だるまの聖地!少林山達磨寺の魅力 後編 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

少林山達磨寺

更新日: 2025年09月12日

後編は縁起だるまの聖地、少林山達磨寺の魅力を再びお届けします!「目出しだるま お姿守」は傾けると目が現れる楽しく縁起の良いお守りで、挑戦する人達を応援します。他にも全国から奉納された、だるまやブルーノ・タウトのデスマスク、だるま灯籠、北斗七星の御朱印帳も必見です。歴史と遊び心が融合する高崎の名刹で、福を呼び込みましょう!

 

前編はこちら https://gunma-kanko.jp/features/292

リニューアルした達磨堂で驚きの展示に感動!

達磨堂

群馬県高崎市の少林山達磨寺は、縁起だるま発祥の地として知られる禅寺です。2024年にリニューアルされた達磨堂は、参拝の中心地として生まれ変わり、訪れる人々を魅了しています。

伝統的な木造建築の温もりと現代的なデザインが調和した2階建ての空間は、落ち着いた雰囲気の中にも荘厳さが漂います。だるまの歴史をわかりやすく伝える展示が並び、参拝者に穏やかな時間を提供します。1階・2階ともに無料開放されており、誰でも気軽に楽しめるのが魅力です。

 

<納経・御朱印受付>

 

リニューアルにより、達磨堂はより広々とした空間となり、毎年1月6日〜7日の「七草大祭だるま市」や正月などの混雑時も快適に参拝できます。

 

<達磨大師の坐禅像> 

 

中央には、達磨大師(菩提達磨)の坐禅像が安置されています。達磨大師は、約1600年前に南インドから中国に渡った禅宗の開祖です。長い間坐禅を続けたことで知られ、赤い衣をまとったその姿は、縁起だるまのモデルになっています。

さらに、達磨堂では日本全国や海外のだるまが展示されており、その多様性に驚かされます。

 

<全国のだるま。多様なデザインに感動>

 

伝統的な赤いだるまから、地域ごとの特色あるデザイン、さらには海外の異文化を取り入れたユニークなだるまが展示されています。

 

<だるま文化の宝庫を体感できます>

 

これらの展示は、だるま文化の奥深さと世界への広がりを体感できる貴重な機会です。歴史と現代が融合した達磨堂は、参拝の思い出を特別なものにします。

 

<中国だるまの不倒翁>

歴代の総理大臣のだるまとデスマスク

歴代のだるま

特に注目すべきは、歴代総理大臣の名前が入っただるまの展示です。達磨堂の階段を上がった2階の高い場所に、厳かに飾られています。日本全国や海外の多様なだるまが並ぶ中、歴代総理の名前が記されただるまはひときわ目を引きます。

なんと、だるま一つの大きさは100丸(およそ100cm)。紙で出来ているので持ち上げられる重さだそうです。日本の政治史を象徴するこれらのだるまは、高い位置に展示されているため、見上げることでその存在感をより強く感じられます。

さらに奥へ行くと、少林山達磨寺と縁の深いドイツ出身の建築家、ブルーノ・タウト(1880〜1938年)に関連する資料を展示しています。2年3ヶ月の間、少林山達磨寺の境内地内にある洗心亭に住みながら、家具の設計をはじめ、竹や和紙を使った作品や漆器、竹皮細工、銘仙の図案など日本独特の素材を生かし、モダンな作品の数々を作り出しました。

タウトが日本文化に魅了された背景や、彼の工芸品を実際に見ることができます。

 

<ブルーノ・タウトのデスマスク>

 

特に、タウトが亡くなった直後に石膏でかたどったデスマスクは、彼の顔を精巧に残した貴重な展示で、デスマスク自体を初めて見た筆者はとても驚きました。

 

<緑の椅子。日本文化への愛を体感>

 

また、タウトが洗心亭滞在中に設計した「緑の椅子」も展示されていて、彼の美的センスと日本文化への愛が感じられます。これらの展示は、達磨寺の多様な魅力を象徴し、訪れる人に深い印象を残します。 

歴史と文化が交錯する達磨堂は、訪れる人々にだるまの魅力とタウトの遺産を伝え、感動を与える空間です。

少林山達磨寺で、写経を納めて御朱印を授かる

御朱印

<少林山の信仰を旅の証に>

 

少林山達磨寺は、御朱印を求める参拝者に人気です。御朱印は本来単なる記念スタンプではなく、写経を納めた証として授与されるため、伝統に則った手順が必要となります。

受付時間は9時〜17時。達磨堂で受付を行い、「十文字写経」を行います。この写経は、般若心経の表題「摩訶般若波羅密多心経」の10文字を書き写すものとなっています。

 

<こちらが写経用紙>

 

以下にその手順を紹介します。

 

1 願い事をひとつ決めて書き入れる:筆ペンと写経用紙が用意されており、まず願い事を記入します。筆者は「大願成就」としました。

 

2   日付と名前を書き入れる:今日の日付と自分の名前を記入します。

 

3    丁寧になぞり書きする:願いを込め、薄い文字を一点一画丁寧になぞります。文字が大きく、はみ出さないように書くのは意外と難しい!不器用な筆者は苦戦しましたが、心を落ち着けて取り組めば大丈夫です。

 

書き終わった写経を納めると、和尚がお経を唱え、御朱印を授与してくれます。写経料は志納で、金額に決めはないようです。

事前に般若心経を自宅で写経して持参も可能です。筆者も無事に御朱印をいただき、達成感を味わいました!

 

<北斗七星の御朱印帳3種。神秘的なデザインに魅了されます>

 

また、達磨堂では、北斗七星が描かれた美しい御朱印帳が販売されており、達磨寺の象徴である北斗七星の神秘を感じられるデザインに心惹かれました。この御朱印帳は、寺の歴史や信仰を象徴する一冊として、旅の記念に最適。参拝の思い出を刻むのにぴったりで、写経の厳かな体験とともに、心に残る宝物となりました。

目出しだるまで才能の開花!

目出しだるま(お姿守)

<目出しだるまお姿守。傾けて願いを込める縁起物>

 

「目出しだるま お姿守(全2色)」は、ユニークなお守りとして人気です。このお守りは、傾けると目が現れる仕掛けが特徴。

「目」と「芽」をかけて「良い芽や才能の芽が出ますように」との願いが込められ、受験生や新たな挑戦をする人にぴったり。赤と金の2色があり、コンパクトなサイズ感で持ち運びも簡単です。さらに、頭の穴を覗くと達磨大師のお姿が見える工夫が施されており、信仰心を身近に感じられます。

 

<目出しだるまには、だるま守(大小)とお姿守があります>

 

筆者はその遊び心と縁起の良さに魅了されました。注目を集めるこのお守りは、寺の伝統を気軽に持ち帰れる一品。お土産や自分への励みに、ぜひ手に取ってみてください。幸運と才能の芽を願う素敵なアイテムです!

だるま灯籠とデジタルで輝く魅力

だるま灯籠

<昼間のだるま灯籠>

 

少林山達磨寺を訪れたら見逃せないのが、伝統美と現代技術の融合です。筆者のおすすめは、冬限定の「だるま灯籠」。

 

<冬の夜を彩るだるま灯籠>

 

冬の夕方から夜にかけて、ライトアップされるだるまは幻想的で、写真映えする人気スポットです。寒い夜に輝く灯籠は、寺の風情を一層引き立て、訪れた人の心を温かく灯します。

 

<幻想的な光が寺の風情を引き立てます>

 

もう一つの見どころは、本堂(霊符堂)正面に設置されたデジタルサイネージ。達磨寺の歴史やだるまの由来など7つのコンテンツが楽しめ、英語にも対応しており、外国人観光客にも好評です。

 

<本堂前のデジタルサイネージ。寺の歴史を楽しく学べます>

 

このモダンな設備は、寺の魅力を気軽に学べる素晴らしい取り組みです。伝統のだるま灯籠とデジタル技術が共存する少林山達磨寺は、訪れるたびに新たな発見がある場所です。

 

<だるまの由来を英語でも楽しめます>

 

少林山達磨寺は、縁起だるまの発祥地として輝く観光地。リニューアルした達磨堂では、全国のだるまやブルーノ・タウトの遺産に感動しました。また、幻想的なだるま灯籠の光や、目出しだるまの遊び心がさらに群馬県の旅を彩ります。歴史と現代が交錯するこの場所で、群馬ならではの“縁起”と文化にふれてみてはいかがでしょうか?

 

インフォメーション

少林山達磨寺

住所:群馬県高崎市鼻高町296
電話:027-322-8800
営業時間:9:00〜17:00(寺務所・札場・達磨堂) 
     だるま絵付け体験は、10:00~15:30受付、16:00閉店

定休日:年中無休
料金:参拝無料
駐車場:無料(約100台収容)
アクセス:高崎駅西口からバス(ぐるりん少林山線 乗附先回り)に乗車し、「少林山入口」で下車
     JR信越線「群馬八幡駅」下車、徒歩約25分

 

御朱印

受付場所:達磨堂
時間:9時〜17時まで
※写経(納経)が必要(予約不要)

公式HP:https://www.daruma.or.jp/

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

タマル

群馬の魅力を発信する「タマルのぐん旅」ブログを運営。旅形式で県内の秘境や温泉、隠れた名店を綴っています。趣味は、県内の温泉巡りと地元グルメの食べ歩き。ロードバイクで挑む「榛名山ヒルクライム」や「まえばし赤城山ヒルクライム」で群馬の魅力ある自然を体感しています。