車での外出時、愛犬の安全を守る「ドライブベッド」のメリットと選び方

更新日: 2025年03月31日
大好きな愛犬と旅行に行ってみたい!でも、電車や新幹線に乗るのはちょっと心配…。
そんな飼い主さんにおすすめなのが、車で楽しむドライブ旅です。家族だけの空間でのびのびとした移動が叶い、食事や休憩のタイミングも自由。荷物が多くなりがちな飼い主さんにとっては、その身軽さもうれしいですよね。
そんな愛犬とのドライブ旅に欠かせないのが「ドライブベッド」です。犬の体が安定し、飛び出し防止にもなるドライブベッド。この記事では、そのメリットや種類、選び方などをご紹介します。
犬用「ドライブベッド」とは?
「ドライブベッド」とは、犬を車に乗せる際に専用のベルトでシートに固定できる犬用ベッドのことを言います。
同じく、ボックス型になったタイプは「ドライブボックス」とも言われますが、両者の境は曖昧で、似たような形状であってもドライブベッドと言われたり、ドライブボックスと言われたりすることがあります。
どちらにしても犬を車に乗せる時に、より“犬の安全”を重視したドライブグッズであることに変わりはありません。
現状、1シート分を占有するサイズであり、小型犬~小柄な中型犬向きの商品が多くを占めます。
ドライブベッドを使うことのメリット
では、愛犬とドライブや旅行に行く時にドライブベッドを使うメリットはどこにあるのでしょうか?
その前に、車内で犬をフリーにしたり、膝の上に抱いたりしている場合のリスクについて少し見てみたいと思います。そのリスクとは…、
- 急ブレーキをかけた時や事故に遭った時、犬が受ける衝撃が大き過ぎると予測される
- 安定性に欠けるため酔いやすい
- 犬の動きによっては運転の邪魔になる(この場合、道路交通法違反に問われることもある)
以上、犬を車内でフリーにさせることはたいへんリスキーであることがわかりますが、こうしたリスクを軽減する目的で登場したのがドライブベッドです。
ここまでお読みいただければすでにそのメリットはおわかりだと思いますが、改めて以下に挙げてみましょう。
- ベッドごと固定するため犬に安定感が出る
- 安定感があることから酔いやすさを軽減できる
- 安定感がある上に四方が囲まれているため犬に安心感が生まれ、リラックスできる
- 万一急ブレーキを踏んだ時など飛び出し防止になる
- 犬が運転の邪魔をすることがない
- 車のドアが開くと勝手に飛び降りてしまうような犬では、それによる事故や迷子を防止できる
ドライブベッドの種類や特徴
DRIVING CUSHION -WIDE- 写真提供: MANDARINE BROTHERS
ドライブベッドに興味をもたれた飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、ここではどんな種類や特徴があるのか少し見ていきましょう。
ドライブベッド
- 綿やポリエステル、ウレタンなどクッション性の高い素材と生地でつくられており、厚みがある。
- 普段は一般的なベッドとしても使える2wayタイプや、キャリーバッグにもなる3wayタイプもある。
- 洗濯可能なものが多い。
ドライブボックス
- ボックス型で、側面はベッドタイプに比べて薄く、折り畳めるものが多い。
- 底板を取り付けたり、クッションを付け足したりできるものもある。
- 撥水性のある生地でできたものが多い。
ドライブベッド、ドライブボックス共通
- ドライブベッド(ドライブボックス)に付いている固定用バンドを車のシートベルトやヘッドレスト、シート本体などに取り付けることでシートに固定できる。
- 高さはおおむね20cm~55cm程度。(注:底敷きのクッションの厚さを引いた“深さ”ではなく、あくまでも本体外側の高さ)
- 犬の飛び出し防止用のリードが付いているものが多い。
- 蓋ができるタイプのものもある。
その他、次のようなタイプもあります。
ドライブシート
- 後部座席の背もたれから前部座席の背中まで、そして左右のドアからドアまでの四方を厚みのあるシートですっぽり囲んで使用するタイプ。
- 主に中型犬~大型犬向き。
- ドライブベッドやドライブボックスと比較すると、空間が広くなる分、安定性にはやや欠ける。
DRIVING CUSHION -WIDE-(MANDARINE BROTHERS)
ドライブベッドの選び方
種類や特徴を見たところで、次はドライブベッドを選ぶにはどんなところをポイントにしたらいいのか見ていきましょう。
ポイント①車のシートへの固定法をチェック
ドライブベッドは「安心」や「安全」を謳うものなので、しっかり固定ができなければ意味がありません。
前部座席のヘッドレストにしか固定できないものはドライブベッド(ドライブボックス)の下部が不安定になるおそれがあり、あまりお勧めしません。
また、犬を後部座席に乗せることが多いならば、後部座席のシートベルトにも対応しているかなど、固定方法が十分であるか確認しましょう。
ポイント②愛犬にフィットする大きさや深さか
ドライブベッドは犬がくるりと楽に方向転換できるサイズであることは必須です。
あまり広過ぎると安定感に欠け酔いやすくなりますし、逆に狭過ぎるとストレスにもなるので、サイズを確認しましょう。
また、深さがあまりないとブレーキをかけた時や、ぴょんぴょん跳ねるなどて落ち着かない犬では飛び出てしまう可能性がありますし、外を見るのが大好きな犬では深さがあり過ぎるとストレスに感じるかもしれません。
愛犬の好みや行動も考慮した上で、ある程度の深さがあるものを選ぶといいでしょう。
ポイント③対応体重をチェック
各ドライブベッド、ドライブボックスには対応できる体重(推奨最大重量)が表示されていることが多いので、確認してください。
その重量を超えてしまうと、固定用バンドが機能を維持しきれずに破損してしまう可能性もあるので、推奨重量以内に収まるものをお選びください。
ポイント④犬の飛び出し防止用のリードが付いているか
いくらドライブベッドに入っていたとしても、それだけでは急ブレーキをかけた時、また犬の意思によって外に飛び出てしまう可能性があります。
より安全を守るためには飛び出し防止用のリードが付いているものをおすすめします。
なお、万一急ブレーキがかかった場合、飛び出し防止用のリードを首輪につないでいると首に相当なショックがかかることが予想されるので、できればハーネスにつなぐといいでしょう。
ポイント⑤洗濯可能か、汚れ落としは楽か
丸洗いができるのか、できない場合はカバーが付いているのか、防水・防汚措置がなされているのかなど、お手入れ法についても確認を。
ドライブベッドの形状を考慮
たとえば、もこもこのベッド型は冬には暖かいですが、夏はエアコンの冷気がうまく届かない場合も考えられます。暑い時期には風や冷気が通りやすいよう側面がメッシュ素材のものを使うなど、季節や状況によって使い分けるのもいいでしょう。
また、他の人や物をよく乗せるのであれば、折り畳み式のタイプが便利かもしれません。
このように、使用シーンやご家庭の事情を考慮してドライブベッドを選ぶのもいいと思います。
愛犬にあったドライブベッドで旅をより楽しく
ドライブベッドにはさまざまな種類があります。愛犬の体格や性格、移動スタイルに合わせて最適なものを選ぶことで、より快適なドライブが実現できます。旅先での楽しい時間を支えるために移動環境を整えて、愛犬との最高の旅時間を過ごしましょう!
写真協力:MANDARINE BROTHERS https://www.mandarinebrothers.shop
DRIVING CUSHION -WIDE-
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犬もの文筆家&ドッグライター 大塚良重