108mの蛇が舞う!老神温泉大蛇まつりの熱気を体感 前編  【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

大蛇まつり

更新日: 2025年06月27日

2025年5月9・10日、群馬県沼田市の老神温泉で第61回大蛇まつりが盛大に開催されました。9日には12年ぶりに全長108mの迫力ある大蛇みこしが登場!300人の担ぎ手の力強い掛け声とともに温泉街を練り歩き、熱気あふれる光景が広がりました。伝統と活気が融合した祭りの魅力をお届けします。

12年ぶりの大蛇みこし

大蛇みこし

2025年5月9日と10日に、群馬県沼田市老神温泉で第61回大蛇まつりが開催されました。赤城神社例大祭の中心行事として、赤城山の守り神「蛇」に感謝を捧げる伝統的なお祭りです。巳年(2025年)の今年、5月9日限定で全長108.22mの「世界最長の祭り用蛇」としてギネス世界記録に認定された大蛇みこしが12年ぶりに登場。300名の担ぎ手による勇壮なパレードが温泉街を彩りました。

 

<祭りの幕開けを告げる赤城神社>

 

赤城神社は、この祭りと老神温泉の開湯伝説を結ぶ神聖な場です。伝説では、赤城山の神(大蛇)が日光男体山の神(大ムカデ)と戦い、矢で傷ついた大蛇がこの地に逃げ帰り、刺さった矢を抜いて地面に突き刺すと、温泉が湧き出し、傷を癒したとされています。この物語は、湯守の儀や大蛇みこしに息づき、追い神(おいがみ)の地名に歴史を刻みます。私は取材と撮影を通じて、祭りの熱気と地域の誇りを県内外に伝えたいと思います。

御神湯守の儀(おんゆもりのぎ)

御神湯守の儀

午前11時から、赤城神社での神事を経て「御神湯守の儀(おんゆもりのぎ)」が執り行われました。この儀式は、老神温泉を授けた赤城の神への感謝と、訪れる全ての人々の安全を祈願する神聖な伝統です。長年にわたり受け継がれ、老神温泉の歴史と信仰を象徴しています。

筆者は日帰り温泉施設の「湯元華亭」に取材協力いただき、儀式の様子を撮影。各旅館やホテルが大切に守る源泉を赤城神社の御神前に奉納し、祝詞の中で地域の安寧と温泉の恵みを祈りました。

旅館の玄関先とお風呂を祓い清め、御祈祷を受けた源泉「御神湯(ごしんとう)」を湯船に注ぎます。

 

<こちらが御神湯(ごしんとう)>

 

<御神湯(ごしんとう)を湯にゆっくりと注ぎます>

 

そして、開湯伝説にちなみ、矢を湯に刺す瞬間は赤城の神への感謝を伝え、老神温泉の魂を感じさせます。

 

<矢を湯に刺す瞬間は神聖な空気を漂わせます>

スタートから赤城神社前(前半)

出発式

<出発式では自然と笑みがこぼれます>

 

15:00から、108m大蛇みこしの出発式が始まり、15:30から特別渡御がスタート。12年ぶりに登場した2トンを超える巨大な蛇が温泉街を進み始め、沿道は歓声に包まれました。筆者はカメラを手に、大蛇と担ぎ手が揃う瞬間を撮影しました。

※大蛇みこしの渡御の様子は、前半(トピックス3)・中盤(トピックス4)・後半(トピックス5)の3回に分けて時系列に紹介します。

 

<108m大蛇みこしが温泉街目指して進み始めます>

 

多くの学生や外国人の担ぎ手が参加し、2トンの重さを感じさせず、笑顔で楽しそうに担ぐ姿が印象的でした。「セイヤ!」の掛け声とともに、大蛇みこしが軽快に進み、左右に揺れるたびに道の壁に近づくと、スタッフが素早く支える場面もありました。若々しいエネルギーが温泉街に活気をもたらしました。 

 

<担ぎ手の力強い一歩が祭りを盛り上げる>

 

<赤城神社前は下りなのでブレーキをかけつつ降りていきます>

 

<沢山の観光客に迎えられる大蛇みこし>

 

<2トンにもなる大蛇みこしを支えながら降りていくのは大変そうでした>

 

<1枚の写真に収まらない大蛇の長さ>

赤城神社付近からおうよう橋(中盤)

大蛇みこし

小休憩後、大蛇みこしは温泉旅館街から再び動き出しました。300名の担ぎ手、特に学生や外国人の「セイヤ!」の声が温泉街に響きます。

 

<休憩後、再度動き出した大蛇みこし>

 

旅館街を進む際、沿道には地元住民や観光客が集まり、みこしの迫力に目を奪われ、多くの見物客、カメラマン、多くの方がスマホやカメラでその姿を撮影していました。

 

<担ぎ手の息が合った動きが美しい>

 

担ぎ手たちの息の合った動きと、巨大な蛇がしなやかに進む様子は圧巻で、観客の視線を釘付けにしました。赤い橋の手前では、みこしのリズミカルな動きが一段と際立ち、老神の団結力を感じさせました。

 

<八重桜と大蛇みこし>

 

<新緑が彩るおうよう橋>

吟松亭あわしまからゴール(後半)

大蛇みこし

「吟松亭あわしま」手前の坂に差し掛かると、みこしの重さが担ぎ手にのしかかりますが、「セイヤ!」の掛け声は力強く響きます。急な坂を登る際、担ぎ手たちは息を合わせて一歩ずつ進み、観客の応援に力をもらっていました。

 

<坂を登りきったのでゴールまであと少し>

 

私は終盤、坂を越えてゴールとなる紫翠亭前へ到着する瞬間を撮影しました。観客の歓声と太鼓の響きが最高潮に達し、108mの蛇が静かに鎮まる光景は感動的でした。

 

<紫翠亭前のゴールに到着した大蛇みこし>

 

この大蛇みこしは、老神の魂と絆を体現する壮大な祭りで、参加者全員の心に忘れられない感動を生みました。

 

12年ぶりの全長108mの迫力ある大蛇みこしの勇壮な渡御は圧巻。300人の担ぎ手と観光客の熱気が老神温泉街を熱く盛り上げました。筆者は大蛇みこしの迫力に感動。祭りは地域の絆を深め、伝統の炎を次世代に灯す、温泉街に響く力強い祭りでした。

インフォメーション

老神温泉観光協会

所在地:群馬県沼田市利根町老神607-1 
営業時間:9:00~17:00
定休日:火曜
電話番号:0278-56-3013

HP:https://www.oigami.net/

SNS:https://oigamionsen.gunmablog.net/

 

湯元華亭

所在地:群馬県沼田市利根町大楊1519-4
営業時間:11:00~19:00(最終入館受付18:00)※お食事 ラストオーダー15:00
休館日:木・金、水曜は不定休(祝日の場合は営業)
電話番号:0278-56-4126
アクセス:関越自動車道沼田インターより車で25分 (17Km)
入館料:※料金はすべて入湯税・消費税込みで表記しています。 大人1,000円 小学生300円 幼児(0歳~6歳)無料
館内施設:内風呂・露天風呂・無料広間・お食事処・おみやげ処・有料個室(8・10畳)
泉質:単純硫黄温泉
効能:皮膚病、婦人病、糖尿病、神経痛、筋肉痛関節痛、五十肩、冷え性、消化器病

HP:https://www.hanatei.info/

SNS:https://www.instagram.com/yumotohanatei/

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

タマル

群馬の魅力を発信する「タマルのぐん旅」ブログを運営。旅形式で県内の秘境や温泉、隠れた名店などを綴っています。趣味は、県内の温泉巡りと地元グルメの食べ歩き。ロードバイクで挑む「榛名山ヒルクライム」や「まえばし赤城山ヒルクライム」で群馬の魅力ある自然を体感しています。