産としてユネスコ「世界の記憶」へ登録されました。

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山上碑(やまのうえひ)特別史跡

飛鳥時代の681年に建てられ、完全な形で残る日本最古の石碑。碑文には放光寺(ほうこうじ)の僧、長利(ちょうり)が母親のために石碑を建てたことが記されています。すべて漢字で書かれており、日本語の語順で漢字を並べた最古級の歴史資料と位置付けられます。

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多胡碑(たごひ)特別史跡

奈良時代初めの和銅4(711)年、上野国の14番目の郡として多胡郡が建郡されたことを記念して建てられた石碑。碑文から、建郡に際して「羊」という渡来人と思われる人物が大きな役割を果たし、初代の郡長官になったと見られています。その優れた楷書体は、後世の日本の書家にも影響を与えています。

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金井沢碑(かないざわひ)特別史跡

奈良時代前半の726(神亀3)年に三家氏(みやけし)を名乗る豪族が、先祖の供養と一族の繁栄を祈って建てた石碑。碑文に出てくる「群馬」の文字は、県内では最古の事例であり、群馬県の名前のルーツを知る上で非常に重要な資料です。