華やか!かわいい!伊勢崎銘仙と出会う旅 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

伊勢崎銘仙

更新日: 2025年05月09日

上毛かるたにも読まれる伊勢崎市の名産、伊勢崎銘仙。明治から昭和の時代に、普段着として人気を博した絹織物です。産業としての生産は途絶えていますが、色鮮やかで斬新なデザインが改めて注目され、市内の店舗やイベントで目にする機会が増えました。伊勢崎銘仙と出会えるスポットを紹介します。

銘仙ファン、建物ファンが集う!いせさき明治館

いせさき明治館(伊勢崎銘仙)

<エントランスに展示された華やかな銘仙>

 

伊勢崎市の中心街にある「いせさき明治館」では、一年を通して伊勢崎銘仙の企画展を開催しています。同館は県内最古とされる木造洋風医院建築。和と洋が融合する意匠を凝らした館内に、華やかな銘仙が並びます。

展示しているのは、伊勢崎市観光物産協会が所蔵するコレクション。約1000点の銘仙の中から、季節のテーマに沿った20点ほどを展示しているので、企画展ごとに訪れる人も多いそうです。

伊勢崎銘仙はデザインに決まりがなく、花鳥風月、幾何学模様、物語、動物など柄が豊富。展示品によって、部屋の雰囲気ががらりと変わります。

 

<機織り機と糸を染めていた型紙>

 

館内では、実際に使用していた機織り機も展示しています。伊勢崎銘仙は、生地を織る前に糸を染める先染めの織物。たて糸とよこ糸の両方を柄に合わせて染めて織る併用絣は、伊勢崎でしかできない高度な技法です。

希望者にはスタッフの方が簡単に説明してくれるので、ぜひ聞いてみてください。製造工程を知ると、再度じっくりと絵柄を見たくなるはずです。

 

<ミュージアムショップに並ぶポーチやカードケース>

 

館内一角にあるミュージアムショップでは、銘仙の端切れで作ったグッズを販売しています。バッグやポーチに髪飾り、どれも手作りで一点もの。自分へはもちろん、海外の人へのお土産にも人気があります。

伊勢崎銘仙の専門店 おしゃれな着こなしを提案

伊勢崎銘仙専門店

<コーディネートを提案>

 

明治館からほど近くの場所にある「いせさき銘仙の店 華々」。ショーウインドウには、かわいくコーディネートされた着物が飾られており、店に入る前からワクワクします。代表を務めるのは、モダンでカラフルな伊勢崎銘仙にほれ込んだという高山華代さん。夫が経営する前橋市のリサイクル着物店を手伝うかたわら、催事で銘仙を販売していましたが、伊勢崎市のまちなかに賑わいを創出するセミナーなどを経て、銘仙の地である同市に専門店を出店しました。

アンティーク調の家具をそろえた店内には、高山さんが厳選して仕入れた約300点の着物と羽織が並びます。この中から好みの一点を探すのは、悩ましくも楽しい時間。モダンな銘仙に合う帯、帽子、ポンチョなどもあり、看板娘として店頭に立つ高山さんの姪がコーディネートの提案もしてくれます。

また、着物でのランチ会や旅行、ワークショップの企画も行っており、情報交換や仲間づくりの場としても一役買っています。

お茶のパッケージやお守りも 生活に取り入れられる銘仙

日本茶専門店「茂木園」

<銘仙袋を手にする茂木さん>

 

中心街には伊勢崎銘仙と出会える場所が他にもあります。明治18年から続く日本茶専門店「茂木園」では、銘仙の絵柄をパッケージにデザインした銘仙茶を販売。伊勢崎銘仙のカラフルで斬新な絵柄に感銘を受けた4代目女将の茂木宏美さんが考案し、5種類の茶葉を選定して個包装のティーバックにしました。銘仙袋入りのセットもあり、手土産としても好評です。

 

<カラフルなパッケージの銘仙茶>

 

800年以上の歴史がある「伊勢崎神社」には、伊勢崎銘仙を使った御朱印帳とお守り袋が並びます。禰宜の斎藤宏平さんが発案し、細かな柄の銘仙を集めて御朱印帳とお守り袋にアップサイクルしました。すべて柄が異なるため、訪れた人は楽しそうにお気に入りの柄を選んでいるそうです。お守り袋は長く使えるようにと、中に入れるお札を入れ替えることができます。

 

<銘仙を使った御朱印帳とお守り>

コーヒーの香り漂う店内に銘仙

スターバックス コーヒー 伊勢崎今泉店(伊勢崎銘仙)

<入り口近くに展示する銘仙>

 

中心街からは離れますが、スターバックス コーヒー 伊勢崎今泉店は店内に伊勢崎銘仙を展示しています。地域に根差した店にしたいと、2022年9月のオープン間もないころから同店が独自に続けている取り組みです。伊勢崎銘仙プランナーとして活動する金井珠代さんが、季節に合った柄を選んで展示しており、毎月変わる銘仙を楽しみに来店する人も多いと言います。不定期で銘仙を使ったワークショップなども開いています。

同店はドライブスルーもありますが、店内で銘仙を眺めながらくつろぎのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

<カウンターでは銘仙で作ったテディベアがお出迎え>

 

取材をする前は「かわいい着物」と眺めていた伊勢崎銘仙。深掘りすると生産技術の高さに驚きました。そんな伊勢崎銘仙を多くの人に知ってほしいという、地域の人々の熱い思いにも触れ、すっかり銘仙ファンになってしまいました。

 

インフォメーション

いせさき明治館

住所:群馬県伊勢崎市曲輪31-4
電話:0270-40-6885
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜、火曜(祝日の場合は水曜)、年末年始
料金:無料

 

いせさき銘仙の店 華々

住所:群馬県伊勢崎市本町23-11
電話:0270-71-8712
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜、イベント出店時、買い付け時

 

OCHAVA 茂木園本店

住所:群馬県伊勢崎市本町20-1
電話:0270-25-0174
営業時間:10:00~18:30
定休日:月曜

 

伊勢崎神社

住所:群馬県伊勢崎市本町21-1
電話:0270-25-0542
社務所受付時間:4月~9月 9:00~17:00、10月~3月 9:00~16:30
社務休日:仏滅

 

スターバックス コーヒー 伊勢崎今泉店

住所:群馬県伊勢崎市今泉町2-338-2
電話:0270-75-5673
営業時間:7:00~23:00
定休日:不定休

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

関口美智子

群馬で生まれ育ち、ずっと群馬在住。群馬の山並みを毎日眺めて癒されています。趣味は温泉めぐりと、筋トレ、スイミング、ランニングなど体を動かすこと。二児の母で、子供たちと山登りに行くことが楽しみ!