旅行でも使える! 犬のマナーベルトとマナーパンツの特徴や選び方、装着法

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更新日: 2025年03月31日

犬との旅行先では愛犬の粗相も心配の一つ。トイレトレーニングができていたとしても、不慣れな場所ではストレスや他の犬のにおいなどから、ついオシッコをしてしまうことがあります。そんな時に便利なのがマナーベルトやマナーパンツです。この記事では犬用のマナーベルト、マナーパンツの特徴や選び方をご紹介します。

「マナーベルト」「マナーパンツ」は犬用のサニタリー用品の一つ。内側に吸水性に優れた素材の尿とりパッドが尿を漏らさず吸収してくれる、粗相を防止できるツールです。

「マナーベルト」は「マナーバンド」と呼ばれることもありますが、腹巻のようにくるりとお腹に巻くタイプで、オス犬用です。

「マナーパンツ」は後ろ脚を通してはくパンツ型でメス犬用のものが多く「サニタリーパンツ」と呼ばれることもあります。メーカーによってはオス犬に対応したものもあります。

マナーベルトやマナーパンツは老犬介護で使うようなおむつとは少々違い、基本的にはアクティブなシーンで使用することが目的で、おむつに比べて尿の吸収力は低めです。

その他、シャツ型やワンピース型、サスペンダー付きのパンツ型など、中にマナーパッド(尿とりパッド)を敷いて使うタイプのものもあり、この場合はマナーパッドをカバーするものとしてマナーウェアと言われたりします。

一点注意が必要なのは、メーカーによってマナーベルトやマナーパンツもおむつと呼んでいたり、これらのマナー系商品全般をマナーウェアと呼ぶこともあったりして呼び方は少々曖昧になっているのと、マナー系とおむつを兼ねた商品もあったりするので、商品をよく見て判断してください。

MANNER BELT(MANDARINE BROTHERS)

 

【一般的なマナーベルト、マナーパンツとおむつの比較】

 

マナーベルト、マナーパンツ

おむつ

主な使用シーン

外出、旅行、メス犬の発情期

介護、おもらし防止

犬の活動レベル

高い

低い

装着する時間

短い

長い

尿の吸収量

少ない

多い

マナーベルト、マナーパンツを使うメリットとデメリット

犬にパンツや腹巻を着けるの?と抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、マナーベルトやマナーパンツを使うことにはメリットがあります。

たとえば…

 

  • おでかけ先や旅行先など、オス犬のマーキングやふいの粗相を予防できる
  • メス犬の場合、発情中に周囲が汚れるのを防ぎ、出血量も確認することができる
  • 将来的に老犬となり、おむつが必要になった時の事前練習になる

 

発情中のメス犬はマーキングのような行為をすることがあるので、もちろんその予防にもなります。

しかし、一方でデメリットもあります。

 

  • 汚れたら捨てることになるので購入費用がかかる
  • 長時間装着していると蒸れて皮膚炎を起こすことがある他、細菌が陰部に入ることから膀胱炎になることがある

 

つまりは、マナーベルトやマナーパンツは長時間使用するものではなく、必要な時に着ける、汚れたらこまめに取り換えることが大事となります。

MANNER PANTS (MANDARINE BROTHERS)

 

 

犬のマナーベルト、マナーパンツの選び方

では、犬のマナーベルト、マナーパンツはどう選んだらいいのでしょうか?

  1. ぴったりサイズを選ぶ

マナーベルトやマナーパンツを装着したのはいいものの、きつ過ぎるとかぶれを起こしやすくなりますし、大き過ぎれば排泄物が漏れてしまうので、愛犬にぴったりのサイズを選ぶようにしましょう。

メーカーによって扱っているサイズに若干違いはありますが、小さいものでは胴回り10cm、大きいものでは80cm程度までのサイズがあるようです。

マナーベルトやマナーパンツは微妙なサイズ調整ができるようになっており、多少のずれは大丈夫なので、愛犬のサイズに近いものを選ぶといいでしょう。

犬種で選ぶと個体差があるため、必ず愛犬の胴回り、もしくはウェストを測るようにしてください。

胴回りとは、一般的に犬の胴の中央部、つまり肋骨の一番後ろあたり、前肢の付け根と後肢の付け根の中央あたりを指し、ウェストは胴のもっとも細い部分を指します。目安はメーカーのサイトや商品にイラスト入りで表示されていることがあるので購入の際には確かめてください。

 

 2. パンツタイプはずれ落ちを考慮

犬の体形、または犬の動き方によってパンツ型のものはずれ落ちてしまうことがあるので、腰周りがぴたっとフィットするものがおすすめです。

特に、イタリアン・グレーハウンドに代表されるような腰が傾斜して落ちているタイプの犬ではよりずれ落ちやすくなります。それが気になる、ジャストフィットするものがないなどの場合は、ずれ落ち防止のサスペンダー付き、またはシャツタイプのマナーウェアを購入し、内側にマナーパッドを敷くのもいいでしょう。

 

 3. 使い捨て派か洗濯派か

マナーベルトやマナーパンツを使うのであれば、その都度捨てられるほうが洗濯の手間も省けて便利と考える飼い主さんもいらっしゃるでしょうし、せっかく着用させるなら、少しでもデザイン性があって可愛いものがいいと考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

最近の使い捨てタイプのマナーベルトやマナーパンツでは、可愛らしい模様がプリントされた商品もあります。

一方、マナーウェア系では内側に敷いたマナーパッドは都度捨てることにはなりますが、洗濯が可能で、スタイリッシュなものからフリルの付いたスカート型までデザイン性に富んでいるので、より愛犬らしいデザインのものを選ぶことができます。

どちらが良いかは飼い主さんのお好みでお決めください。

 

 4. まずはお試し

せっかく購入してもサイズが合わずにずれる、着け心地がいま一つということもあるので、特に使い捨てタイプのマナーベルトやマナーパンツの場合、最初は数枚程度が入ったお試しパックの購入をおすすめします。

MANNER PANTS (MANDARINE BROTHERS)

 

 

マナーベルト、マナーパンツの装着の仕方

ここではマナーベルトやマナーパンツの着け方を簡単に説明します。詳しくは各メーカーの公式サイトや商品の説明欄に書かれているので、そちらをご覧ください。

 

オス犬(マナーベルト)

  1. マナーベルトを広げ、前後を確認し、「前」が犬の頭側になるようにします。向きが逆になると漏れが生じることがあるのでご注意ください。
  2. 尿とり部分がある内側を犬のお腹にあてるようにして体に巻き付け、背中側でマジックテープを止めます。
  3. 少し緩い時には、お尻側のほうからマジックテープを止めていき、調整しながら最後に上のほうを締めるとしっかり止めやすいです。
  4. 犬の性器がちゃんとマナーベルトの中に収まっているかを確認します。
  5. 商品によってギャザーを引っ張り出す場合や、余った部分を内側に折り畳んだりする場合もあるので、商品説明を確認してください。

 

メス犬(マナーパンツ)

  1. 【パターン1】パンツの形のまま後肢を通し、尻尾用の穴に尻尾を通してから、腰部分のゴムやマジックテープを調整します。
  2. 【パターン2(マジックテープ型の場合)】片側はマジックテープを外さず、残りの片側だけマジックテープを剥がします。マジックテープを剥がしていない輪になっているほうに片脚を入れ、尻尾用の穴に尻尾を通して、残りの片側に脚を入れた後、テープで止めます。
  3. 【パターン3(マジックテープ型の場合)】パンツをマジックテープで止めていない広げた状態で前後を確認し、先に尻尾用の穴に尻尾を通して、後肢の付け根を囲むようにお腹側と背中側をマジックテープで止めます。尻尾の穴が大き過ぎると排泄物が漏れてしまうので、穴の大きさは調整してください。

 

マナーベルトやマナーパンツを着ける時に犬が落ち着かないようであれば、おやつやフードを食べさせ、その間に装着する、誰かに犬を抑えていてもらうなどしてみるといいでしょう。

マナーベルト、マナーパンツに慣れさせることが大事

最後に、マナーベルトやマナーパンツを使う時の注意点を一つ記しておきます。

服を着慣れた犬であれば大丈夫でしょうが、初めてマナーベルトやマナーパンツを着ける時に唐突に着けようとすると犬が嫌がり、それがトラウマになって以降は受け付けなくなることがあります。

初めて着ける時には脚だけ通してみる、最初は着ける時間をごく短くし、徐々に長くしていくなど、少しずつ慣らすことをおすすめします。

やがて慣れてしまえば、おでかけや旅行の時に粗相の心配がなくなるので、飼い主さんの気づかいも軽減されることでしょう。

 

写真協力:MANDARINE BROTHERS https://www.mandarinebrothers.shop
MANNER BELT  https://www.mandarinebrothers.shop/view/item/000000000167?category_page_id=ct8

MANNER PANTS 2025春夏新作

https://www.mandarinebrothers.shop/view/item/000000000261?category_page_id=ct8

 

犬もの文筆家&ドッグライター 大塚良重

犬と人との関係を探求し続ける犬もの文筆家&ドッグライター。犬専門ライター歴30年。1頭の犬との出会いが人生を変える。愛犬への愛と感謝を胸に、文筆家&ライターへと転身した後、犬専門月刊誌や新聞での連載、取材記事、書籍、一般雑誌、web等で執筆。特に犬の介護、シニア犬、ペットロスはライフワークテーマで、「犬と人との関係」に最もアンテナが動く。信条は、"犬こそソウルメイト"。